依頼
更新です…(´・ω・`)
思えば
兄様が正気を取り戻しフラードさんが持ってきてくれたチョコレートケーキの濃厚な甘味と絶妙なほろ苦さにうっとりと酔いしれていた俺に兄様が切り出したのが
事の始まりだった
「ねぇ、リーヴァは首都圏街から外を出たことがある?」
兄様が首を傾げるとゆったりとした曲線をもった赤茶が落ちかけている日に代わりきらりと光を落とす
「え、なにそれ…?街ってここだけじゃないの?」
自分でもあんまり家から出てないし、兄様達が来るまでぼっちで何も知らなかったしな~…態々パパに聞くのもなんだしさ
兄様の疑問を疑問で返した俺だが、お互いの返答に固まり言葉を詰まらせてしまいその場に沈黙が横たわる
すると紅茶のお代わりを待ってきてくれたフラードさんが燕尾服の懐から真っ白な封筒を持ち出す
「主、また仕事の依頼が…」
「…誰から?」
え、シリアスな感じなの?
真剣な顔で封筒を見るところ遊びに行くためのお誘いで無いのは確かだ
「では…依頼内容ですが
南の太陽街で砂漠化現象が発生、その抑制…また地の回復に緑を司るお方に代わり花の貴方の力を御借りしたい…
……とのことです」
フラードの読み上げた内容に正直、驚きを隠せない
兄様…そんな仕事してるんだ…凄いな
そう感心の息を漏らしていると隣の口が、微かに震えた声を吠えた
「貴方って…!!リーヴァには男(狼)でいたいけど、大概への外面は淑女よぉおおおおぉおお!!」
「ん?…狼ってなに」
てか、文字にまでツッコムなよォオオオオ!!兄様
「申し訳ございません、ただ今主の栓が緩んでおりまして
まったく、お耳汚しも良いところですよね…はぁ…」
申し訳なさそうに頭を下げられたが、なぜかペラペラに見えるわ
「つまりのところ
それ本音だよね」
それとこの人意外に黒い…
そんな俺の思いと共に日は沈んでいったのであった…
ーー お仕事入りまーす ーー
(お父様…本当にリーヴァに何にも教てえないのね…
フザケルナヨ…)
(《む…?風邪か?異常な程までの震えが…
よし、寝よう それに限るな!!》)