兄達
誰か推進力下さい
あれから、兄様への恐怖で壊れかけた俺とパパはちゃんと正気に戻り
綺麗になったリビングで兄様特製のエディブルフラワー《食べられる花》を使った花料理に舌鼓みを打っている
「労働の後の飯はうめー」
「全く…無駄な労力を使いましたよ、まぁ美味しいですが」
《旨い!!》
「兄様、美味しいありがとう」
「良いのよぉ
さぁ、どんどん食べなさい!!」
兄様が声高に言うとプロクスさんとパパが食べる手を早める
お前らはガキか!
てか、そんなに掻き込んだら…「《うぐっ!》」やっぱり
二人が同時に喉を掻くような動作をしてテーブルに伏す
「パパ、はい水」
渡すと直ぐさま水を口へと持っていくパパ
《ーーゴキュンッ!…っぷはー!助かった、ありがとうリーヴァ!!》
ゴキュン?
「……良いよ、このぐらい」
奇っ怪な音に引っ掛かりを覚える、が
まぁパパだし?この位当たり前かな?
(いやいや!!あれは異常!!byプロクス )
「…まったく仕方がないですね
り、リーヴァ こっちにも水を下さい」
「うぐぅ~!ーーっ!」だんだん!
プロクスさんののたうち回るその様はまるで打ち上げられた鮪のよう…って考えてる場合じゃないな
「はい、水」
がしっ!!
「え?」
ゴクゴク!!ぁ…喉仏が動いてるー
「っかーー!生き返ったぜ!
ありがとな!リーヴァ!!」
「いや、大したことはしてない…プロクスさん」
まさか、手ごと掴むとは思わなかったけど
そんな事を考えていると突然プロクスさんが吹き出した(汚ね!)
「…ぶふぅ!
プロクスさんって!
おまっ!
…マジか!!グフ!
…ククッ!何だよ、お前って言葉数が少ないだけで根暗じゃねーじゃん
てか、プロクスさんって…!
ぷっぶふぅ!
違和感半端ないな!
アハハハハっ!
…っ!ゲホッ!…ヤベッ気道に入ったっ!
(※見苦しいので暫くお待ちください)
…はぁ…俺の事、プロクスって呼び捨てしろよ
毎度毎度この調子で、笑わされちゃあもたねぇからよ」
「了解、……プロクス」
名を呼ぶと嬉しそうに頬を緩め頭を撫でる……
「五月蝿いですよ、ぽ……プロクス!!」
すると、プロクスの横でこちらを見ていた美神が突っかかってきた
「今ぽちって言いかけたよな?!お前!」
「記憶にございません
このところ被害妄想が酷いですよポチクス」
「ひでーのはお前だわぁぁあ!!なんだよポチクスって!混ざってんぞ!!」
「良い名前じゃないのぉポチクス……ぷっ!」
笑い堪えきれてねぇ!この人
「思ってねーだろ!むしろ楽しんでんだろ!」
「ハッ黙りなさい、ポチクス
……リーヴァ、こんな木偶の坊はほっといて僕の所へ
僕のことはアリアルアもしくはアリル兄さんと呼びなさい」
「は、はい アリル兄さん」
アリル兄さんの所へ行くとまた頭を撫でられた……最近よく撫でられるな、てか身長がほぼ一緒なのによくやるなアリル兄さん
「……(…僕もこの子にとっては兄なのだし、少しは可愛がってやりますか まったく仕方がないですね!)」
《仕方がないのはお前だけどな(どうせ、みんなが自分を差し置いてリーヴァと仲良くしてんのが寂しかったんだろ)》
ーー兄が増えましたーー
《てか、この世界の神全員お前の兄だけどな》
「…!本当ですか!」