賢者とスキル
「お久し振りです・・・・・佐藤君」
「一応聞いておくけど・・・・・あなたは大丈夫なのね?」
山野さんと如月さんだ
まぁ、やはりと言うかなんと言うか・・・・・
警戒するよなぁ・・・・
俺でもそうするだろうし、警戒しなければかえってこちらが警戒する事になる
俺としてはこの三人は大丈夫だとは思うけど、敵がうろちょろしている中で長時間放置されていた上、敵になっていたのであろう明日さんに場所を知られていたのだから疑わざるを得ない
「こちらこそ一応聞いておきたいのですが・・・・・まだ無事ですよね?王女様?」
一瞬、自分の問いかけを無視された如月さんがムッとするが山野さんに宥められる
「ええ、私はまだ無事ですよ。そしてあなたもまた無事なようですね、佐藤さん。助けに来てくださって感謝いたします」
いきなり頭を下げた王女様の言葉に山野さんと如月さんが驚愕する
「王女様!?どうしてそんなにすぐに信頼できるんですか!?」
「そっ、そうですよ・・・・・佐藤君もなっちみたいになっているかもしれないんですよ」
まぁ、二人の言い分はもっともだ
「私の作成した魔法であるインスタンスギフトの能力により、ソラさんの「人物鑑定」を劣化版とは言え使用しました。このギフトの凄さは佐藤さんなら知っているはずですよね?」
インスタンスギフト・・・・名前からして実際に存在するギフトを劣化版として使用できるといったところか・・・・・・
賢者って相変わらずのチートだと思う
ソラさんの人物鑑定の凄さは俺もよく知っている
何せよく考えれば俺が一連の騒動に巻き込まれる原因みたいな物なのだ
「しかし、その能力でどうして俺が無事だと?」
「操られている人はステータスに「隷属状態」と記載されるからですね。現に倒れている明日さんには「隷属状態」とステータスに記載されています」
なるほどそう言うことか・・・・・
確かにそこまでできれば俺がシロだとわかるだろう
だが、俺からしたらまだ王女様達は信頼できるわけではない
・・・・・だから
「王女様・・・・そのスキルの作り方を教えてください」
一瞬王女様が怪訝そうな顔をする
それはそうだろう。賢者の職業についていなければスキルの作成なんてできるわけが無いのだから
それでも何か考えがあるのだろうと作り方を教えてくれる
「まず、前提として賢者の職業はこの世の理を突破することはできません。例をあげると、結果として人を殺すことが可能だとしても人を即死させるという効果のスキルは作成することはできません」
俺はなんとなく理解はできるが山野さんと如月さんは理解できなかったようだ
「例を上げるなら先程の殺人ですが、特大の火球を産み出し相手にぶつけるスキルを作ることは可能ですが、相手に直接作用して死亡させるスキルを作ることはできないと言うことです」
その説明で二人ともなんとなく理解したようだ
つまり、メラ⚪ーマは作れるけどザ⚪キは作れないと言うことだろう・・・・・うん、余計分かりにくいか
「二つ目の前提としてギフトの持つ力と同じスキルを作ることはできません」
「あれ?でも王女様はさっき普通に使ってたような・・・・・」
確かに・・・・・
先程、王女様は言っていた
「ソラさんの人物鑑定を劣化版として使用した」
と
それが本当ならこの説明はおかしい
「ええ、これがこの職業の嫌らしいところというべきでしょう。これも先程と同じなのです。つまり、直接ギフトの力を持つスキルは作れないが他人のギフトの力を模倣することはできるのですよ」
それは最早・・・・・なんと言うか・・・・
「屁理屈・・・・・みたいですね」
山野さんが呟く
うん、それだ
ちなみに途中から如月さんは着いてこれてないのかしきりに頭を捻っている
「この二つの前提を踏まえた上で、作りたいスキルを作ることができます」
あれ!?最後フワッとしすぎじゃないですかねぇ!?
「仕方がないではありませんか・・・・この感じは本当にこう説明するしか無いのですから・・・」
そういうもんなのか・・・・・ならやってみるしかないかな
俺は転職師で職業を賢者に変更する
「へ?」
あっ、王女様が変な声を出した
もしかしてまだ俺のステータスを見てたのかな?
「さっ、佐藤さん・・・・今貴方・・・・・何を・・・・?」
「どうかしましたか?王女様?」
「佐藤、あんたなにやったのよ!」
「んー、何って・・・・・今賢者に転職しただけだが?」
「はっ?」
「ひぃっ」
「ふぇ!?」
上から如月さん、王女様、山野さんだ
あー、確かにこの感覚は賢者にならないとわからないや
俺は先程王女様が言ってた通りにインスタンスギフトを作ってみる
あっ、名前は自分でつけられるのか
俺もインスタンスギフトでいいや
ということはこの安易なスキル名は王女様がつけたってことなのかねぇ
とか言ったら怒られそうなので黙っておく
ついでに表情もポーカーフェイスだ
「よし!できた!」
確かに王女様・・・・・いや、もう警戒する必要もないか・・・・シフル様の言うとおり作成することができたし、三人とも隷属状態にはなっていなかった
勿論明日さんは隷属状態ついてたけど
これはシフル様を助けに来たところでとんだ棚ぼただった
さてと、帰って皆に教えてやらないと




