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滴るは

更新です!どうぞ!


アリアルアは少し、いやかなりずれた話をし出したザハルに突っ込む


「オレはリーヴァを護る、で喰う」


「いや、見事に喰い違ってるんですが」



しかし、ここで渦中となったプロクスにはそんなことどうでも良かった

彼の涙目には(自分の為にザハルに怒るという)勇姿を見せる弟が輝いて見えていたのだ


そう、…………なんて


なんてっ……!


「なんて良い奴なん、……」


ーーーーゴリッ




それ以上彼の口から言葉が紡がれることはなかった、なぜかって?


それは、アリアルアが本来構造として曲げてはいけない方向へ、プロクスの首をこんにちはさせたからである


「なんてなんて、うるさいんですよ、いい加減にして下さい……あ、僕の話の途中で寝るなんて、流石犬ですね」


完全に支える力を失った首はグラグラと頼りなく揺れ、その先についている顔にある

普段鋭いツッコミを放つ口からは麦酒のような白色の泡が溢れかっていた……


そして、そのまま思考のない体はぐたりと音を立てて倒れた


……これが本当の「神が我を失う」と書いて、失神


「いやァア!!プロクスが!」


あまりに無惨な姿にリーヴァが悲鳴を上げた


実は彼、前(前世)からこういった類いは一切受け付けない質だったのだ


「あぁ!リーヴァはこういうのダメなんですね……すみません」


(プロクスは既に)謝って済む問題でもないし、第一自分に謝っている時点で間違ってる、リーヴァはそう思いはしたものの直視も出来ない


「いや、それよりプロクスを心配しようよ」


「リーヴァ、このバカは頑丈さだけが取り柄なんです、だから大丈夫です」


「いや、なにその自信?てかその頑丈なプロクスが泡噴いてるからね、もうヤられてるから!」


意を決してチラ見をするがやはり、グロテスクなまま……それを放置するのも薄情に感じとりあえず泡を拭うために、何かないか探す


「ティッシュとかないかな……」


「リーヴァ様、こちらに」


数秒ともせずにフラードがティッシュを渡してくれた


「あ!ありがとう……ってはや!対応早!」


あまりに自然な態度で来られた為に、何も疑問に感じずに受けとるがすぐに違和感に突っ込んだ


「リーヴァ……悪いけど、ティッシュ2、3枚くれ」


「あ、そうか兄様がお願いしたのかこれ、返すね」


「いやいや!良いよちょっとしか使わねぇから、大丈夫だからリーヴァは謝んなくて良いぞ」


そう?と自信なさげに聞く弟に

うんうんと頷くザハルは未だに鼻を押さえており、その様子から2、3枚では乗りきれないのでは?とフラードが心話で進言する


「兄様、はいティッシュ」


「ありがと、ちょっと席外すけど心配すんな?すぐ戻ってくんから(っぜってぇ足りねぇ!フラード早く追加持ってこい!)」


「ん、大丈夫?」


「大丈夫だ、大丈夫かんな!」


ティッシュを手に入れたもののリーヴァに鼻に詰めるところを見られるのも、格好がつかないので


フラードに命じてすぐに洗面器に向かった、鼻穴が膨らんだ姿など見せる……?ザハルは絶対詰めたと分からぬように心掛け、すぐに現れたフラードから受け取り、鏡の向こうの自身を睨み付けながらティッシュを詰めに取り掛かった



「……これは長くなりそうですね」


「何か言ったか?!…(すぽんっ)…ぎゃー!外れたじゃねーかバカ!」


「あぁ……主、服が!」


「着替えを持ってこい!」


「はい」



ーー 止まらない情熱(萌え) ーー


(……買ってくるにしても、ここの服主の趣味じゃ無いんですよねー)


(いらっしゃい!おにーさん良いの揃ってんよ!)


(本当ですね、でも今は服を探してるんで)


(お!それならここ、ガレーヤのよろず屋に任せな!)


(はぁ……)










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