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「やっと、やっと解放された……!」



あー…、朝日が眩しいぜ

てか滲みる



城を照らす朝日を仰ぎ見ながら昨日のことを思い返す





ーーあの後、親父は俺に末っ子の自慢話をそりゃあ自慢気に語ってくれた、嬉しくねーけど



終わる頃には既に日が昇っていたつまり完全に徹夜したってわけ





マジでついてねーな俺



結局親父のとこに行った理由わかんねーままだし、親父に末っ子自慢されるし、ザハルの野郎が連れていた奴が誰かわかんねーし



俺なんかしたっけ?





まぁ、うだうだ考えるのは柄じゃねーし、美神アリアルアに相談して(愚痴って)みるか




思い立ったらさっさと行動に移してしまおう


どうせ、アイツも暇だろーし


そんな失礼なことを考えながらアリアルアの街から少し外れたことにある邸へ足を進めた俺であった










「おい、起きてんだろ?

開けろよーアリアルア」


着いてすぐに声を掛けたは良いが未だに開く気配を見せない扉にイラつきつつも扉を再び挑む


ドン!


ドン!!


ドンドン!!


ドンドンドンドン!!


ドンd…バタァアン!!!


「煩い!!今、肌が荒れててイライラしてんですよ!どうして分らないのですか!?

嗚呼、君のせいでもっと荒れてしまったじゃありませんか!!」




手鏡片手に扉を蹴破るようにして(荒っ!)現れたのは目的の美神アリアルア




「ごめん!でもんなことわかんねーよ!

てか、わかったらスゲーよ!!

お前の肌の状況なんてさぁ!」



「全く、これだから馬鹿は……!

良いですか?そもそもこのような早朝に連絡も無しに家に来る時点でマナー違反!あり得ないことなんですよ!!」



そう詰め寄ってくるアリアルアには確かに何時もの輝き(?)が無いようにも見えなくもない(どっちだ)


流石に負い目を感じ、慣れない気配りをしてみる




「……どうした?なんか悩みでもあんのかよ?」



それにしても何時もなら死んでもそんなヘマしないこいつにしちゃあ珍しい




「おや、君 気配りなんて高尚な事が出来たんですね」


この心底驚いたと語る顔を力一杯殴りたい……が!今は俺の愚痴を聞いて貰うのが先決だ


「……うるせぇ」



「言い返してこないところをみると、どうやら君も何かあるみたいですね?……良いでしょう、お上がりなさい」



部屋にあげて貰い、出された飲み物を飲み干す


……まじぃな、これ


あまりの苦味に顔をしかめると


「僕のお気に入りの漢方茶ですよ、どうです 美味しいでしょう?」


とアリアルアがいい笑顔で語りかけてくる


「漢方茶?道理で苦いわけだわ

素直に言うと不味いこれ」




ゴッ!



「マチガエマシタ、美味しいです」


う、そだろ!

普通 花瓶で殴るか?!


「わかったなら よろしい」


あ、ダメだわ

今 こいつに逆らったらおしまいだ


そう感じた瞬間だった



そうして暫く大人しくソファーに鎮座しているとアリアルアから切り出してきた


「僕、今そう……何て言うのかな?

所謂、病み期なんですよねぇ

あ 分かります?病み期

分からないなら、素直に言ってしまいなさい」


「決めつけ?!

流石に俺だって知ってるぞ?!!」


もぉ、嫌だこいつぅ!

どんだけ馬鹿だと思ってんだよ俺のことぉお!!


テーブルを叩きながらの俺の主張してみるも涼しい顔をしてハイハイなんて白々しくも流される始末


「え なに?俺なんかした?」


「いえ、イライラしてたんでサンドバッグ代わ……八つ当たりの対象にさせて貰ってますこの馬鹿め」



「言い換える意味ねぇーよ!それ!!どちらにしろ袋叩きにされるのはめに見てるわ!!」


なんなのぉ?!

今、一番俺が病みそうだよ!!




「はぁ…、もういい!!

お前の病み期はどうせ俺で解消するんだろ?!

なら、その前に俺の愚痴を聞いてくれよ!」


「その通りですよ、よく分かりましたね

ご褒美に君の愚痴というのを聞いてあげますよ」


否定しろよ頼むから

予想してたけど、良いけど



「実はよぉ……」



そう項垂れながら俺は昨日までの流れ(しつけーけど愚痴な)を語ってやった







ーー 不憫な炎と慇懃な美の会談 ーー





あぁ~!!


ごめんよ、まさかこんなに不憫になるとは思ってもみなかったんだ……!!


弱い作者を許しておくれ!!



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