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サクッと読める短編はこちらから♪

ふわふわこねこ

作者: 紫生サラ

霜月透子様主催 ひだまり童話館 第二回企画「ふわふわなお話」の参加作品です。

 お母さんのしっぽを追って子猫はぴょんぴょん跳ねました。

 お日様ポカポカひなたぼっこ、うとうと母さん、ゆらゆらしっぽもぱったりお昼寝。

 子猫はお昼寝しっぽと遊ぼうと思いましたがうまく遊べませんでした。

「……」

 仕方がないので、まだ寝ていない自分のしっぽを捕まえようかな? と首を傾げます。

「あっ」

 するとどこからともなく一羽の蝶々が部屋の中へと迷い込んできたのです。

「蝶々さん! えっと、えっと、蝶々、蝶々パタパタ蝶々……」

 子猫はパタパタ蝶々と一緒に歩いて、歌をうたって上機嫌。

 パタパタ、蝶々

 とてとて、子猫

 陽だまり畳を歩いていると、突然「わあっ!?」と子猫は声を上げました。

 子猫は上を向いていたので縁側をコロコロと落ちてしまったのです。

「あっ……」

 落ちた子猫がお尻をさすっていると、蝶々はどこかに飛んで行ってしまいました。

「あぁ、蝶々さん、どっかいったった」

 子猫のしっぽがへにゃりとなりました。

 せっかく蝶々さんが遊びにきてくれたのに。

「あっ」

 するとどこからともなく桃色の花びらが猫の子の鼻の先を舞っていきました。

 見上げると空いっぱいの桜の花びら。

「お花さん! えっと、えっと、お花、お花ヒラヒラお花……」

 子猫は風に運ばれヒラヒラお花と一緒に歩いて、歌をうたって上機嫌。

 ヒラヒラ、お花

 とてとて、子猫

 陽だまりお庭を歩いていると、突然「わあっ!?」と子猫は声を上げました。

 子猫は上を向いていたので、家の門に頭をぶつけて尻もちをついてしまいました。

「あっ……」

 ぶつけた頭をさすっていると、お花は風の手を離れて、地面に横になっていました。子猫はドキドキしながらお花をジッと見つめます。けれども、お花は動きません。

「……お花さん、寝ちゃった」

 子猫のしっぽがへにゃりとなりました。

 空をお散歩する姿がとても綺麗だったのに。

「あっ」

 するとどこからともなくまっ赤な風船が飛んで行きました。

 青いお空にまっ赤な風船。

「わあぁ!」

 猫の子はパッと顔を明るくしました。

「えっと、えっと……風船、風船……」

 子猫はまっ赤な風船と一緒に歩いて上機嫌。風船追って門の外へと、とてとて子猫。

「えっと、えっと、ふぅ……」

 道路に出ても子猫の目には赤い風船。車が走ってくるのに気づきません。

「わあっ!?」

 子猫が上を向いていたら、子猫の前を大きな車が走り抜けていきました。

 子猫はびっくり。

 だってお母さんにくわえられていたのですから。お母さんにくわえられて宙ぶらりん。

「お母さん……?」

 子猫はお母さんにくわえられながら楽しそう笑って言いました。

「えっと、えっと、わたし、わたし、ふわふわ、わたし……」

 子猫は上機嫌で歌いました。

 ふわふわ、子猫

 ふわふわ、子猫

 お母さんは子猫を陽だまり畳まで連れて帰ると子猫を放して、長いしっぽをゆらゆら揺らして見せると子猫は目を輝かせます。

 お母さんのしっぽを追って子猫はぴょんぴょん跳ねました。


                             おわり

 ここまで読んで頂きありがとうございます。


 下記のリンクより、ひだまり童話館参加作品をご覧いただけます。

 よろしければ、ぜひご覧になっていってください(^^♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルにつられて拝読させて頂いたのですが、子猫の無邪気さと『とてとて子猫』にハートを撃ち抜かれました。 道路に出てヒヤっとしましたが、それを怒らない母猫だからこそこんなかわいい子猫ちゃん…
[一言] なんだかかわいいお話でふんわり和みました! 素敵な時間をありがとうございました♪
[良い点] 愛らしい擬音と軽快なテンポがまさに「ぽかぽかした春に戯れる子猫」を表していて、絵が目に浮かぶようでとても楽しませて頂きました。一瞬ひやりとさせる場面があったものの、頼り甲斐のあるお母さんの…
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