朝風呂
キャラが縦横無尽に駆け回ります
誰か操縦士を呼んで下さい
「うぉ!……なんだ、この美形畑は」
朝起きるとそこは美形が横たわる我が家のリビングでした
とりあえず、昨日気を失ったまま今日に至るようだ
なぜわかったって?
フッ簡単さ、ベイベェー達(誰だよ)
俺がまだ兄様の腕に拘束されているのが、動かぬ証拠さ!!
フハハハハ!
フハハハハハハハハ!
誰か俺に自由を下さい!!
もがこうにも周りが猿団子の様に固まっているので動くにも動けず、誰かが起きるのを待つ
その最中 最初に起きたのは、計らずも兄様だった
起きてすぐに言われたのは昨日の謝罪でなく、魔の二人でお風呂☆への召還
当然拒否したさ、したが
結局力づくで連れていかれ無意味な抵抗と化したよ
まぁ、馴れたから良いけどさ
「兄様、先に入ってるから」
さっさと着替えて、浴室へ
体を洗うなどの必要手順をすませ、意気揚々と湯船に浸かる
「いー湯だな♪ばばばん」
つい前の定番曲を歌っていると兄様が入ってきた
聴かれちゃったかな?
「随分遅かったけど、どうした?」
「なんでも無いわよぉん
(躊躇いもなく脱いたリーヴァに呆気にとられたなんて言ねー、しかも真っ白な尻に釘付けだったなんて言ったら終わるな、色々と)」
ブルッ!!
ん?何故か寒くなった
お湯が早くもぬるくなってきたのか?
「それより前みたいに恥ずかしがってくれないの?」
何度も言うが馴れたから!(?)
もはや、俺に敵無しってところだな(こいつ無双宣言したよ)
「もう馴れた」
「あら残念ーー可愛かったのに」
そう言い、シャワーを手に取りながら水気を含み重くなった明るい髪を後ろに纏める
色気たっぷりな仕草に軽い目眩に襲われる
「……兄様、あまり色気を出さないで 」
俺をそっちの道に引きずり込む気ですか!!
「リーヴァが言えた事じゃ無いわよ」
「は?俺が何時 色気出しました?」
むしろ色気出てんのは貴方でしょうと兄様を見ると俺に呆れた様な目で見ていた
「……自覚、持とうな?」
「…はぁ」
兄様が湯船に入ってきた
けれど、俺は慌てない
何故なら馴れ(略)
ふと目をやると兄様の背中に大きな傷があるのを見つけた
前回はこんなに目立つ傷が見えないくらいに慌ててたんだなと思いながら俺は訊ねた
「…兄様、その傷は?」
瞬間、兄様の顔が強張った様に見えた、が すぐに何時ものチャラ男イケメンフェイスに戻ったので気のせいかな?と流す
「これは、私の罰」
「罰?……何かしたの?」
「…………リーヴァ
これはの話はまた今度
今はまだ早いから、ね?」
兄様の顔が泣いているように見え頷くほかなかった
その後、何事もなくお風呂から出た
兄様は紺のVネックにに黒の革ズボンで、俺はオリーブ色のシャツに白のズボンでまとめる
え、神って以外と普通の服着るんだなって?
まぁ、神様だって毎日ギリシャ神話みたいな服は辛いからな
それに、俺と兄様はラフな現代風だけど他の神とかは普通にさっき言ったギリシャ神話みたいな服とか中世ヨーロッパの服とか着ているひといるからね?
あぁ、説明している間にリビングに着いたみたい
あれ?騒がしくない?
ガシャンガシャンいってね?
「兄様、扉開けたくない」
「奇遇ね、私もよ」
しかし、ここで立ち往生しているわけにもいかず、仕方無しにドアノブを回すと……
「おい!良いのか親父!!
勝手にやっちまって?!
しかも、皿何枚割る気だよ!
これ、料理以前の問題ーーガシャン!パァリン!ーーってあーまた割ったよぉお!この親父!」
「喚いて無いで破片を回収なさいバカ、ようはバレなきゃ良いのです証拠隠滅です」
「我だって料理の1つや2つちょちょいとっ!出来る!」
ガッシャーン!パァリィン!!
いやぁあああ!助けてぇえ!!
皿の悲鳴が聞こえたらこんな感じだろう(スプラッタな現場!)
思わぬカオスについ鼻の奥がツゥンとなる
てやンでィい
目から汗が出てきやがったぜ(江戸っ子かい!)
涙の様な汗を拭いていると頭の上を優しく撫でられる感覚が
見上げると兄様がとても良い笑顔いた
「……あ、兄様?」
こえぇえええええ!!
「ん?あぁ大丈夫だ、
リーヴァちょっと待ってろ」
「は い、……」
ーーそして、キラキラと擬音が聞こえてきそうな笑顔のまま兄様が扉の向こうへ消えていったーー
……パタン
この音を皮切りに
樹海にこの世のものとは思えない悲鳴が三種類響き渡った
(待て!ザハル話せば分かる!!我はこやつらに脅されてだな…)
(あ、テメッ!親父!!
親父が 「リーヴァとザハルがいないうちに御飯を作って驚かそう!!大丈夫だ、我を信じろ!」って大見得切ったんだろーがぁあ!!)
(黙りな!お前ら全員、同罪だ!!……アリアルア!逃げんなやぁ!)
(チッ!
……すみませんでした
責任はこの犬が負いますのでどうかご容赦を
何を呆けているのです、謝りなさいポチ!)
(あ、はい
ザハル すまなかった…ってちげぇえ!!)
(同罪だって言ってんだろーが!!パァリン!メキョっ!!)
((《うぎゃぁあああ!!》))
ーー向こうは地獄、此方は天国♪ーー
本当にこの扉開けたくない、な