助っ人と依頼
「のわっ!?」
いきなり襲いかかってきたタマの攻撃を間一髪で避ける
先程見たステータスが本当ならばタマの魔血の封印が解けてしまったんだろう
ステータスも成長限界短縮のせいで化け物クラスになっている俺を更に圧倒してるし・・・・・
それでも俺がなんとか戦えているのはソラさんとの特訓があったからだろう
そのお陰でなんとか補助魔法をかけることもでき、ステータスではまだ劣っているものの、なんとかタマの攻撃をいなすことはできていた
「だけど・・・これじゃあじり貧だな・・・・」
おそらく逃げ切ることはできるだろうが、その場合タマは暴走したまんまだろうし、最悪の場合・・・・というよりもほぼ確実にギルドによって討伐依頼が出てしまうだろう
そんなことは許容できないししたくない
けれども俺が持っている力だけじゃどうにもできないことは確かだ
「どうしたら・・・・・」
俺が呟くとともに足音が近づいて来た
ヤバイ・・・・こんな状態のタマを誰かに見られたら・・・
おそらくパニックになるだろう
しかも足音はまっすぐにこっちへと向かってきている
まるでここになにかがいることがわかっているかのように
そして遂にその人物は俺とタマが戦っている場所に来てしまった
「あっ、あなたは・・・・・・!」
ここに来た人物を見て俺は驚愕の声を漏らす
その人物はここにいるはずのない人物
俺たちを召喚し、俺に大量のお金を用意してくれた王女様だった
「事情は理解しています。お手伝いいたしましょうか?佐藤キラさん」
王女様はそう言うと薄く微笑んだ
気づいたらタマは暗闇の中にいた
どこか見覚えがあるような気もするし、見たことがないような気もする
あれ~?タマはどうしてこんなところにいるんだっけ~?
少しずつ思い出してみる
確か・・・・大好きなお兄ちゃんの格好いい姿を見るために大きな建物に行って・・・・お兄ちゃんが相手に勝つところを見て・・・・・そうだ!我慢できなくなったからトイレに行ったんだった
そして、トイレを済ませて外に出てから・・・・・いきなり眠くなっちゃって寝ちゃったんだ!
それで目を覚ますと目の前には・・・
男の人に殴られているお兄ちゃんがいた
殴られると痛い
痛いのがいっぱいになると死んじゃう
・・・・・タマの大好きだったお父さんとお母さんみたいに
死んじゃう?
お兄ちゃんが?
そんなの・・・・・・嫌だ
そう思ったらいつの間にかここにいたんだった
ここはどこなんだろう?
しばらく暗闇の中をさ迷い続けているとだんだんと体が重くなっていくのを感じる
「あぁ・・!?」
足を見ると段々と黒くなっていってるのがわかった
それと同時に心がなんだか黒くなって行くのも
『・・・せ・・・・く・・・くせ・・・・・よ』
変な声が聞こえてくる
嫌だ!怖い!助けて!お兄ちゃん!
本能で察してしまった
この黒いのはタマを食べようとしてるって
『すべ・を食ら・・・・かいせよ』
いや!やめて!タマを食べないで!
そう思うけど黒いのはどんどんタマを飲み込んで行く
そんな時
『タマ・・・・・』
お兄ちゃんの声が聞こえた
声が聞こえた方を見ると光が見える
・・・・・あっちにお兄ちゃんがいる
タマにはそれがわかった
『・・・・・せ・・・・・・・・よ』
『タマ・・・戻っておいで』
気がつくとタマを飲み込もうとしていた黒いのがなくなっていってる
なんだかお兄ちゃんを何時もより身近に感じる
「手伝ってくださりありがとうございました。俺一人だとどうにもできなかったと思います」
気を失ってしまったタマを抱き抱えて俺は改めて王女様・・・・シフル様にお礼をいう
それにしても驚いた
シフル様はこの世界に8人しかいないS級冒険者のうちの一人で-神秘-の二つ名を持っているらしい
かといって純粋な戦闘力はそこそこでS級の中では新しくS級になった俺よりも下らしい
だが、シフル様の本領はその職業である賢者にある
様々な魔法を使いこなし、何でもできる
これがシフル様の-神秘-の二つ名の由来だそうだ
その能力の応用性は様々な職業に転職している俺でも勝てないだろう
まぁ確かに召喚魔法とか使える時点でただものであるはずがないんだけど・・・・・
今回は俺がタマを足止めしている間にシフル様は俺たちのために新しい魔法を作ってくれた
そう、賢者の真骨頂は魔法を掛け合わせることで新しい魔法を作ることだ
今回作ってくれたのは従魔魔法とでも言うべき物で、俺とタマの間でパスを繋ぎ、俺からタマの魔獣化のON/OFFをできるようになった
これによって俺はタマの魔獣化をOFFにしてタマを止めたのだ
「いえいえ、助けになったのなら良かったです。私も少しキラさんにお願いしたいことがありましたから」
お願い?一体なんだろう?
「実は一回戦で敗退し、この会場を出ようとしたものが行方不明になっております。キラさんにはこの行方不明について調査をしてほしいのです。勿論闘舞祭を優先していただいて構いません」
「わかりました。出来る範囲で探してみます!」
あれだけお世話になったシフル様の依頼を断れるわけがない
今回もかなりお世話になったし
こうして俺はこの行方不明について闘舞祭に出場しながら調べることになったのだった
今回また難産です・・・・
自分の想像通りに書いていくのってやっぱり難しい




