決勝戦
今回いつもより短いです
「それでは大変お待たせいたしました!只今よりこの闘舞祭最後の戦いが始まります!」
「「「うぉおおおおおおお!!!」」」
司会のお姉さんの声に応える観衆の声援が試合会場に響き渡る
「決勝戦を戦う選手を紹介させていただきましょう!まずは-全智-と呼ばれるソラ選手を激闘の末に撃破した期待の新星-鬼神-のS級冒険者キラ選手!」
司会のお姉さんの紹介に観客席の一部がざわめく
あれ?この説明は準決勝のときもされてたと思うんだけど・・・・・
そう思いざわついていた方を見ると女性が多かった
恐らくだが決勝戦以外は見に来ていなかった人たちなのだろう
-鬼神-って言うには見た目がショボすぎる俺を見てガッカリしているのかな?
「対するは-猛虎-の二つ名を持つA級冒険者にしてこの闘舞祭を3連覇している美しき女傑!コヨミ選手です」
「「うぉおおおおおおお」」
なんだろう・・・・・この時点でなんだか凄い敗北感を覚える
「さぁ、始めようか!ソラからもあんた相手なら本気で殺っていいって聞いてるんだ。少しは楽しませてくれよ?」
「おっ、お手柔らかに」
今「本気でやってもいい」という言葉が全く別の意味に聞こえてしまったのは気のせいなのだろうか?
「それでは試合開始!!」
「「おおぉおおおおお!!」」
試合開始の合図と共に俺たちは体を魔力で覆う
「そういや、どうして総合力で勝っているソラがいつも私に勝てないのかって知ってるかい?」
いや、見たら何となく理解した
「魔力の扱いだけに関しては私の方がずっと上手だからだよ!」
コヨミさんが纏っている魔力は全て一定の厚さで密度も濃いのだ
「だから同じ理由であんたも私には勝てない!そんな魔力を垂れ流しているだけの状態じゃいくらS級と言えども前衛職じゃあ5分持たないだろうし」
そういうとコヨミさんが後ろに回り込む
気配察知で反応はできたが回避が間に合わない
俺は振り返ると手をクロスしてガードする
そんな俺を嘲笑うかのようにコヨミさんの一撃はそれなりのダメージを与えてきた
「私程度の攻撃力でも普通に貫通できる」
思いの外ダメージが通ったがまだ全然戦える
俺は魔力を纏ったまま隠密を発動し、俊足で相手の後ろを取る
ソラさんでさえ最後まで対応しきることのできなかったコンボだ
まるで勝負を急いでいるかのように攻撃を繰り出す
今の俺のレベルはLv.2
なので隠密は2分しか持たない
だけどコヨミさんもソラさんにいつも勝っているだけはあり完全には捌けないまでもダメージを受けないようにいなしてきている
「くっ!」
それでも愚直に攻撃を繰り返すことしか今の俺にはできない
何故ならば攻撃をやめた瞬間にまたコヨミさんからの反撃が始まるからだ
「うぉおおおおおおお!」
やけくそとばかりに理性なき獣のように攻撃を繰り返す
大会のルールをきちんと調べた結果俺が勝つためにはこれが一番可能性が高かったのだ
・・・・・少し反則っぽいと言ったら反則っぽいが
とにかく今は少しでもコヨミさんの体力を削ることを優先する
本当なら魔力を纏った攻撃と隠密俊足のコンボで決めきれればよかったのだがコヨミさんはそこまで甘くなかった
それはソラさんも同様で、ソラさんが最終的に自滅するような技を使わなければ俺が負けていた可能性まであった
そんな中、遂に俺の隠密がとけてコヨミさんが俺の攻撃をとらえる
「ちっ!」
隠密は同じ相手に二度使っても同じような効果は得ることができない
つまり、隠密なしで後3分凌ぎきらなければいけない
・・・・・使いなれていないあれを使えるように
「ほらほらほら!どうしたんだい?攻撃が止まってるよ?」
コヨミさんの攻撃が入る
俺は集中力を切らさずに準備をしながらなんとかコヨミさんの攻撃をかわしていく
時には受けることもあったがなんとか3分間凌ぎきる
「ふん!こんなもんかい?拍子抜けだね!これならソラの方がまだまだ強い!」
そう言って蹴飛ばされる
「がっ!」
壁に打ち付けられたが問題ない
ルール的にはグレーゾーンだが準備は整った
「試してみるか?」
俺はそう呟き準備していた力を解放する
右手にメガフレイムを左手にメガウィンドを球状にして発生させる
「なっ!?」
コヨミさんが驚いた顔をする
まぁ、それも当然だろう何故なら
「ちょっ!!キラ選手!?それ魔法ですよね?魔法の使用は反則です!よってあっけない幕切れとなりましたがこの決勝戦!勝者はコヨミ選手です!」
司会の声が静まりかえった会場に響いた




