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蚊帳の外だね

読んで下さっている読者の方々


真にありがとうございます!!

パパ視点




目の前の愛し子はザハルの強靭な腕力のため気を失いぐったりしている



ザハルもやっと異変に気が付いたのか、軽く頬を叩き意識の有無を確認する




「リーヴァ?…リーヴァー?…あらら、気絶しちゃったみたい」


「君がさせたんですけどね」



アリアルアが突っ込むと途端に苛立ちを含んだ声で応戦する



「うっせーよ、てかお前ら帰れ

あ、お父様は別よ?」



《お前は……》


ザハル、お前はまだ怯えているのか……?これからも周りを拒絶し続けていくと言うのか?百年もの年月も、お前から陰りを取り除け無かったのか?



警戒する様に二人をーーひいては全ての子等、神々ーーを睨んでくる我が子を見て哀しく

そして、なにも出来ない己に腹が立つ



拳を握り、白くなるまで力を入れたが何も解消されず 腹の中ではぐるぐると黒い感情が渦巻く




《ザハル…》



「お父様 私は……皆にあの人と同じ陰が見てしまうの


またいつか、樹神ランヴィの様に力に溺れてしまうのではないか

ーーまた裏切られるのではないか、とね」



自嘲気味に笑い膝で眠るリーヴァの漆黒に濡れた髪をすきながら吐き捨てる



「はっ!それじゃあ 君の大好きなリーヴァも変わらないんじゃないんですか?」



応戦するようにアリアルアも吹っ掛け、プロクスも黙って頷く



「黙れ。この子は違う

今度こそ…オレが!オレが守る……!!」




二人とも隠しているようだが表情の中には寂しさや僅かの怒りが見え隠れしている




それも仕方のないことだ

ザハルは長子のランヴィの次に生まれ、この世界で年長組に入り、何より世話焼きな性格も手伝い後の子等に慕われていた

あの事件までは……そうあの日



あの日からザハルは変わった

今での"オレ"という一人称から"私"変え、まるで女の様な振る舞いをするようになり、周りを遠ざけるようになった


そして、それは二人にも当てはまることだった




あの日からザハルは仮面を被った


しかし、いきなり末っ子が現れてから忌まわしい仮面が剥がれ、以前の態度の片鱗を見せている




この子達はきっと気に入らないことだろう



ーーけどな


「いや、同じだ!

そいつだっていつかランヴ《プロクス》……何だよ親父」


八つ当たりは頂けないーー


《それにアリアルア、お前達はリーヴァの何を知っている?

確かにこの子は何も知らないけどな、いつか なんて誰にも分からないんだ、お前達が決める事ではない


……辛いのは分かる、哀しいのも分かるだか何も知らないのにリーヴァを批判するのはどうなんだ?》




「……」



「……知りません、知りたくないです!こんな甘えた奴っ!」


アリアルアが糸が切れたように癇癪を起こしリーヴァを睨み付ける




「アリアルアっ、お前ふざ《いい加減にしろ、甘えているのはお前だアリアルア

ザハル、お前にも非がある、少しはこいつらの気持ちを考えてやれ》お父様…」




我が怒るのは久しぶりで三人も少しは頭が冷えて黙り込む








「…スゥー…スゥー……スゥー…」



そんな中、静かになった室内にリーヴァの健やかな寝息だけが聞こえ緊迫していた空気が緩む




《……久しぶりに、昼寝でもするか》


「はぁ?どうした親父いきなり」


「本当ですよ

父さん、何を言ってるんですか

そもそも そんなことザハルが許すはずもありません」



そう言って帰ろうとするアリアルア



「……待てよ、…寝るなら寝れば良いじゃない ここリーヴァの家だけど」


そんなアリアルアを止めたのは硬い表情をしたザハルあった


「は、…はい」


「…そんな顔のあんたを帰したって聞いたらリーヴァが悲しむからね」


「フッ、わかってますよ ザハル」


憎まれ口を叩くその顔には少しの喜びが垣間見える




「俺、空気じゃん」




そんな中でプロクスの一言は虚しく消えていった(切ねぇなおい!byプロクス)








「ほら、退いた退いた!!

毛布を敷くわよ!」


騒がしい喧騒の中に久しぶりの子等の笑顔に、己の口許が緩む


《本当に久しぶり、だな》



隣でザハルに抱き締められたまま寝転ぶリーヴァの顔が少し綻んだ様に見えた



パパ視点 終了


ーーお昼寝ーー





主人公の俺がまったく出ないっていう残酷さね



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