初依頼と奴隷姉妹のステータス
「さてと・・・今日は冒険者ギルドに行って依頼でも受けるか」
この世界に来てから初めての依頼だ。正直な話少しワクワクしていたりする
「多分かなりゲンナリすると思うよ」
隣ではニーナが苦笑いしている
「・・・・・・・?」
どういう意味かわからず一人首を傾げるが
その理由もギルドにつくとすぐにわかった
「うわぁ・・・・・」
どこを見てもむさい男、オカマ、男
見ていて暑苦しくなるくらいである
しかも群がっている先は
「げっ!依頼ボードかよ!」
あの中に入って依頼を取りに行くだなんて考えたくもない
かと言って王女様から貰ったお金もいつまでも残っている訳ではないのだ。稼がなければならない
現在の所持金は金貨35枚と銀貨2枚
正直使いすぎた感じがする
まぁ、宿に泊まってご飯を食べるだけなら3人でも1ヶ月と半月は問題ないだろう
しかし、かかるのは食費だけでなく
俺が強くなるためには必須な転職の代金
ニーナとタマの衣服代
俺の武器のメンテナンス代
などなどお金が必要になってくる用件はいくらでもあるのだ
それにニーナに聞いた話では最下級冒険者であるFランクの一日の稼ぎの平均は銀貨3枚
なんとか宿屋に泊まれるレベルである
なので、なるべく早く沢山の依頼を達成して最低限Cランクまでは上げておきたいものである
まぁ、テンプレ通りCランクの一日の稼ぎの平均は金貨2枚
まぁ1日に20万とか日本にいた頃なら発狂してるだろうが命を天秤にかけていると考えれば決して高い金額とは言えないだろう
命の価値はプライスレスだからね!
・・・・・と現実逃避もそろそろやめてあの中に飛び込むか
「じゃあニーナ、タマ・・・・俺・・・・逝って来るよ」
「へ?ちょっと待って!」
『行ってらっしゃいなのー』
ニーナが何か叫んでいたが俺にはよく聞こえなかった
「うぉおおおおおおおおお!」
雄叫びと共に野郎ども(一部オカマ)の中に突っ込む
そして、その中から一枚の依頼を
「取ったどおぉおおおおお!」
チラリと取った依頼を確認する
『ドラゴンの討伐』
「出来るか!!」
思わず床に叩きつけた
「はぁ、人の話くらい聞きなさいよ」
後ろからため息をついたニーナとニコニコ笑っているタマが来る
どうやらタマは今の一連の動作が面白かったらしい
「あそこにある依頼ボードは中級から上級冒険者用の物よ。初球冒険者であるFとEは受付で依頼を受けるのよ」
「そっ、そうだったのか・・・・」
だったら早くそれを言ってくれと思ったが、よく考えたらろくに話も聞かずに飛び出したの俺だったわ
反省反省
というわけで受け付けカウンターに進む
「すいません。依頼の受付をお願いしたいのですが」
「かしこまりました。それではギルド証の提示をお願いします」
ギルドで依頼を受けるときはギルド証の提示をし、今まで受けた依頼などを確認してその実力に見あった依頼の中で、こちらの要望を聞いて選んでくれるらしい
要望は勿論討伐系統
ニーナとタマも一応パーティーには入れているので連れていく予定だ
パーティーに入れていれば戦わなくても経験値が入るので、戦わないにしても逃げるためのステータスは必要だろうと考えてパーティーに入れている
勿論敵が俺の手におえない時や数が多そうだったら戦わずに逃げる
俺の気配察知は半径500メートルまでは届くので敵が大群でも安全な距離から逃げ切れるだろう
最悪俺にパワーとスピードを重ねがけにして二人を抱えれば逃げ切れると思うし
ついでに二人のステータスはこうだ
ニーナ
職業 奴隷
Lv.1
HP 9/9(×2)
MP 0/0
攻撃 7
防御 6(×2)
速さ 7
魔力 0
スキル
ギフト
完全記憶、超聴力
完全記憶
一度見たり聞いたことを任意で記憶の引き出しにしまうことが出来る
記憶の引き出しにしまいこんだ情報はいつでも引き出せる
超聴力
最大で半径1km先の音でも聞き取れる
対象を選ばずに使うと逆に聞こえにくくなる
なんとニーナはギフトを二つも持っていた
っていうかニーナのギフトって・・・・・これ悪いことが色々とできそうな気がする・・・多分奴隷なのにやたらと情報を持ってる理由がこの二つのギフトの力なんだろう
ついでに言うと、ギフトは異世界から来た人は全員持っている
そして、この世界に元から住んでいる人もたまに持っているらしい
それに奴隷の職業補正ヤバイな!HPと防御に×2の補正かよ
奴隷はなぶられるっていう俺のイメージを肯定するかのようなステータスだな
タマ
Lv.1
職業 奴隷
HP 5/5(×2)
MP 0/0
攻撃 3
防御 5(×2)
速さ 7
魔力 0
スキル
ギフト
魔血の封印
魔血の封印
魔の力を封印する。ステータスが半減する
つまり、タマは弱そうに見えるけどこの魔血の封印を解くことで劇的に強くなるようだ
・・・・どう見ても解いていい封印じゃないんだけどね
そんなこんなで受けた依頼は
スライムの討伐
スライムを5匹討伐せよ(期間無制限)
ゴブリンの討伐
ゴブリンを5匹討伐せよ(期間無制限)
ウルフの討伐
ウルフを5匹討伐せよ(期間無制限)
だった
全て報酬は銀貨1枚と銅貨5枚
つまり、全て達成すれば銀貨4枚と銅貨5枚がもらえる
ついでに討伐したかどうかはギルド証を見ればわかるらしい
どういう理屈かはわからないがギルド証を持った状態でモンスターを倒すとその倒したモンスターがギルド証に登録されるんだそうだ
まぁ、これもテンプレだね
「そういえばスライムってどこにいるの?」
よく考えたら俺は初めて城下町から外に出たわけでどこに何がいるのかわからないのだ
俺の気配察知では魔物か人かとかの大まかな判別なら、大体の大きさがわかるので、できるのだが、それ以上の事がわからないのでどの魔物がそこにいるのはわからない
「それなら任せて。キラは気配のある方を教えてくれればそっちに超聴力を使うから。一応この辺りにはスライムとウルフとゴブリンしかいないはずだから流石に音で何がいるのかはわかるし」
とニーナが言うので任せる
「んー、あそこにいるのはゴブリンで、あそこはウルフだから・・・・見つけた!あそこにスライムがいるよ」
と走り出したニーナを追いかける
勿論ニーナも走り出したとはいえタマを置いていくような速さではなく、タマが追い付けるスピードで走っていたので楽々追い付くことはできたのだが
そして、ニーナが見つけたスライム(ちょうどよく5匹いた)を倒すと毎度お馴染みのあの音がなった
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
『レベルアップしました』
『キラは成長の限界に達した』
佐藤 キラ
職業 僧侶+1
Lv.2(成長の限界)
HP 60/60
MP 70/70(+2)
攻撃 48(+1)
防御 47
速さ 71(+7)
魔力 65(+6)
スキル
気配察知 隠密 初級鑑定 パワー ガード スピード ヒール リジェネ
ギフト
成長限界短縮