意外性
進み具合はヨボヨボ(てか千鳥足)ですが、これからも頑張って行きます!
「てゆうか君さ、オレと初対面っしょ?えーいつ生まれたのさこんなに美人さんが生まれたなんて知らなかったんだけど!俺、水神のウォレスつーの!ヨロシク!
てかキレーだねぇ!髪触っても良い?」
…あれれーん??水神さんってば俺って分かってないの?後ろに控えてるギャル風の遣属精霊さんも見たことない笑顔でこちらを見てマジ美形なんですけど~と頬を染めている
「…兄様、助けて」
状況の打開策が思い付かず隣にいてくれる兄様に助けを求める
「…OKよ…リーヴァ、ウォレス?本当に、分からないのかしら?」
「あ?なにが?
……ははーん、ザハルさそういうの早く言えよ~危なく手を出すとこだったじゃーん」
「ギャー!手を出すとこだったとか手ぇ早すぎぃ~ウケるんですけどぉ!」
特徴的な水色のツンツンに立っている短髪を撫で付けるようにしながら、何を勘違いしているのか遣属精霊と一緒に兄様と俺をニヤニヤと見る…俺とほぼ同じ背丈の為か兄様は見上げる形になってるけど
「おいおい…ウォレスの奴なに勘違いしてんだよ、リーヴァは別にザハルとそんな関け…ぅぐっ!」
遣属精霊と勝手に盛り上がっている水神にプロクスが呆れたように肩をすくめ、突然呻く
「お黙り…良い感じに勘違いしてんだから」
どうやらプロクスに兄様の鉄槌が入ったようだ、水神はと言うと今だ遣属精霊と盛り上がりプロクスの様子にも気付かない
しかも、アリル兄さんがちょうどプロクスの前にいて隠蔽工作は完璧だ
「……お、鬼めっ!」
そう言いつつも一切反撃をしようとしないプロクスに、優しいな…と思いつつ俺は当初の目的のステーキ串を渡すために動く…流石に味わえずに飲み込んだってのは、あまりにも可哀想だったんです…!
あの時のプロクスの顔を思い出したら涙が…(どんだけ悲痛な顔してたんだよ?!)
「チクショー…あの鬼畜どもめ…!……ん?どうした?リーヴァ」
プロクス弄りに飽きたのか二人は水神と世間話に興じている
すると、兄様がこちらに目配せをする…兄様わざと離れたのね…でもありがたいです、せっかく渡したのにまた丸呑みじゃあ切ないし
「…はい、これ…」
抱えてて少し冷めてしまった紙袋を渡す
「リーヴァ…お前、俺の為に買ってきてくれたのか?」
プロクスの質問に頷きをかえす
説明しよう!!この時、ザハル達により身心共にボロボロになったせいか、プロクスにはリーヴァの優しさが渇れた大地に降り注ぐ慈雨の如く染みわたり癒し潤ったプロクスの目尻から溢れ出そうになったのである!
なーんてね…ってプロクス本当に泣きそうなんですけどぉお!!え、ごめんなさい!大丈夫だから!貴方の敵はいないからぁ!!!(今は)
「…プロクス?」
「…ぐっ!…何でもねぇよ、ありがとなリーヴァ!!
…んーーーー!!…うまい!!
んぐっ?!」
男らしく涙を拭いさると、ニカッと笑い、早々と肉を食べだす……がお約束なのかそれともそういう運命なのか(てかガツガツ食い過ぎだよ!それ)プロクスの喉にまたしても肉が詰まる
「……大丈夫?!(お約束過ぎて反応遅れたよ!)
ど、どうしよう?…
あ…水神さん!!悪いが…ちょっと来てくれないか?兄様達、話してるのにごめん…」
お三方の世間話の腰を折って、水神の腕を掴み引っ張っていく…こうなったらもうプロクスの口に直接みずを出してもらおう!それしかねぇ!
「へ?…え、なになにどしたのよリーちゃん」
「…プロクスを助けてほしいんだ」
そう言って今だに悶え苦しんでいるプロクスを指し示す
「コラ!例えプロクスであっても指で指しちゃダメでしょ!」
「兄様…ごめんなさい…」
「…いやいや!違うっしょ!例えプロクスであってもっての立場があまりにも低い!!流石に憐れだから!
ってやべっ、ツッコミ入れてん場合じゃねぇってはなし!……ほら、プロちゃん!水だよ?飲んで!!」
意外にツッコミ属性だった水神はいそいそとプロクス虫の息の口に水を注ぐ
「…う…ゴップン!
あ、りがとな…生き返ったぜ…肉で死ぬかと思った」
あれ?…普通の咽下した擬音ならならゴックン!な筈なのに、もはや固体を呑み込んだの如く音が聴こえたよ?!なんでみんな反応しないの?!普通なのこれ?!!
「…ゴップン?」
「リーヴァ…気にしなくて良いですよ、あれは物事の基準から果てもない位に離れてますから」
ーー 神は見かけによらぬ ーー
(肉で死ぬなよ~プロちゃん)
(良いわね、今殺ってみたら?)
(エ、エンリョサセテイタダキマス…)
((こ、殺される…!))