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7人7色  作者: 蓮千里
6/7

担当:智菜&智香1

ファイル・0 キャラ雑談6


「そろそろ最後だよねえ、ビデオ」


理奈がしみじみと言葉にした途端、蛍の鉄拳とともにガツンと一発吼えられる。


「おいこら、まだ言うか?この間、俺が教えてやったろうが!」


「あー覚えてるよ、でもさあ説明不足だよなあっと思ってね」


「どういうことですか?理奈さん」


理奈の疑問が杏にはわからなかったらしい。


「杏。貴女はこのビデオを見て、私たちの繋がりが分かると思いますか?」


幸が笑いながら杏に問うと


「分からなくて当然でございます」


「だから、お返事が来ないのでございます」


「でも、セーカ君たちに八つ当たりしてるっすよね、あの人」


智菜と智香、そして星花が幸の言葉に同意する。


「ああ、そういうことですか。でも、私たちのせいではないのでいいと思いませんか?」


杏がポッキーを3本口に入れて話す。


「ま、そうっすよねーセーカ君たち動かしてるの、あの人っすから。


あ、智菜はん、そこのポテチとってくるっすか?」


「……わたくしは、智香でございます、星花さま」


ポテチを受け取る星花の顔はなんとも間抜けな顔であった。


「んじゃ、6本目のビデオいってみよー!」


理奈が頭をさすりながら勢いよくビデオを入れる。


「”起動”」










ここは、赤い夢。


どんな人間でも持っている世界。


そこに彼女達はいた。


そこで待機していた。」


自分達を呼ぶ、人間の助けの声を。


7人で話しながら、助けの声を待っていた。


迷える子羊達の声を。


助けの声を彼女達は、迷える子羊の声と言っていた。


7人は能力を生かして、迷える子羊を己のやり方で解放していくのが役目。


姿を見せることも、隠すことも、その者の勝手。


どう助けるかは、7人とも違う。




さあ、7人7色始まりです。














遊びたい、話したい……


ひとりで遊ぶのは、もう飽き飽き






ファイル6 担当・智菜”CHINA”【上】〜双子に幸あれ〜




ぴろりろりん、ぴろりろりん




ケータイがご親切にもメールが入ったと教えてくれる。


サブ画面を見ると、予想通り篠塚奈美しのづかなみの名が表示されていた。


メールのやり取りでしか知らない相手は双子の妹に当たる。


が、篠塚美奈しのづかみなも奈美も互いに直接会ったことは16年間1度も無かった。




『これは篠塚家が代々継いできた大切な仕来り。本来ならメールのやり取りだってやめさせたいところです』




母も、祖母も誰もかもが口を揃えて言ってくるのにはうんざりだ。


いつも仕来り仕来りといわれ、やりたいことも遊びも、付き合う友達でさえ全て自分の判断で決めたことは無い。


決めることが出来ぬ歯がゆさに、この16年間ずっと耐えてきた。


篠塚家が何だと言うのだ。


由緒ただしいいからといっても全てを決められなきゃいけない道理が通じるはずも無いだろう。


四六時中監視されているような生活を送ってこれたのは、妹の奈美がいたからだ。


「……これでメールまで禁止になったら死んだ方がいいわ」


そんなことを口にしながら美奈がメールを開こうとした瞬間だった。




「う、うわゎゎゎ……」


どすんっ!




自分以外の声がしたと思った瞬間、自分の目の前を真紅の着物が落ちてきた。


いや。真紅色の着物を着た子供が盛大な音をたてながら落下してきたのだ。


自分より遥かにちいさな体をした子供の性別は♀。


黒いセミロングに赤いリボンがつけてある。


驚きながらも意外と冷静に子供を見ている美奈は、自然と天井を見上げていた。


天井に穴はない。


しかし目の前の少女は確かに落ちてきた。


美奈が声を上げる暇も無く。


「うぅ……星花さまや理奈さまのようで泣けてくるのでございます……」


本気で涙を流している子供に美奈が話しかけることを試みた。


涙はどう見ても本物だし、どうやら自分の姿が子供の視界に入っていないと思ったからだ。


それに理由はどうあれ、ここは自室。


一体どんな方法で空から降ってきたのか興味深い。


「ねえ――」


「はっわゎゎゎゎあっ!も、もしかして篠塚美奈しのづかみなさまでございますかっ?


うぅ〜……大失敗でございます……」


美奈はどうすればいいかわからない。


まだ自分は名乗っても無いのにフルネームで呼ばれ、その瞬間おどろを背負ったのだから。


慌てたり、泣いたり、落ち込んだり……忙しい子供である。


『……私の名前でどうして落ち込まれるのかしら』


美奈は疑問に思いながらも、そっと子供の肩に手を置いた。


明らかに自分より年下の子供をほうってはおけなかったのだ。


「着物を着た、天使さんってところかしら…


私は貴女が言ったとおり、篠塚美奈よ。天使さんのお名前は何かしら?」


炎のように赤い着物を着た美奈は、静かに少女―――智菜に話しかけた。






****


「美奈さんは、どこか幸さんに似てますね」


杏の声に誰もが敏感に反応する。


「―――そーいわれれば、似てなくもないっすよね」


「幸の茶髪ボブを黒髪ロングにすれば似てなくもないな」


星花と蛍は珍しく、意見があった。


一緒にニヤッと笑い、幸を見る。


「な、なんでそうなるんですかっ……理奈、私そんなに似てますか?」


あたふたし始める幸が助けを求めて、理奈にふる。


「さあ……ところで、智香はどこにいったわけ?」


スクリーンから目を離さずに理奈が問う。


「今回は、智菜と智香の担当だと記憶してるんだけど?」


何気に怒っているような口調の理奈。


だが、本心は心配しているのを幸たちは知っている。


「なんだか失敗したみたいですね。別行動は久しぶりですから」


流し目で、幸たちを見る理奈に応える幸。


その口調は苦笑いに近かった。


「流石、ふたりでひとりなだけありますねっ」


手をポンと叩いて、明るく発言するが……理奈の怒りの炎は消えることはない。




「幸、今すぐ確認とって!星花は邪魔しないようにサポート!!


杏はスクリーンの調整!蛍、あんたは杏の側にいて!もしもの時の為に!」


テキパキと指示を出すと、理奈は自室へと向かう。


その行動を誰もとがめずに黙って見送る蛍たち。


「……わっかりやすい奴」


十字架を弄びながら、蛍が呟く。


「およしなさい、蛍……理奈いえ、”李菜”(りな)の気持ちを知らないわけではないでしょう?」


幸が目をうっすらと開けたまま蛍に呼びかけた。


「―――まぁな、”遊喜”(ゆき)」


蛍の呼び名に、目を見開く幸が何とも見物だった。






****


「ふーん……着物天使さんは智菜ちゃんっていうの。


それにしても、小さい身体でよく平気ね、着物なんて。動きにくくない?」


「美奈さまも着物でございます。ですから、大丈夫でございます」


いや、そういう意味じゃないだろう、と思わずツッコミをいれたいが我慢しておく。


「ふふっ面白いわね、智菜天使さん。ところで、どうしてここにきたの?」


紅でもさしたような唇がかすかに揺れ、静かに美奈は尋ねる。


優雅に茶菓子を智菜の前に置きながら。


智菜は茶菓子に手をつけず、日本茶をゆっくりと口にした。


その姿は、とても子供とは思えない。


ふうっと息を吐くと智菜は尋ねた。


「メール、見なくてよろしいのでございますか?」


笑った顔は、何もかもお見通しといっているようだ。


「……あぁ!!忘れてたぁ!」


静かな部屋の空気が一変し、美奈は慌しくメールボックスを開く。


そこに踊っていた文字は、








着物天使が来た。








ただ一言そう書いているだけ。


美奈はお約束通りに智菜を盗み見る。


『こ、ここにも着物天使いるんだけど……』


美奈は目をぱちくりしながらも、メールを送る。


何度も押し間違えながら。


智菜が再びお茶を口にして、


「篠原奈美さまからのメールは、なんと書いてありましたか?」


微笑みは、年上の美奈をも圧倒する笑みだ。


『何で、私がドキドキしてるわけ?』


長い黒髪が風に揺れ、赤くなる美奈。


美奈を撫で終わった風が、智菜を通り過ぎようとする。


赤いリボンと黒髪は、逆らうことなく揺れている。






「『100年に一度、酉が鳴く満月の夜に産まれし子供は光の双子……


光の双子は、すぐに引き離すべし。それが2人のためである』」






部屋が静かなせいか、智菜の声はよく通り、美奈の動きを止めてしまう。


止まったというべきだろう。


今の美奈は、頭の中が真っ白で表情も硬い。


ぎこちなく首を動かし、智菜を見た。


智菜は何事もなかったかのように、日本茶を飲んでいる。


「……どうして知っているの?という質問はなしでございます。


わたくしが住んでいる世界から、取り寄せた情報でござます故……」


にこりと笑い、智菜は続ける。


「『酉が鳴く』というのは、『酉年』のことで『光』とは、


篠原家が代々受け継いできた、『精霊の力』……


略して『精力』のことではございませんか?光の双子の姉上、塚原美奈さま」




特に変わらぬ口調で美奈に問う智菜。


だが、尋ねられた美奈は冷静に対処できなかった。


美奈は体温が燃えるように熱くなるのを確かに感じていた。


徐々に上がっていく体温。


自分自身がコントロールできない。




『この子、知りすぎてる……危険、人物……』




自分であり、自分ではない声が美奈の脳に響き渡った。




『危険人物、危険人物、危険人物………』




美奈をとりまく空気が、炎と変わっていく。




「ファイア!」


美奈をとりまいていた空気が炎を姿と変えた瞬間、智菜に襲いかかる。


智菜は微動出せずに正座したままだ。


恐怖で動けないわけではない。


その証拠に、智菜の目は死んでいない。


怒りと哀れみが入り混じったような、何ともいえない表情の智菜が言う。


「……炎の精霊、ファライをコントロール出来ていないというのですか……


美奈さまはもう、16歳だというのに……」




美奈の放った炎が智菜に直撃した。


「黒い焦げになりな!」


美奈であって美奈でない者が高笑いをしながら、余裕をかます。


しかし、それもすぐに聞こえなくなった。


「お、お前……」


驚きが支配し、それ以上何も言えないかったのだ。


篠塚美奈の身体に宿った精霊ファライは、明らかに動揺していた。


「美奈さまの身体で何をしているのでございますか?炎の精霊ファライ。


貴女さまは、美奈さまに『炎の力』を授ければいいはずです」


美奈の身体をのっとっている、炎の精霊ファライが言葉を失くす。


智菜が無傷ですんでいることだけが原因ではない。


まだ幼い智菜が、自分より格上の精霊を身にまとっていたからだ。


そして、見事にコントロールしていた。


智菜は、自分の意志で動き、話しているのだ。


美奈のように、精霊ファライにのっとられてなんかいない。


「―――目には目を……というわけではありませんが、炎龍がファライと戦いたいとのこと……


お相手、願えますね?炎の精霊ファライ」




黒いセミロングの髪が左右になびき、赤いリボンは踊っている智菜。


深紅の着物が光りだす。


「それでは、参ります!」


一言断ると、智菜の真後ろに炎龍が現れる。


「炎の戒め!」


すばやく、的確な動きで呆気なくファライを捉える炎龍と智菜。


「―――本気でかかってこなければ、ファライ、貴女さまは消えるでございます、永遠に……」




足をジタバタさせるファライに智菜は言い放つ。


「美奈さまの『光』はファライ、貴女のことでございますから……」




美奈を支配しているファライがもだえ苦しむ。


智菜と炎龍が捕らえているのは、ファライ。


美奈の格好をしていても、苦しむのはファライだ。


他の家具なども、美奈本人も傷つけることはない。


しかし、ファライも『炎』属性の精霊。


ダメージは少ない。


『今頃、苦しんでいるはずでございます、ウォライは……』


智菜の狙いは、ファライではない。


智香が相手をしているはずの、ウォライだ。


姿は見えずとも、ファライを攻撃すれば、ウォライは必ずダメージを受ける。


2つの精霊は、見えない糸で繋がっているのだから。




「篠原家に伝えられてきた伝承に、続きがあることをご存知ないなどといういい訳は聞かないでございます」


はっきりと智菜は言う。


「智香、わたくしは信じているでございます……必ず、本来の世界で貴女と共に人を救えると!」


姿見えぬ智香に、心から叫ぶ智菜がいた。




****


ぴろりろりん『メールだよ、メールだよ』


大好きな『迷探偵 南』の声でメールが来たことを知る篠塚奈美。


会ったことのない実姉、美奈にメールを送って早5分。


珍しく遅い返事だ。


「やっときたかー………て、え”!?」


真っ青な着物に茶髪がかったセミロングヘア。


16歳、篠塚奈美は、ゆっくりと着物天使、智香に尋ねる。


「ね、ねえ、智香ちゃんももしかして、双子なの?」


「双子といえば、双子でございます……昔は違いましたが」


即答せずに、言葉を濁す智香を不思議がる奈美。


その視線は外れそうにない。


「……み、美奈さまは何と仰ってきたのでございましょう?」


我ながら苦しい質問だと思いながら、尋ねる智香。


「着物天使がきたってさ」


その質問にあっさり答える奈美。


やはり、視線は外れない。


だから言う、仕方なく。


いつまでもこのままじゃ、任務は果たせないから。








「『―――100年に一度、酉が鳴く満月の夜に産まれし子供は光の双子……


光の双子は、すぐに引き離すべし。それが2人のためである。


光の双子は決して会う事は許されぬ。


しかし、どうしても会いたいならば、会えば良い。ただし光は永久にもてなくなるが……』」




ゆっくり、きちんと聞こえるように言う智香。


その顔色は、あまりよくない。


奈美は唇をかみ締め、小刻みに震えていた。


「……これが、篠塚家の伝承の全文でございます。


あまり言いたくなかったでございます……できるなら、もっと違う形で言いたかったことでございました……ですが」


智香が言い終わらぬうちに、床から氷の槍が何本も突き出してくる。


「ですが、奈美さまはわたくしが来る前からかなり支配されていたでございます!


水の精霊、ウォライに!いつまでもそちらのペースに合わせるなんてまっぴらでございます!」


智香は飛び回って、回避するが時間を延ばしても何の特はない。


奈美に近づけば、安全かもしれない。


ただ、それは智香自身にとってだ。






『―――奈美さまに近づいても、必ずウォライは躊躇いなく、


わたくしを攻撃してくるでございましょう……


奈美さまが壊れてしまうだけでなく、亡くなってしまう可能性がある限り近づけないでございます』




息を乱し、どうすればいいか考える智香。


己の中では答えは出ているのに、それを実行できない。


迷いが心にある限り、智香には攻撃することができなかった。






『もし、わたくしが攻撃したら……


美奈さまも奈美さまも亡くなる可能性があるのでございます……


―――わたくしと智菜との関係と似ていても、奈美さまたちは本当の双子でございます。


双子は、一心同体といっても過言ではないでございます故……


特に、篠塚家のように『精霊の力』を受け継いできた方たちを攻撃するのはとても困難なこと。


奈美さまが『水』の精霊を扱うのなら、美奈さまは『炎』の精霊のはず……


『炎』は『水』に弱い……奈美さまのダメージが弱くとも、


ここにはいない美奈さまのダメージは、計り知れないのでございます』


長いこと考え事をしながら、回避していたのが原因だろう。


智香の動きが一瞬止まる。






「……っ」


右肩に痛みが走った。


藍色の着物が赤みを帯びてくる。


右肩には、ウォライの氷が突き刺さっていた。


あまり深くはないが、智香が押されているのは明白だ。




「戦いの場に『迷い』なんてあったら、誰も助けられないんじゃん?


あたしを殺さず、助けようなんざ、あんたに出来るはずがないよ」


奈美の身体を支配しているウォライが嘲笑うかのように智香に言う。


右肩から血を流し、うずくまる智香を笑いながら。


だが智香は不思議と腹がたたなかった。


ウォライが奈美を通して言った言葉が、智香には『智菜の声』に聞こえたのだ。


そして、それは『励ましの声』だ。




自分に迷いがあるから、ウォライの攻撃を受けてしまったのは事実。


反論のしようがない。


だが、智香の迷いも今ので吹っ切れた。


全て、ウォライ……いや、『智菜』のおかげだと智香は強く思う。


『まさか、立場が逆になる日がこようとは……』


智香は小さく笑い、ウォライに向き直る。


血が流れていようが、流れてまいが、そんなことはどうでもいい。






全身を怒りが駆け巡ってく。


己に対してではなく、ウォライに対して。




「ウォライ、貴女さまの役目は奈美さまに『水の力』を授けることでございます……


なのに、何を好き勝手にやっているのでございますか?」


いつの間にか2人とも庭に出ていた。


好都合なことに、篠塚家の庭はただっぴろい。


これなら、標的以外の被害も少なくてすむだろう。




「奈美さまが亡くなれば、貴女さまは二度と降り立つことが出来ないのでございますよ?!


おわかりなのですかっ?」


智香が吠えると、ウォライの目が見開かれた。




動けない。


身体が固まったように動けなかった。


智香が自分より格上の精霊をまとっていたからだ。


小さな身体に似合わず、巨大な龍を従えていた。


「――――青龍……をあんたが?!」


「………軽口を叩かぬほうが身のためかと忠告しておくでございます」


迷いを吹っ切った者は、強くなる。


それをウォライは身をもって実感した。


『―――まるで動きが違う……』


本当に肩を怪我したのか、本当に同一人物なのかと疑いたいくらい、智香の動きは一変していた。


全ての氷の槍を避けたり、砕いたりしながら自分に近づいてくる。


圧倒的なオーラを身につけながら。


今、2人の距離は10m前後。


至近距離・援護型の智香にとっては都合がいい。


「出したくありませんでございましたが……やむおえません」


真っ直ぐ、ウォライを見据え呟く智香。


自然とウォライは後ずさりする。






智香の青いリボンが踊りだし、黒のセミロングがそれに続く。


藍色の着物が光を帯びた。


「青龍、出番でございます!――――滝!」


智香の背後から大量の水がものすごい勢いで流れ出す。


流石の奈美も身体をよろめかす。




その瞬間、奈美の身体からウォライが弾き飛ばされるように出てきた。


水の精霊としての形はなかったが……


「……あ、熱い熱いか、身体、熱い……」


そう言いながら、のた打ち回っているウォライ。


「智菜と炎龍の攻撃は、ウォライを相当苦しめているようでございます」


他人事のように智香が呟く。


青龍の背には、しっかりと奈美を乗せていた。


奈美は死んだように眠っている。




「……この方が好都合でございます……」


言いながら、智香は青龍の鱗を取り、奈美にかざす。


あっという間に奈美は鱗の中へと納まった。


「もう奈美さまを苦しめないでございます!」


原型をなくしているウォライに向かって智香は叫んだ。


次回で終わりです。

描写が無くてすみません;


                     Rue

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