第56話 ティンカーの嫌がらせをつぶす明恵上人
ギリシャ神話より、ヘパイストス初登場です。
ヘパイストスは鍛冶の神であり、クズキチガイどもの巣窟オリュンポスの、貴重な常識人なので、ちょいちょい出していく予定です。
申が議事堂を出る少し前。
アレグロ・ダ・カーポは足が立たず椅子に尻がへばりついていた。
放心して議事堂天井の水晶球を見つめていた。もうそれには何も映っていない。
理解が追いついていなかった。彼の計画は完璧だった。時間をかけ入念に準備し勝負を挑んだのだ。
負けるはずがなかった。敵ノーデンス派が付け焼刃で用意したのはメンタルの弱い田舎娘。
もちろん勝った。負けるはずがない。
リチャード・アプトン・ピックマンが偽物であることだって問題にはならなかったし騙しとおした。
完璧な計画、完全な作戦、全ては計算通り運び落ち度はない。
だが、結果は敗北。
『鳥獣戯画 甲巻』
これの登場で全てが覆った。圧倒的力でもって全てをおさえつけ、民衆の支持を総取りにした忌むべき書。
「醜態だな」
背後からの声に、ダ・カーポは振り返る。
「アッ、アマツミカボシ様」
「今日をニャルラトテップは楽しみにしていた。ようやく念願の月を手に入れられるとな。
お前を信頼し、結果を聞くだけでは満足できず、お忍びとはいえ見学に来ていた。
……さぞ、がっかりしたことだろう。
今日の理事会を開いたのはお前だな。これが望みだったのか?」
ダ・カーポは声を出そうにも出せず、喉から空気がひゅうひゅうと抜ける。
“ちがう、ちがうのです! 全てはニャルトテップ様のために……!”
「なんにせよ、良い言い訳を考えておくのだな。明日の朝日は拝めんかもしれん」
「ああああああああああああ!!!!!!」
ダ・カーポは恐怖で意識を失った。
「貴様、これからどうするつもりだ?」
ティンカーは意地悪く申を睨む。
「お前は理事となるわけだが、誰につくつもりだ?
ノーデンス派かニャルラトテップ派か?」
「まだそんなことをおっしゃっているんですか。
月の輝きは月のもの。ならばノーデンスのためにもニャルラトテップのためにも仕事はしません」
「くぅー! 生意気な奴め。このままで済むと思うなよ」
捨て台詞を吐き捨て、立ち去ろうとした。が、
「ティンカー様、お待ち下さい。あなたにはまだやるべきことがあります。お忘れですか?」
その声の主はランドルフ・カーター。理事会ではオシーンの証人として発言し、それ以降は沈黙を守っていた男である。
「聞いたところによると、あなたは『苦通我経 水の巻』を所有し、それを申氏に譲渡する約束だったとか」
ティンカーは迷惑そうな表情を浮かべる。
「そういう話もあったな。だが、それはノーデンス派を勝利に導いたらという条件つきだ。
これはノーデンス派の勝利とは言えん。『苦通我経』は渡さん」
「では私が買い取りましょう」
「断わる。あれは希少本だ」
申はカーターを少しうっとうしく感じた。
「カーター氏、私は『苦通我経』にそれほど執着していませんが」
「いや、あなたは『苦通我経』を持つべきだ」
「何故です?」
「水の巻には、あなたの主人桃太郎の行方が記されているという。それにあなたは十二冒険者の一人だ」
「私は冒険者じゃないし、月を出るつもりもない。
あなたが何を考えているか想像はつく、アザトースと戦争がお望みならご自分でやればいい。私を巻き込まないでいただきたい」
「いやぁ、申殿よ、見事であった!」
緊迫した空気を破り、長老イナバがやって来た。
「今日、君のおかげで長年二分されていた月の民の心が一つになった。礼を言う。
もちろんストライキはいかんがな。暴動や略奪の原因にもなる。
しかし、深淵だ混沌だと終わりなき内戦に突入するよりかはずっと良い。いや、見事よくやってくれた」
ランドルフ・カーターは、イナバに耳打ちする。
「ティンカー氏が申氏への報酬をしぶっております。なんとか長老から取り成してはいただけませんか。
実はこういうことがありまして――」
そして事情を説明する。(第39話参照)
「むむっ、ティンカーよ、いかんぞ。今日のノーデンス派の大勝は彼あってこそ。
その『苦通我経 水の巻』とやら、申殿に渡してしまいなさい」
ティンカーは耳を疑う。
「ノーデンス派の大勝?」
「そうであろう。申殿はノーデンス派支持者の席についており控え室も出入りしておったではないか。
わしはこの目で見たぞ。
それとも何か、月の民の心がようやく一つなったというのに、ティンカー、お前はそれを祝えんのか」
「いや……それは……」
ティンカーは心中でイナバに悪態をつく。
“この老害め、理事会の勝者がイムホテプだということもわかっていないのか。
月を治める力が無い自覚があるから我ら理事に任せたのではないのか。今更しゃしゃり出てくるのか”
「ティンカーよ、お前は月の民の心が一つなって嬉しいのか? 嬉しくないのか? はよう答えい」
「……それは、もちろん、嬉しく思います」
「ふむ、決まりじゃな。ティンカーよ、申に『苦通我経 水の巻』を譲りなさい」
「……わかりました。しかし、ここに『苦通我経』は持ってきておりません」
そして、ティンカーは申に向かって言った。
「後ほど、S&T本社に来れば渡そう」
しかし、その目には不満の色がありありと浮かんでいた。
その後、申は議事堂の外で戌を追いかけたが見失ってしまった。(第55話参照)
申は柿猿、そして三つ子を連れてスミス&ティンカー本社ビルのVIP用の応接室にいた。
老イナバの介入によって、スミス&ティンカー社は申に報酬を払う義務が発生した。
また、柿猿も道教神族の一斉解雇を受けて、ある計画を始動させようとしていた。
部屋の窓はマジックミラーで外からは中は見えないが、中から外は見える。
彼らがいるのは五階、窓の外は吹き抜けになっていて一階まで見下ろせる。
ロビーは広くカウンターには二十人前後の受付が待機している。
ひっきりなしに出入りする来客はまるで蟻のようだった。彼らは例外なく緊迫と困惑の表情を浮かべ悲痛な声をあげていた。
派閥争いの終焉、道教神族の大量解雇、労働組合の発言力の増大。S&T社の事業縮小は誰が見ても明らかだった。
その様子を見て柿猿が「株価大暴落ね」とぽつりとつぶやいた。
すると見猿が「お野菜安くなるの?」と返したので、言わ猿は見猿の頭を軽くはたいて首を横に振った。
「……やっぱり、私は帰ろうか」
申は『苦通我経 水の巻』を手にすることに戸惑いがあった。
あれには申が置いてきた過去がある。完全に消したつもりでも、心のどこかでくすぶっていて、再び燃え上がるかもしれなかった。
ティンカーによると『苦通我経 水の巻』には行方不明となった桃太郎の消息が記されているという。
申には家庭があり、今や月の政治を担う立場となった。桃太郎の消息を知っても、探しに行こうとは思っていない。
今は思っていない。だが、書かれていることを知ってしまえば、その思いがゆらぐかもしれなかった。
全てを捨てて、かつての主人を探す旅に出る。
戌や酉を羨ましく思う。彼らはそういったことで悩まない。すぐさま決断できる。どんな冒険にも飛び込める。
同時に戌を恨めしく思った。どうして逃げるようにいなくなってしまったのか、少し残っていてくれれば戌の旅の助けとなる情報が手に入るのに。
「後悔しないの?」
柿猿は申の瞳を覗き込む。
「桃太郎様の消息を知らないでいいの?」
「……気にならないわけじゃない。けど、私はもう月の民だよ。
家族がいて、気付いたら理事になっていた。
『苦通我経』の中身を知ることに意味は無いんだ」
「そうね、後の事はこっちで処理しておくわ。『苦通我経』は古道具屋にでも売っておくから。
あなたは子どもたちを連れてホテルに行ってて。明日朝一で帰りましょう。
あなたはもう理事なんだから、これからが大変よ」
申は子どもたちに呼びかける。
「お前たち、朝から馬車に揺られて疲れたろう。
今日はホテルに泊まるんだ。行くよ」
しかし、三つ子らは動こうとしない。
聞か猿はぶすりとしている。
「パパかっこ悪い」
言わ猿は、腕を振り回して何かを必死に訴えようとしている。
見猿はそれを解説する。
「桃太郎を探す戌は立派だけど、パパは桃太郎から逃げる卑怯者。
こんな思いするなら犬に産まれたかったよ」
柿猿は目をつり上げた。
「犬って……、なんてこと言うの! パパに謝りなさい」
見猿は反抗する。
「嫌だ。僕らは悪くないもん。
パパ、本当に桃太郎のことどうでもいいの? もし少しでも気になるなら……。
僕らを言い訳の理由にしないでよ!」
柿猿はソファから立ち上がり子どもたちを怒鳴りつける。
「すぐに出て行きなさい! これ以上に口答えは許しません。
あなた、この子たちを早く連れて行って!」
「……いや、子どもたちの言うとおりだよ。
『苦通我経』にはちゃんと目を通そう。
それでどうするかは読んだ後に決めればいい」
「あなた!?」
「大丈夫だよ。桃太郎を探しには行かないよ。それは大丈夫だよ」
柿猿は納得いかないと眉間にしわをよせた。
程なくしてスミス&ティンカー社の役員が入室した。
足が不自由なようで非常に歩き難そうにしている。
「自分はスミス&ティンカー社CTO(最高技術責任者)ヘパイストスです。
まずは理事代理就任おめでとうございます。……あぁ、正式には選挙後ですな。
本来ならば、報酬の件は自分の担当ではないのですが、前任の者が退職したので臨時に自分が担当します。
後日、正式に後任の者が決まりましたら、その者からご連絡差し上げます。
――では、これが今回の報酬の目録と株式と証書、そして『苦通我経 水の巻』となります。ご確認下さい」
柿猿は目録を受け取り目を通す。ヘパイストスは言葉を付け加える。
「報酬の中には、本日用意できない物品も多数含まれています。それらは別途、桃柿温泉に送らせていただきます」
「……結構ですわ。この内容で大丈夫です」
申は『苦通我経 水の巻』に目を通す。このとき彼は肝心な事に気付く。
「……何が書いてあるのかわからん」
彼はもちろん文字の読み書きはできる。しかし経文の読み方はまったく心得ていなかった。
しかも月では仏教が衰退して久しく、書店も図書館も仏教関連の書物は取り扱っていなかった。これを読み解こうとすれば独学で長い時間をかけなければならない。
申はヘパイストスに尋ねる。
「この書の内容をティンカー氏は把握していました。経文を読み解く表あるいは解説書があるのでは?」
「さぁ、自分は把握しておりません。確認してきますのでお待ち下さい」
ヘパイストスは退室した。
これで柿猿の仕事は半分終わった。
「さて、そろそろだと思うんだけどな」
そう言って、マジックミラー越しに1階ロビーを見渡す。
「ビンゴ、玉兎発見。
私の戻りは遅くなるから先にホテル行っててね」
そして応接室から飛び出してしまった。
玉兎は白衣仙女と供に会社を出ようとしていた。嫦娥の退職によって道教神族はS&T社を追われたのだ。
「待って、待ってよ!」
柿猿は息を切らして玉兎を追いかける。
「あぁ、あなたは柿猿さんでしたっけ? この度はおめでとうございます」
「えぇ、ありがとう。それよりあなたたちはこれからどうするつもり?」
「……どうしましょうか。気まぐれ嫦娥なんか信じてたばかりに職を失うなんてね。
ティンカーの息のかかった所じゃ働けないし、商売を始めようにも妨害されるでしょうね。私たちにはもう月に居場所なんてないのよ」
「そんなことないわ。うちで働きなさいよ」
玉兎は肩をすくめて苦笑い。
「旅館で働くなんて勘弁、無理。今から旅館業の勉強し直すなんて苦痛以外の何者でもない。
私たちはね、S&Tという玉座であぐらかいてきたの。観光客相手に愛想笑いなんてやってらんない。ストレスで死んじゃうわ。
そうだ。ニャルラトテップに雇ってもらおうかしら、私こう見えて誘拐監禁は得意なの。奴隷狩りなんて楽しそうじゃない?」
「まっ! 仙薬の玉兎ともあろうお方が混沌の手下になって人さらいとは情けない。
それに私はあなたに旅館で働いてもらおうと思ってないの」
「ん、どういうこと?」
「新しい事業展開を考えているの。あなたは桃柿温泉の関連商品を作る。入浴剤とか化粧品ね」
どや顔を決め込む柿猿に、玉兎は思わず吹き出した。
「ふふっ、あははは、あんた阿呆ねぇ。とりあえず工業製品に関してはあんたがド素人ってのはわかったわ。
いくら私が薬作りの名人でもね、利益を出すには大量の商品が必要で、それらを生産するにはそれなりの規模を持った工場が必要なの。
あと販売ルートの確保は必須ね。温泉旅館が工場持ってるの? 持ってないでしょ」
「持ってないわよ。でもいいの、これから買うから。でも私はド素人だから、どの工場を買えばいいかわからない。
そこであなたの知識が必要なの」
「はぁ、あのね、工場だって安い買い物じゃないのよ。それこそ莫大な金が……、莫大? あっ!」
「ふふふ、気付いたようね」
会話をする二人、その周りは喧騒としてる。関連企業や株主たちのクレームによるものだ。
道教神族の大量解雇、労働組合の発言力の増大、なによりスミス&ティンカー社は月の覇権を取り損ねた。大損害を被っているのだ。
スミス&ティンカー社は創業以来最大の危機を迎えていた。
「……株価の暴落。大量解雇、事業規模の縮小。管理の手が回らなくなった事業が売りに出される。しかも通常よりも安く!」
「きっとその中には工場もいくつか含まれているでしょうね」
「確かに、確かにそうだけど……、ティンカーがあなたや私に売るかしら?」
「うーん、売りたくはないでしょうね。ぐだぐだ言うかもしれないけど、結局は売ることになる。
だって私の旦那は――」
「理事!」
申は、月の権力の象徴とも言うべき理事となる。『鳥獣戯画』の一件もあり、今なら有利に交渉を進めることができる。
玉兎は柿猿の手を取った。
「その話、乗らせていただきます!」
「こちらこそ、よろしく。細かい話は食事でもしながらゆっくりと――」
「あのぉー、私はどうすれば?」
蚊帳の外だった白衣仙女はおずおずと手を上げる。
「どうぞ、ごいっしょにおいでください」
柿猿は笑顔で歓迎した。
「あんたも来るの。つうか道教神族は全員再就職先が見つかったよ!
いくら私が薬作りの名人でも、一人じゃ工場の運営管理はできないよ」
先刻まで沈んでいた白衣仙女の表情は見る間に明るくなった。三人は今後の計画を立てるため街へと繰り出していった。
ヘパイストスはCEO室に入る。
ティンカーは書類の山に囲まれていた。
「ヘパイストス、今は誰にも会いたくない。来客には帰ってもらえ。
どうせ今日来るのは私を非難する奴だけだ」
そして、膨大な書類にサインをしていく。そのほとんどが理事会敗北における苦情と契約打ち切りである。
「いえ、それが申氏が『苦通我経』の解説書が欲しいと。どうやら彼は経文は読めないようです」
ティンカーは手を止めて顔を上げた。その顔は一日の間に随分とやつれていたが、今日一番の朗報と言わんばかりににやりとした。
「そうか、奴は『苦通我経』が読めんか。そうか、そうか」
「いかがいたしますか?」
「契約に『苦通我経』の解説書は含まれていない。だからこちらは渡す義務は無い」
「わかりました。申氏にはそのように伝えます」
ヘパイストスは部屋を出ようとした。
が、それをティンカーは引き止める。
「待て、伝える必要はないぞ」
「は、放っておいてよいのですか?」
「放っておいてよろしい。君は自分の業務に戻りたまえ」
「はぁ……、腹いせということですか。しかし、それは幼稚というかみっともないように思えますが」
「うるさいなっ、奴のせいで会社は滅茶苦茶だ!
それはつまり、お前も損をしているという意味だ。一矢報いてなにが悪い!?」
「……わかりました。CEOの言う通りにします」
ヘパイストスは口では服したが、納得できないといった具合で退室した。
ティンカーは、また一人書類の山との格闘を再会し、一言つぶやいた。
「あの男、有能だが生真面目すぎる」
日も暮れて、スミス&ティンカー社の受付も閉じてしまった。
三つ子たちも疲れて眠たそうにしている。
申は気付く。
「いやな予感はしていたが、ティンカーはどうやら『苦通我経』の解読書を渡すつもりはないらしい。
参ったな、一から『苦通我経』を読むとなると大変な手間だ」
しかし、ここにいても経文の解説書を手に入れられないことも事実である。
「仕方ない、もう出よう。皆、起きろ行くよ」
見猿は欠伸をする。
「お家に帰るの?」
「いや、家までは遠いから、今夜はホテルに泊まるよ。家には明日帰る」
三つ子を連れて応接室を出る。
すると声をかけられた。
「おぉ、ようやく見つけましたぞ」
申は声の主を見る。右耳の無い僧侶であった。
「!? もしやあなたは明恵上人では?」
「左様、拙僧は明恵と申します」
「戌に食い殺されたと聞いていたが、そうか夢見る人ならば……」
「はい、ただ夢から覚めただけのこと。また眠ればこちらの世界に来れるのです。
いかがでしょう『鳥獣戯画』はお役に立ちましたかな?」
「それはもう。あなたのおかげで理事になれました」
「それで月の輝きを守れたのなら何よりのことです。月には海底も混沌も似合いませんからな。
ところで、聞けば経文を読めず苦労しているとか」
「えぇ、あ、もしや……」
「ここにいて、経文を読んで差しあげることができれば良いのですが、拙僧は他に成すべきことがあります。
代わりといっては何ですが、これを差し上げます」
明恵上人は、申に一巻の巻物を差し出した。
「これは……!」
「経文の読み方を記したものです。『苦通我経』専用のものではありませんが、これがあれば読み解くことができるでしょう」
「……どうして私にこれを?」
「ふふ、私には尊敬する方がおります。その方の名は玄奘三蔵」
「!!」
「十二冒険者。あなたはこの言葉をあまり快くは思わないでしょうが、拙僧は深い縁のようなものを感じるのです。
あなたは拙僧が尊敬する玄奘様と同じ場所に名を連ねている。そして『鳥獣戯画』の孫悟空。
あなた方の進む道はつながっているのかもしれません。もしそうであるならば、拙僧の行いは玄奘様のお役に立つことにもなるのです」
申は言葉に窮した。
「では、拙僧はこれで。栂尾の古寺を再興する使命がありますので」
明恵上人は深く礼拝すると、その場から立ち去ってしまった。
栂尾の古寺こそ、後の高山寺である。覚醒の世界の『鳥獣戯画』はそこに収められている。
明恵上人が玄奘三蔵をリスペクトしていたかはわかりませんが、明恵上人は天竺に行きたかったそうです。結局は渡航許可が下りず断念したと伝えられています。
そこから妄想して「明恵上人は玄奘三蔵を尊敬している」としました。