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サタンとルシフェル

本日の話から魔王サタン視点です


っていうか魔王様の名前を初めて出したような?

事の始まりは10年ほど前の事だった


5年ほど行方不明だった兄であるルファがいきなり帰ってきたかと思えば我に話があると言ってきたのだ


「どうした?ルファよ。お主が我に用事とは珍しい」


兄弟として生まれ、共に歩んできた兄


そして、実力から言っても我のスキルさえ考えなければ我よりも高みにいるであろう兄


誰よりも優しく、戦うことを嫌いながらも大切な者を守るためになら戦うことを厭わない兄


そんな兄であるルファことルシフェルは我が魔王としての仕事に忙しいことを知っておりこうして改まって話をすることはなかった


「忙しいのにわりぃなサタン・・・だがこれだけはきちんと筋を通さないといけないことだから」


筋を通す?


なんのことだろう?


「今から俺・・・・・魔王軍やめるわ」


「は・・・・・?」


あまりにも予想外な言葉に思考が止まる


「だから俺・・・・魔王軍やめる」


「理由は?」


流石に大した理由もなくやめる等と言われて「はい、そうですか」などと言えるわけもないのだ


「守りたいものが出来ちまった」


「守りたいもの?」


「あぁ、一生使って支えていきたいと思えるような人だ」


なるほど・・・・・女ができたのか・・・・


「しかし、それなら魔王軍をしながらでも守っていくことは可能ではないのか?別に無理してやめなくとも・・・・」


我の心情からしてみればルファに魔王軍から去ってほしくはなかったのだけど


「わりぃな。サタン・・・・それは無理だ。だって・・・・・」


我はその後に続いたあまりにも予想外な言葉に驚いてしまった


「アイツは・・・・・アーシャは猫人族だからな」


猫人族?一瞬なんのことかわからなかった


いや、猫人族という種族がいることは我も知識として知ってはいるのだ


しかしながらルファの相手の女性というのと猫人族というのがどうしても繋がらなかった


「ルファ?すまんがよく理解ができなかったのだが・・・・・・」


「ようするに俺は猫人族の一人と一つになることに決めたから魔王軍はやめる。俺はアーシャのいる村で一人の男として生きるよ」


要するにそういうことらしい


しかし・・・・


「お主は自分が何を言っとるのかわかっとるのか?」


責任などの話については構わん


こやつがそんなもの気にもしない自由な男であることはずっと昔から知っておる


しかしだ


「魔族である我らが受け入れられる訳などあるまい」


そう、歩み寄ろうにも我ら魔族は、その圧倒的な力を恐れられて拒絶された


そんな我ら魔族の事が受け入れられることなどあり得ないのだ


「まぁ、最初は大変だったけどな・・・・・皆いいやつで俺のことも受け入れてくれた」


「は?」


今こやつはなんと言った?


受け入れてくれた?


「まぁ、アーシャのお陰もあるんだけど、街の皆も俺の事を魔族と知りながら・・・・なんなら現魔王の実兄と知りながらも受け入れてくれてるよ」


まさか本当に受け入れられておるとは・・・


「それにもう娘が二人もいる。血が混じった存在は本来忌み子と呼ばれるくらいに嫌われているはずなのに皆は普通に受け入れてくれた」


忌み子・・・・混血児か・・・・


「二人ともベースは猫人族だがアーシャの親父に言わせればアーシャの小さい頃にそっくりなんだそうだ。将来はきっとアーシャに似て美人になるぜ」


まず、我はそのアーシャとやらを見たことが無いから反応がしづらいんじゃが・・・・


「まぁ、というわけで悪いが魔王軍はやめさせてもらうわ」


「ふむ・・・・止めても聞くような奴ではあるまいしな・・・・それに魔王軍等という肩書きは街で暮らすには不要どころかかえって邪魔になるか・・・・仕方あるまい。何かあったら連絡を寄越すがよい・・・お主が魔王軍を抜けたかどうかなど関係ない。一人の兄弟として我が助けよう。じゃから・・・・たまには家族を連れてここまで遊びにこい」


「あぁ、約束だ」


本当ならばもっと引き留めたくはあったが、引き留めても、一度決めたことは守り通す奴なのだ


聞き入れないことはわかっていた


そしてその日、ルファは魔王軍をやめた

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