第一歩
さて、うるさい街道を足早に通り抜け街行く神々に鼻で笑われながらやって参りました花神のお屋敷!!
「……着いた」
長かった……!何で街って神が多いの?!(神の街だからだよ)
さて、行くか
そう思いま目の前の扉のノッカーを叩こうと
バターンッ!「いらしゃーい(はぁと)」
ーーする必要は無いようだ
あれ?前も似たことがあったような?
まぁ良い、必要があれば思い出すでしょ
問題は、目の前のおねぇだ
明るい赤茶色の髪に金の瞳が印象的に光る見た目はチャラ男なイケメン、オプションとしてマジもんのおねぇときた
「いきなり訪ねてすまないな、今回もラベンダーを譲ってもらいたくて来たんだ、……譲って貰えないか?」
前回のラベンダー…!あれはもはやドライフラワーだ!!私が何時ドライフラワーをくれと言った?!私が欲しいのは生花だ!
……いやいや、一応こっちが頂く立場だし
もしかしたら油神の私が水と相性が悪く直ぐに枯らしてしまうのでは?と考えてくれたかもしれないしな!
そう考えながら、花神に笑いかける(といってもフードで口元しか見えないがな)
「あら?まだほしいの?……………懲りないわねぇ(ボソッ)」
言いやがった!
「……(うん!こいつに限っては一分一厘にもあり得ないな!)」ニコッ
固定の代わりに、微笑を浮かべてると
奴はため息をついて「ついてらっしゃい」と屋敷に招いてくれた
「(まぁ、こんな私を相手にしてくれるだけましなのかもな)」
神は食事を必要としないため、ほぼヒッキーな私、話さないわ、顔の見えない怪しげなローブを着ているわ……
「(うん、ありがとうおねぇ)」
許してないがな
「着いたわよ」
おっと、思考に浸っている間に花神のガーデニングルームに着いたらしい
やはりと言うか、流石花神と言ったところだ
まるで常春のような光景についつい見惚れてしまいそうになる
「……凄い、常春だ」
気がついたら口に出していた
「っ当たり前よ、私、歩くの疲れたからあんたが自分ですきなだけ採って行きなさい!」
花神はそう口早に言い放つと近くにあった椅子に座ってしまった
「……ありがとう(え?照れてんの?分かりやすっ!)」
でも、優しいな
お陰で精油が作れる!
この神々の食事を必要としない世界で油神として何が出来るか、お屋敷にいる間ずっと考えていた、そして思い付いたのだ
油は食事だけが使いどころではない!と
そう私は"前"世界で一度だけアロマセラピーを受けてハマりにハマったのを思い出し行動に移しはじめたのだ
そして、やっとまともなラベンダー(材料)を手にしたっ!
ようやく、ようやく作れる!
待ってろ!精油ぅう!
*少し修正しました