決着と囮
「うぉおおおおお!!」
一撃ですら当たらない、こちらが動きをつかんだと思ったら次の瞬間には更に加速していく
目などほとんど役にはたたない
ソラさんの攻撃する一瞬前に発生するゾワッとした感覚を信じて攻撃することしかできないのだ
ソラさんは俺が感覚のみでソラさんを捉えていると気づいてからはフェイントなども混ぜ込み攻撃してきたため、動きを捉えきるなど不可能に近かった
俺はまだ体に魔力を纏った戦闘方法は慣れていないため、移動には駿足を使いながら攻撃をかわしていく
そして、隙あらば攻撃をするのだが、それのほとんどがカウンターをもらうことになりそれ以外は全てかわされていた
「っ!」
不意にソラさんの動きが止まった
その隙を見逃すわけは行かず俺はソラさんの下へと駿足で駆ける
「・・・・・・ギブアップ」
「へ?」
ソラさんの言葉を聞いてソラさんに当てようとしていた一撃をピタリと止める
「おぉっとぉ目にも止まらないスピードで行われていた試合でしたが遂に決着!決着です。両者力を振り絞ったとても素晴らしい試合でした・・・・・・まぁ見えてないから素晴らしいとか言えるかわからないんですがね」
司会のお姉さんの冗談に観客席から笑いがおこる
「それでは本日の試合はここまでとなります。皆さま明日の決勝戦はいつもの対戦カードと変わり、キラさんVs.コヨミさんとなります。こちらも激戦が期待できますので皆様こぞってご観戦お願い致します」
そう司会のお姉さんが言うと客席の皆が帰っていく
それにあわせてソラさんも普通に歩いていく
「大丈夫ですか?ソラさん」
「・・・・全然大丈夫じゃない」
そんなに疲れているのか!?
閃火って、怖いな
「誰かさんが当たったら一撃で死亡確定な威力を持った拳で私を殴ろうとしてくるからかわすのに死に物狂いだった」
あ・・・・・
そう言えば俺はあのとき魔力を全身に纏って自身を強化していたわけで
元から俺のステータスは人一人くらいなら普通に圧殺できるレベルではあるし、それが強化されるとなれば・・・・
うん、どおりでソラさんが過剰に避けていたわけだ
俺は顔から血の気が引くのを感じていた
「ほんとにすいませんでしたー!」
地に伏して謝る
「ん、生きてたし許してあげる。だけどその代わり今度買い物付き合ってもらう」
「それくらいならいくらでも!」
「ん、言質はとった」
ん?今すごく怖い言葉が聞こえた気がするんだが・・・・・
まぁ、いいか
「それよりもソラさん。これからどうするんですか?」
「ん?どうもしない。お金だけもらって後は観戦」
「一つソラさんに伝えておきたいことが・・」
俺はソラさんに王女シフル様からの依頼について話した
「・・・・そんなことが起きてたなんて」
「それで、ソラさんには囮・・・・というと言い方悪いですが似たようなことをやってもらえないかな?と思いまして・・・・」
「なるほど、私もこの闘舞祭の敗者だから囮には最適・・・・というわけ」
俺は肯定とばかりに頷く
「連絡方法はどうするの?」
「その方法ですが・・・・一時的に俺のパーティーに入ってもらえないかと」
パーティーならば念話によって話ができるし
「ん、わかった・・・・・これでいい?」
確認すると確かにソラさんの名前が俺のパーティーに増えていた
「それじゃあお願いします」
こうして俺とソラさんは別れた
私は賞金を受けとるために賞金受取所に向かった
「賞金を受け取りに来た」
「畏まりました。ただいま準備させていただきますので少々お待ちくださいませ」
受付の言葉に私は頷く
「お待ちの際に少々お話をきいてほしいとおっしゃっている方がいらっしゃいまして・・・・お話だけでも聞いていただくことはできないでしょうか?」
来た・・・・・キラから聞いていた通りだ
この先に何があるのかを確かめてみせる!!
私は案内してくれている受付の後ろについて扉の向こうへと向かう
そこで目に入ったのは・・・・
転移魔方陣だった
『キラ・・・・・扉の向こうには転移魔方陣があった』
『転移魔方陣って踏むと決められた場所に転位するみたいなやつですか?』
『ん、概ねそれで間違ってはいない。まぁ、踏んだだけでは発動しないし魔力を流し込まなきゃ発動しないんだけど』
「それでは転移魔方陣の先にいらっしゃいますお方からお話を聞いてください」
受付の言葉に頷くと
『それじゃあ行ってくる』
『気を付けてくださいね』
『わかってる。ありがと』
キラからの心配が少し嬉しい等と思ってしまうが、今はそのようなことを考えている場合では無いのだ
私は転移魔方陣へと足を乗せた
「ようこそ、我が新たなる同士よ」
転移した先にいたのは
「カースベルト公爵?」
カースベルト公爵は現王の甥でとても残念な人だと有名な男である
念のためキラに連絡しようとするが・・・・
念話が繋がらない!?
よく調べてみればパーティーも解除されているようだ
「うむ、その通りだ。そういうお主は王都ギルドマスター-全智-のソラだな?」
内心の同様を出さないように気を付けながらも私は頷いた
「それで?同士とは何のことでしょうか?」
「ふむ、ワシはな、今の王都を憂いておる。だからこそ我が力で王を倒し我が上に立つのだ」
「そんなことに私が協力するとでも?」
私は敬語を使うのをやめた
先程までは相手が公爵だから一応最低限の敬語は使っていたのだが今の発言を聞くに、こいつはただの残念なテロリストだ
発言くらいどうしようと構うまい
「残念だが貴様の意思など関係なく同士にはなってもらうことになる」
「それはどういう・・・・・?」
「すぐにわかるさ・・」
そういうとパチンと指をならす
「何を・・・がっ!?」
いきなり後ろから攻撃をくらい、意識が白くなっていく
「キ・・・・・ラ・・・・・」
その言葉を最後に私は意識を失った




