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新生
あっ、私……死んだ?
死んだよね?!
いやだって落ちてしまったもの観覧車から!
窓から身を乗り出したら落ちた私、生きていられるはずかない
なのに、私は思考している
なぜ?
ここはどこ?
ん?そういえば、身体は?
周りは何もなく真っ白、ここにずっと居たら発狂してしまいそう
ボーッと周りを見ていると、何処からか声が響いた
《おいで、おいで、愛しい我が子
お前が必要なんだ、来ておくれ
さぁ、我の手をお取り?》
唄うような優しい、父や母を思い出すような声音だった
いや、声でないかもしれない
そんな得体の知れない声
それでも私は、導かれるまま差し伸べられた手を取った