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レスキューの裏


更新滞りまくってすみません!・゜・(つД`)・゜・


では、どうぞ!




プロクス視点


俺がリーヴァのいる筈の離宮に着いた頃にはフラードの苛ついてますオーラによって、ジリジリとヒットポイントが赤く点滅していた


中庭にはウォレスの趣味なのか、睡蓮浮かぶ水庭が広がっていて中々風情のある情景だった……あぁなんか荒んだ心が癒されるような気がする


……ジュルリ


が、俺の足元の違和感しかない擬音に俺はすぐ飛び退いた


俺がいたところに小さな花が細やかに咲き誇り、淡やかな黄色の花弁を風に揺らしていた…そこだけ見ると何も可笑しなことはない


けれどその小さな花の中央に妙に肉感的な唇がよだれを垂らして俺へ舌を伸ばしていたのだ


シュルシュル…、ジュル……ゴクリ


どこかの神食植物を思い出させるようなその舌舐めずりに嫌な予感を覚える、ザハルの奴…まさか!!


「オイ、フラード」


「……」


「オイ、聞こえてんだろフラード!!いやフラードさん!!」


返事がない、完全に無視

そんなフラードは同じものを見ているはずなのに、どこか違うところを見てるのではないかという位穏やかな目をしていた


「あれ完全に神食ラフレシアさんだよな」


「いえ子ラフレシアちゃんです、まだそこら辺の精霊しか食べれません」


そう言って自分に伸びてきた毒々しい色合いの蔓と指先をちょんとくっつけ、微笑む


「ほら同じ遣属は襲わないんですよ?賢いし可愛いでしょう?」


「どっちにしろ俺には有害だろ!!お前ら世界征服でも企んでんのか、危険極まりねぇもんばっか生み出して!」


「はぁ?何を大袈裟な」


ダメだ、コイツの中では神食植物とかも仲間に入ってて危険とかそんなカテゴリーじゃねーんだ……次元が違ぇよ


「そんな事よりもポチクス様」


「どうした?後、誰かポチクスだ」


そんなこんなでコントをしている内に肉厚な舌をスススゥ……と獲物へ?近づける子ラフちゃん?この時俺はフラードに気を取られていて気づきもしなかった……


どうやら彼女も親苗であるラフレシアちゃんと同じくお気に召したようで、今でもプロクス様のいらっしゃる方向へ舌舐めずりしてるんですよ?ふふっ!

……と、後にフラードが実に愉しそうに俺に語る


「そこでそのまま棒立ちしてらっしゃいますと、子ラフちゃんに捕まっちゃいますよ?」


「っひぃ!!」


知らぬ内に忍び寄ってきていた魔の舌に、俺は顔をひきつらせ後ろへと下がる心なしか寒気もする…あぁ砂漠でのトラウマがまだ俺の心を蝕んでいるのか!


いや、待て!そんな時理性という名の俺の声がした


[いいのか!今こんなとこで足踏みしてる場合じゃねーだろ!]


そこに感情の俺が反論する 


[怖ーし、てか俺悪くなくね?フラードが止めねぇのが悪いだろ、まぁ怖くて指摘できねぇけど]


[それは同意する]


[流石理性!分かってんな!]


[ [ってことで本体俺!任せた] ]


「意味ねぇ事すんなよなァア!!」


理性と感情に裏切られた俺は情けないやら怖いやらで泣きそうになりながらも、小さな蚊のような声でフラードに制止を求めた


「フラード、…フラードさんお願いします」


「…子フラ、ハウス」


そう、手でパンパンと乾いた音が鳴らされると、シュルル…と収納されていく…え、ペットなの?


「出来たんなら早くやってくれよぉっ!!」


「善処します」


そう言うと、スタスタと歩を進めるフラード


「早くリーヴァ様を助けなければいけませんからね」


(じゃあ止めろよ!!)

思ってもけして口に出さない、何やら切ない気持ちで胸がいっぱいになる


「あぁ、私がなにも理由なしに制止をしなかったとお思いで?まぁ、何をしたかは後で分かると思いますよ」


はんっ!鼻で笑い、目で蔑まれ、声は冷々と言い放たれた、本当コイツら主従そっくりだな!俺なんかしたか!!


もう涙とか垂れてきた脂汗とか色々混ざって視界が使い物にならなくなって来る、目が痛くて更に涙が!!(悪循環ですね)


「プロクス様」


「へ、な、なんだよ…突然」


「リーヴァ様を、リーヴァ様をどうかお願い致します」


今の今まで扱いが酷かった為か動揺を隠せない、てか、なんか裏があるんじゃないかと勘繰っちまいそうになる


だが、フラードが頭を下げる姿を見て、俺は真剣に頷いた、改めて決意を固める


「おう!俺がぜってぇ連れて帰って来るからな!!」


だから、頭を上げてくれそう言おうとした瞬間


「ははっありがとうございます」


良い笑顔をしたフラードがカーボーイの如く手慣れた様子で、俺を蔓で巻き付け離宮の屋根に向かって


「え、」


ぶん投げた


「お願いしますよー」


「いやいや!!可笑しい!突っ込み切れない位たくさん可笑しい!!」


そう叫んだところでフラードはもう背を向けており振り返りもしない、なんて残酷な野郎だ…!!


「…チッ!やるっきゃねぇ!!」


さっき固めた決意が俺を鼓舞する、瞳を着地地点であるガラス屋根を見る…よし、このまま破る!!


が、その寸前にウォレスの声が耳に入る


<「ってぇェエエエエ!!!…てめぇは犬か!プロクスか!」>


ガラス越しで曇りつつも、大いにその意味が伝わり俺は足に、そして喉に力を込める


バリンッ!!


破片が飛び散るなか俺は叫ぶ


「いや、俺がイコール犬の認識ってのが可笑しいだろ!…クソッ後で覚えとけよウォレスゥウウ!!」


久しぶりに見たリーヴァはシーツを緩く見に纏い朝チュンみたいな格好だ、うんこれはザハルじゃなくて良かったな俺ら(ウォレスとプロクス)


「プロクス!」


「おう!…迎えに来たぞ!リーヴァ」


そのまま蔓を伝い、脱出をするも周りにはフラードどころか恐怖の子フラの姿も無い…どこだ?



ーーこんなことあったんだよーー



(…まず安全なとこ行くか


……ん?そういやぁ、ウォレスがなんか言ってたな、まぁいいか!)









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