温かい
手を取ったると、一瞬眩い程の光の洪水
眩しくて目を閉じる(今、身体はないけど
《目をお開けなさい》
声に従って目を開けると、そこは絵本のお城に出てくるような謁見の間
自然と目線を上に滑らせれば、玉座に座っている碧眼と目線がかち合った
《お前は我の子、お前は神席を持つべき
子、さぁ、ここにお前はあるべき姿に……》
玉座から立ち上がり、金の髪がさらさらと揺れ未だに私の目を捉えてはなさない碧眼を持つ、まるでビスクドールの様に整った容姿の男性?がそう言った瞬間
今まで不安定にふわふわしていた"私"という存在が初めて確定する
私の視界に先程までなかった自身の身体が映し出された(なぜか、違和感を覚えたが
「わ、私はいったい?貴方は……」
あれ?
私の声ってこんなに低かった?目線が高かった?
違う
「何?こ…れ……?」
目線が碧から外れ、さ迷う
違う違う違う違う違う違う!
「っは…!っう、ゲホ!」
キモチガワルイ
私はーーナニ?
「た、すけ…て!こわいよぉ……!」
怖くて目を閉じ、子どもの様に泣きじゃくっていると何かが私を包んだ
フワッ
「ーーっえ?」
未知の体験で身体は冷えきっているのに
心が温かいそんな奇妙な感覚がおきる
再び目を開けると、碧眼が肉薄まで迫っていた
《大丈夫だ愛しい我が子よ、お前は他の子と違い"前"の記憶がある、だから混乱してしまうのは当然だ、落ち着け……お前は我が子だそれ以外の何者でもない》
その声を聞いた瞬間、訳も分からないのに
納得してしまった
「(あぁ……、ここにいるんだな私)」
存在を固定されただけで、自分がナニなのかさえどうでもよくなった、ただ、目の前の温かい声に大丈夫だと思えた
思考が落ち着いてくる
視界が正確な輪郭を捉えるようになる
「ありがとう、ございま、す」
まだ、おぼつかないがお礼を言うと
《いいのだ、我が子よ》
優しく笑ってくれた
《……うむ、大分落ち着いてきたな
今のお前なら理解できるだろう
お前は我が子……神席を持つ神となったのだ》
そして、爆弾発言をした
「ーーはい?」