再び指名依頼と結婚
「こんばんは。キラさん」
そこにいたのは最初に俺をソラさんの所へと案内した受付嬢だった
「・・・・・・こんばんは」
イライラしているとはいえ、ここでこの受付嬢さんに当たってもただの八つ当たりだと言うことは理解できていたため、当たり障りの無い返事を返す
「1つお願いがあります」
「なんです?」
とにかく今は早く帰りたいのに呼び止めてしまう受付嬢さんに少し怒気を孕んだ声で返事をしてしまう
「キラさんに指名依頼です」
「お断りします」
別にもう一生働かなくても生きていけるくらいの金はあるのだ。なので冒険者であることに拘る必要もない
だから指名依頼を無理矢理受ける必要もないのだ
「即答ですか・・・・」
「第一指名依頼は基本的にギルドマスターが出すものではなかったのですか?」
少なくとも一介の受付嬢が出せるものではない
指名依頼は指名したい人とどのような依頼をするかをギルドマスターが確認し、それが実力的に的確だと判断された場合に冒険者へと伝えられる
そういうシステムだったはずだ
「今の私は暫定ギルドマスターなので」
どうやらソラさんが抜けた穴をいきなり補充するのは難しく、その間はギルドの中でも古参な彼女がギルドマスターの代理をやっているらしい
「この依頼はキラさんにしか頼めないので受けてもらいたいのですが」
「さっきもお断りしますと言いましたが」
「最後まで聞いてくださいよ」
まぁ、聴くだけならと頷く
恐らく返事は変わらないんだろうなと思いながら
「依頼者はギルド職員並びに暫定ギルドマスターの私です」
ギルドマスターからの指名依頼
それは俺が以前ソラさんから受けた指名依頼を思い出させた
そして、依頼内容を聞いた俺は取りあえず返事を保留として家に帰って相談することにし、家に帰る
家に帰って相談すると
小鳥からは
「なんでそこで行かせちゃうの!?無理してでも止めなきゃダメだよ!」
と怒られ、ニーナとタマからは
「キラ・・・・それは流石にヘタレすぎ」
『お兄ちゃんはやろうと思えばなんでもできるはずなのー』
と呆れられた
それが俺にある覚悟を決めさせ、俺は初めて一人で依頼を受けることになった
今回ばかりはタマもワガママは言わずに
『おうちで待ってるのー』
と言ってくれた
なので俺は一人依頼を達成するために城下町を出た
「はぁ・・・・・・」
憂鬱の中で私は溜め息をついていた
城下町を後にしてから一ヶ月が経ち、私はもうすぐエルフの里へと帰ることになる
そこに帰れば王族の妻となりもう自由気ままに外に出ることもできずに命じられるまま『人物鑑定』を使うだけの生活だ
心残りが無いと言ったら嘘になる
だが、私は自分の幸せと家族の命を天秤にかけて家族の命を選んだ
これを後悔してはいけないのだ
一瞬チラリとキラの顔が過ったが頭を振って忘れる
この気持ちが何なのかは何となく察しはついていたが、彼の回りには魅力的な女性が他にもいるし彼はエルフではなく人族なのだ
寿命が大幅に伸びる他、たまに特別なスキルがつく『世界樹の祝福』を持っていない人族と『世界樹の祝福』を持っているエルフ族では寿命の違いから結婚もできない
実力至上主義のエルフでは実力さえ認められればある程度の発言は許されるが私はまだ百年と少ししか生きてはいない
人によっては楽にS級冒険者を倒すことのできるエルフ達相手に認めさせることができるような実力など持っていないのだ
だからこれでいいのだと自分を納得させて私はエルフの里の入り口へと向かった
そこから早いものでもう二週間が立った
今日は私の結婚式
ある意味私の人生が終わる日でもあるからお葬式と言い換えても良いかもしれない
結婚は人生の墓場であるとは良く言ったものだ
エルフの王が私と王族の一人であり、私の夫となるクズマの婚姻を宣言しようとしたその時
結婚式場の扉が大きな音を立てて開かれた
「その結婚ちょっと待った!」
そこにいたのは
私が愛しながらも諦めた一人の男の姿だった
「その結婚ちょっと待った!」
定番のネタですよねぇ
一回やってみたかったんですよ
評価、ブクマ、感想よろしくお願いします




