親の意見と茄子の花は……
生々しい話がちょっと入ります
「リーヴァは偉いですね、ちゃんと気付けて」
「そう?…へへ、ありがとうアリル兄さん」
「良い子ですね…ふふ」
そう頭を撫でてもらうと何処かくすぐったいようなほわんとした気持ちになり、顔を緩める
リーヴァにとってアリアルアは美しい容貌となにより自分を見守ってくれるやわらかい眼差しにより姉のように思っていた
ザハルは……そのオネェなのだか何となく、何となくなのだが女性カテゴリーから外した(正解!狼だから漢だから中身!!)
しかも最近周りが色とりどりの美形だらけなのに、一際きらめいて時折女神さまに見える(…一応男神ですからね?)
そんなほのぼのとした空間に焼き餅を焼きに焼きまくった花神の餅がついに破裂した、リーヴァを引ったくるようにして膝に乗せ話を進める
「…うぉ!」
リーヴァは突然の移動にビビり腰を抜かすが兄により支えられた
「…それで街の様子はどうなの?まさかここでずっと飲んで楽しくお話してただけ…なんてないわよね?」
八つ当たりが入り雑じった叱責紛いの質疑にアリアルアは苦笑して、答えた
「僕はともかくプロクスはあり得そうですね」
「ねぇよ!!真面目にやったろ俺ェエ!無理矢理引っ張ってこられたと思えない程に!!」
そこにぼろぼろの放浪者に成り果てたプロクスが帰ってきた、どうやら全員撒いてきたらしい
「で、僕が見る限りやはり噂通りこの街の地下からの水脈が意図的に循環が止められゲートを中心に集まってますね、通りで植物も無くなっていく訳ですよ水が行き渡って無いんですから」
「無視か!!」
膝から崩れ落ちたプロクスをリーヴァが届くか届かないかの範囲で震えながらも指先で小さく頭を撫でた、見た目とは裏腹に中々フワフワしている髪で気持ちよかった!(何の報告?)
「だ……大、丈…ぶ?」
なんとか、声を絞り出すが腹に巻き付いた腕が獲物を絞め殺すアナコンダのように力を増して萎んでいくいく、力が徐々に抜けていくリーヴァの腕をアリアルアが支えた
「貴方の方が心配です!
腰はザハルがものスッゴい押さえてますけど、そのお陰で顔色も真っ青なんですが?!!取り合えず体勢を整えて下さい、ほらザハル……貴方も!」
「あぁあ!リーヴァごめんなさい!苦しい?!あぁ……こんなに脂汗かいて……!」
兄は自分が絞めていたことに一切気づきもしなかったようだ、無意識かい
気付いて直ぐ様パッと力を抜いて顔を真っ青にして手元の俺を掻き抱いた、アナコンダタイムリターンズ!
「いや、大丈うっ!」
「オイまた絞めてんぞ!!」
今度こそ死ぬかと思った、未だ生まれ幼い神はうっすら涙を湛え兄達に感謝した
「あ"、りが……と」
「いや、俺も慰めてもらった「はいリーヴァ桃源郷桃水、体に良いし美味しいわよ~」……飲んどけ甘ぇけど効くから」
ここ最近のザハルは蟻一匹も通れぬ心の狭さを発揮していた、その最たる例がこの独占欲である
周りも慣れを通り越して微笑ましくすら思えてきていた
「……ふは!とろってしてて美味しい、こうゆうの好きかもありがとう」
コップを受け取ってからなんとも美味しそうにちびちびと飲む姿に禁忌りんごに続き桃源郷桃にくると相当甘いのが好きなのかもしれない……ザハルの脳に新たな重要情報が刻まれた
調度アリアルアが頼んでいたのだろう太陽街特産の禁忌りんごや爽バナナなどがごろりと籠から顔を覗かせていたので、さっそく禁忌りんごを剥こうと手に取る
すると調度飲み終えて満足したのか、兄の胸に頭を預けてすっかり大人しくなったリーヴァにザハルは心底いとおしいと語る甘くとろけそうな眼差しを投げかけていた
それもプロクスがあまりの居心地の悪さに何なんだよこの空気キモイなど中学生男子のようなことを言いすぐ殺気によって研ぎ澄まされたものになったが……
「ねぇ、それより店に誰もいないけど……これで大丈夫なの?」
そもそもここの世界に来てまともに買い物をしたことの無いリーヴァは店員のいない状態で会計をすませられるのかと不安になり、ソワソワと落ち着き無さげにザハルに聞く
それは膝の上からでありザハルより身長の低いリーヴァは必然的に上目使いである、攻撃力はザハルによって悲惨に握り潰された禁忌りんごが身をもって体現している
「……っ会計は大丈夫よ!
経営者に後で供物払えば良いのだから安心して?ふふっ」
他には向けられない優しい優しすぎる笑顔をリーヴァに惜しみ無く見せるザハル後ろでそれを見たプロクスがあまりの違和感に震え上りながらも付け足した
「ぞ、れに注文ん時は呼べば暇なヤツが来る、……客を取り損ねだヤツとが」
震えているので言葉が濁るが何とか分かる程度で済んでいた
そしてリーヴァの脳裏に収入という言葉が引っ掛かった
収入、収、入……収入、あ!パパから聞いたことがあるわ!
それは始まりの日のこと
二人でキングサイズのベットで朗々とした月明かりが顔を照らす中では膝を付き合わせていた
気分は修学旅行での夜だ
《良いかリーヴァ、我ら神は供物という捧げ物が収入として送られてくるんだ》
(それって何処から?)
《まぁ、簡単に言うと神を支持する者達から送られてる》
(それって精霊からってこと?)
《まぁお前にはまだ教えられないが……そうだな、リーヴァに精霊が産まれたら教えてやろう!》
(分かった!約束だよパパ!)
《あぁ約束だ、楽しみにしてるぞ……》
あー……そういう意味の収入だったんだ、そのまんまだったんだ
ごめんパパ理解してなかった、そうリーヴァが遠く離れた白亜の城にいるパパに謝罪の念を送った
ーー 千に一つも無駄はない ーー
(ズッキーーーーン!!)
(王?……いきなり擬音語を発せられるなんて、仕事のさせ過ぎで壊れたか?)
(お前さそういうことは心で言ってくれない?我のハートが割れそう)
(それはすみません、で先程のズッキーーーーンとは)
(ん、なんかショックなことがあった気がした)
(……聞いた私が馬鹿でした)




