思わぬ再会
寝不足ってどうやったら解消できるのでしょう……?
御来店ありがとうございました、またの御越しを御待ちしております
神出鬼没の店員さんの爽やかなどこかイグレットさんに似た笑顔で言われたそれは、兄様とイグレットさんの冷戦下から何とか脱出し、曰く食神印のステーキ串を片手に店から出た俺にとっては、天使のファンファーレにも聴こえた…
「いや~意外に時間がかかっちゃったわね…アリアルア達大丈夫かしら?待ち合わせもしてないし~
…ん?リーヴァなんか疲れてない?大丈夫?私が抱っこしようか?」
俺的には、原因の一因である兄様に言われるのは複雑でもったが、その本当に心配してくれている顔を見て出かかったツッコミをのどに押し込む
「ありがとう…大丈夫だよ
それより…アリル兄さん達を探そう?きっと心配してくれているよ…」
「そう?…無理しないでね?あとそれ、持つわ貸して?」
「うん…ありがとう、でも俺が持ちたい…頼む…兄様」
そんな梃子でも動かないだろう俺を見て、兄様は苦笑を漏らし優しく髪をすくように撫でてくれた
「じゃあ…探しましょうか!」
「…おう」
ちょっと調子にのって拳を天高く突き上げると…兄様が肩を震わせ顔を俺の拳同様天へと向ける…面白いかそんなに笑えたのか兄様…
「…っーー!(可愛いぃいい!!なんなんだよ?!可愛い過ぎんだろオレのリーヴァ!天然?天然なのか?)」
ちょっと鼻先を赤くし、気を取り直すように深呼吸をする兄様…
「……笑い過ぎ…」
通り行く街の喧騒に紛れてどこからか、鈍感んんー!!と誰かの声が聴こえた気がした…
探そうと意気込んだは良いがアリル兄さん達は以外にもあまり動いていなかったようで、俺達が(無断で)離脱したところから少し離れたところにいた、おかげで余り歩かずに見つけることが出来た…良かった
よく見ると水神とその遣属精霊と話しているようだ、うわー…やだな、またなんか言われるのかな…
そんな不安感の為か兄様の服の裾を掴んでしまう
「リーヴァどうしたの?」
心配をかけたくはないので慌てて手を離し、首を横に振る
「…なんでもない」
しかし、兄様故なのか…それとも俺の顔に出てしまっていたのか、バレた何故だ
「……あぁ、水神達?大丈夫よなにも言われないわ!
まぁ…もし言われたらオレがボコボコにしてやるし、ね?」
俺の不安が引っ込んだ代わりに水神のフラグが立ったような気が…まぁ、祈るしかない(え、神なのに神頼み!?)
内心、ドキマギしながら兄様の先導によりアリル兄さん達に近く…あ、ヤバイヤバイ!緊張するよ!寧ろ爆発するぅう!!
「ただいま~」
緊張により爆発しそうな俺とは裏腹に兄様は余裕綽々の笑顔で余り混みあっていない道を堂々と横切り歩み寄る……俺を引っ付けて
あ、見てる…水神めっちゃこっち見てるよぉおお!兄様ぁあ!
ーー 合流しましょう ーー
(リーヴァぁあ!どこにいってたんですか?!心配しましたよ!)
(…ありがとう…)
(………私は?)
(ハっ……そうです!ザ、ザハルのことも心配しましたよ?ですよね?!プロクス!)
(お、俺かよ!どっちのことも別に心配なんて…(あ?)…したよ!したから拳をつくるな!な?な!)
(…俺、空気ぢゃね?マジ辛っ!!)




