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第四十四話 初めて

人間の姿になってから1週間ほど経つと、私はようやくまともに動けるようになってきた。それまでのナタリーさんの完全な介護状態から抜け出したのだ。今では一人で着替えもできるようになった。

介護状態の時は色んな人が部屋に遊びに来てくれた。かなこはサボりによく来てたけど…。シルビアさん、レイチェル様はもちろん、国王様やサントスさん、カルロさんも来てくれた。一番驚いたのはルークさんだ。あの美しいイケメンが入ってきた時は心臓が口から出るかと思った。話していて心の中で謝罪した。あの意地悪イケオジになびいてごめんなさい、私の推しはあなただけです、と。

そして動けるようになった私はとある部屋の前に来ている。深呼吸をして扉を叩くと中から求めていた人の声が聞こえた。

「失礼します。」

そう言いながら中に入ると、私の推しであるルークさんと何か話していたのか部屋の主がそこにいた。

「海さん。どうしたんだい?」

「海殿もカルロ殿にご用ですか?私は終わりましたのでどうぞ。」

爽やかな笑顔で私に譲ってくれるルークさんに笑顔でお礼を言って彼を見送る。そして扉が閉まると同時にカルロさんに向き直って何度も練習したセリフを言う。

「カルロさん!私に魔法の使い方を教えてください!」

予想通りカルロさんは固まった。

「え…いやいやいやいや!僕じゃないほうがいいよ!」

この返しも予想通り。

「かなこから聞きました。とても教え方が上手いと。」

カルロさんは困った顔をしてブツブツ言っている。

「あれは…仕方なかったというか…ダルシオンもいなかったし…。」

このブツブツ言うのも予想通り。

「ダルシオンさんじゃダメなんです!カルロさんしかいないんです!お願いします!」

90度のお辞儀でお願いする。

「えぇ⁈そ、そんな…顔を上げてくれ…困ったな…えっと…。」

良いというまで顔を上げないのがポイントだ。

すると小さな声で

「…わかったよ…。」

と言ってくれた。顔を上げる前に私はニヤリとした。

「ありがとうございます!カルロさんはやっぱり頼りになりますね!」

とどめの一言。これで完璧だ。

「そ、そうかな…。」

嬉しそうにモジモジしている。

作戦成功。完璧だ。


3日前。

「と、いうことで魔法を教えてもらいたいんだよ、かなこさんや。」

「いや、無理。」

即答された。

「だってーーー!ダルシオンさんあれから一度も顔見てくれないし話してもくれないんだよーーー!絶対避けられてる!そんな状態なのに頼めるわけないじゃん!」

ベッドの上でジタバタとして駄々をこねる。体が動かないから芋虫みたいにウネウネしてるだけなんだが…。

「じゃあカルロさんに教えて貰ったら?あの人の教え方わかりやすかったよ。それにね…フフフ。」

嫌らしい笑みを浮かべて耳打ちしてきた。

「照れるとアライグマみたいで可愛い。」

「アライグマ…?」

想像ができない。アライグマ?どんな照れ方だよ。

「もちろん頼み方も伝授してあげよう!」

「ははぁぁ!ありがたき幸せ!かなこ様!」


という謎の会話をして今に至る。

いやーーさすがかなこ。カルロさんのプロだわ。全部予想通りで気持ち悪いくらいだ。

一人納得していると、カルロさんが話しかけてきた。

「えっと…魔法って言っても君は闇魔法だよね?さすがに怖いんだけど…。」

「あ、それは大丈夫です。この魔石で常に防御魔法を張ってます。黒竜の時と同じように。それに今回教えてほしいのは、そういう…攻撃系じゃなくて防御魔法とか魔力感知とかそういうのです。」

私の首には黒竜が付けていた魔石がぶら下がっている。かなこの光魔法入り防御魔法だから安全面はバッチリだ。かなこ曰く、ダルシオンさんのお墨付きらしい。

ダルシオンさん…話せてないなぁ。全く機会を与えてくれない。

思い出してため息をついてしまった。

「大丈夫かい?」

カルロさんが心配そうにのぞき込んでくる。

「あ、すみません。大丈夫です。で?どうでしょう?」

そう聞くとカルロさんは頷いて

「じゃあ場所を移動しようか。こっちの仕事も今ひと段落ついたところだからね。」

カルロさんやる気満々じゃないか。ありがたい。


場所を移動して中庭に来た。この世界で初めてかなこと会ったところだ。懐かしい。

「じゃあまずは魔力感知から。目を閉じて僕を探してくれ。蜘蛛の巣を空間に広げていくイメージだ。」

そういうとカルロさんはどこかに隠れてしまった。

目を閉じて言われた通りにやってみる。

「…………」

うーん…。

「…………」

全然わからない!蜘蛛の巣?はい?さっぱりだよ!

「カルロさーん。だめです。」

降参のポーズでカルロさんを呼ぶ。すると目の前の木の陰から出てきた。

「うわ!目の前にいた!」

「そうだよ…全くダメかい?ピクリとも感じない?」

困った顔で出てきて話すカルロさんには申し訳ないがさっぱりだ。

首を横に振って答える。

「そっか…うーん…どうしようかな…。」

悩むカルロさんを見ていると上の方から、おい、と声が聞こえた。振り向いて見上げると、2階の窓から顔を出したダルシオンさんが見えた。

「そもそも魔力を感じてることすら気づいてないんです。血液が体の中に巡ってるのに気づいてないのと同じですよ。」

「あ!そうか!人間だけど黒竜だからか!魔力の流れが常にあるんだね!そりゃわからないわけだ!」

私だけが理解できず置いてかれていることだけはわかる。

「あの…どういうことですか?」

「僕ら人間は魔力を使う時だけ体に巡らせてるんだ。でも海さんは黒竜、つまり魔物と同じだ。魔力は常に体の中に巡ってる。それこそ血液のようにね。だから使い方がちょっと違うんだよ。そうだな…。蜘蛛の巣を空間に張るんじゃなくて、もう既に張ってある蜘蛛の巣に引っかかってるものを探す感じかな?」

つまり蜘蛛の巣がすでに私の周りに常に張ってるってこと?想像したら気持ち悪いな私。

「ダルシオンありがとう!助かったよ!」

カルロさんが上にいるダルシオンさんにお礼を言うと、片手を上げて引っ込んでしまった。

あの人、見てたのかな?それともうるさいなぁって外観たら居たってパターンかな?

「さあ海さん!今度こそ見つけてね!」

そういうとカルロさんは楽しそうにまた隠れた。

あの人かくれんぼでもしてるつもりなのか?子どもか?

私は集中してさっき言われた通りにイメージする。

蜘蛛の巣にかかった獲物…獲物…獲物はカルロさん…アライグマ…。

すると目を閉じてるはずなのに周りの景色が手に取るようにわかる。まるで透けて見えてるみたいだ。アライグマカルロさんも丸見えだ。

私は後ろを向いて生垣の前に立って言った。

「カルロさん、みっけ!」

ガサガサと葉が揺れてアライグマが現れた。

「海さん凄い!完璧だよ!どう?感覚掴めた?」

「はい!完璧です!手に取るように周りが見えました!」

「おぉーー!すごいね!海さんすぐにできるなんて凄いよ!」

かなこが言っていたのが分かった気がする。

この人めっちゃ褒めてくれる!何だろうこの高揚感!すごい嬉しい!初めて意識して魔法が使えた!

「それを呼吸するのと同じくらい自然にできたら合格ですよ。」

私の気分をガクンと下げる言葉が頭の上から降ってきた。ゆっくり上を向いてふてくされたように返事をした。

「はーい。がんばりまーす。」

おどおどしたカルロさんが

「ダルシオン!そんなやっと始めたばかりなのに…。君はもっと優しくしなよ…。」

「カルロ殿。お言葉ですがあなたが甘やかしすぎなんです。厳しくしないとこの小娘達はだらけます。」

小娘…達…ということはかなこも入ってるなこれ…。

「ダルシオンさん!かなこに言いつけますよ!あと…あの情けない姿を晒した相手にそんなこと言っていいんですか?」

少し、いや、かなり嫌らしく笑って言うと、

「……毎日やれば上達するってことです…。」

と言って窓から姿が消えた。

私は今ドヤ顔してるんだろうなと思う。カルロさんがそんな感じの顔してるから。

「ダルシオンと何かあったのかい?」

「いいえ!なーーんにも!さあ!続きをお願いします!」

「あ、うん…。」

私は心の中でダルシオンさんに言った。

私たちまるで子どもの喧嘩ですね。





海さんに頼まれて魔法を教え始めてから僕も気づくことがあった。

魔法を教えるという能力に。

以前ナコさんにも教えたことはあったがそれほどうまく教えられたとは感じなかった。初めてだったから。でも海さんは2人目。どんどん上達していく海さんを見ていると僕まで嬉しくなっていく。

そして極めつけはダルシオンの言葉。

廊下を山のような書類を持って歩いていた時だ。角でぶつかりそうになり慌てた僕は床に半分ほど落として書類をまき散らした。

「カルロ殿。前見えるくらいの量にしといてくださいよ。」

と言いながらも一緒に拾ってくれるダルシオン。

「ご、ごめん!海さんの次の魔法何にしようか悩んでたから…。ほんとにすまない。」

謝りながら拾っていると彼がポツリと言ったのだ。

「あなたのおかげで助かったのは俺です。」

「え?」

聞き返すと、彼は少し間をおいてから話しだした。

「俺はどうも人に教えるのが苦手なようです。なんというか…人間関係全般ダメです。この国の魔術師になったばかりの頃から何も変わってないんです。あなたが陰で色々フォローしてくれてたのは知ってます。…ありがとうございます。」

最後の言葉はほとんど聞こえないほどだった。

「それに…どうもあの小娘たちには振り回されてばかりで…。あなたのやり方を少し参考にしたら…その…うまくいきました。今後もあの2人に教えるのはあなたに任せます。俺は魔法室にこもってる方が性に合ってます。」

こんなに喋るダルシオンは珍しい。しかも自分の話。

「わかった。じゃあ僕なりに頑張ってみるよ。息詰まったらまた助けてくれるよね?」

そう言うと集めた書類を押し付けながら少し照れたように

「えぇ。まぁ仕方ないので。」

と言って去っていった。

あの時初めて僕はダルシオンという人間の優しさを感じた。いや、今までも彼は優しかった。でも僕がうまく受け止めていなかったんだ。

それから僕はサントスに提案をした。魔法を教える場所を国内に作る提案を。いわゆる学校のようなものを。実現はかなり難しいだろう。でも彼はいい案だと賛同してくれた。そしてついさっき国王も承諾してくれた。とても嬉しそうな顔で。

今日は初めて僕の案が通った記念日だ。





「ねぇナタリー?」

「はい、なんですかレイチェル様?」

2人で騎士団の破れた服を繕っているとレイチェル様が突然声をかけてきた。

本来ならば騎士団の服を王妃自ら直すなど言語道断。だがこの方は暇だからと言ってやろうとする。暇じゃないのに。

「私たちで何かできることないかな?」

「今既にやっていますよ?」

「違うわよ!もっとこう…ババーンとしたことよ!」

レイチェル様の言いたいことが何となくわかって微笑んでしまった。

「カルロも魔法の学校?みたいの作りたいって言いだしたし、サントスも同盟継続のために何か考えてるみたいだし…。それにダルシオンもなんか最近雰囲気が柔らかくなったし?海も魔法の練習頑張ってるし、ナコも例の魔石使った防御魔法に力入れててさ。なんかみんな変ったわ。シルビアもよ!騎士団で新しい訓練始めたとか言って傷だらけになってたわ。しかもそれが楽しいのかとても嬉しそうに話してきたの。変わってないのは私だけかも。」

口を尖らせながら愚痴のように零していくレイチェル様がとても可愛く見えてしまった。

「レイチェル様もお変わりになりましたよ。」

「え?」

私の言葉に驚いたのか手を止めて真ん丸な目で見つめてきた。

「以前より皆のことをしっかり見ています。気を遣うのではなく見守るというのでしょうか。皆の変化にいち早く気づいて、国王様に伝えたのはあなたです。国王様がそれをサントス様に伝えたところ、ようやく我々もその変化に気づきました。あなたが初めて気づいたのですよ。」

レイチェル様は考える素振りを見せた後

「そうだったかしら?」

と言った。とぼけるわけでもなく本気で言っている。

「自分のことは気づかないものね!」

と言って、作業を再開した。

ご機嫌なのか鼻歌まで歌って。

私はそんなレイチェル様が微笑ましくなった。やはりこの方には適わない。誰よりも優しく、誰よりも強く、そして誰よりも皆を愛している。

「レイチェル様…音程がズレていますよ。」

「やだ!私ったらもしかして音痴⁈」

これは驚いた。無自覚だったのか。

「レイチェル様はずっと前から音痴です。先代の王妃様がそうおっしゃっていました。」

「自覚なかったわ。歌は好きなのに音痴って致命的ね。歌のレッスンしたら良くなるかしら?」

全くこの方は…。

私は意地悪な顔をしてハッキリと伝えた。

「練習しても治りません。もう遅いです。」

私とレイチェル様はそれはもう笑ってしまい、廊下まで響き渡っていたと、後でサントス様から聞いた。





青い海が広がり、白い砂浜が足の裏を温めていく。

「ジョン!もう準備できたか?」

遠くから大きい声が聞こえた。

「チャミ、もうとっくにできてるよ。遅い。」

僕がそう答えるとチャミは笑いながら

「悪ぃ悪ぃ!今日だったの忘れててさ!」

「全く…昨日も言ったでしょ。今日はあの陣からフェルス王国に定期連絡する日だって。」

僕とチャミは今日初めて、島からフェルス王国に転移術で移動する。何度か向こうからこっちには誰かしら来ているが、僕らが行くのは初めてだ。

「海ちゃんもう動けるんだってな!いや~人間の海ちゃんに会うの久しぶりじゃね?」

海さんが黒竜から人間の姿になった話を聞いた時は島中みんなで騒いだ。伝えに来てくれた騎士団の人が驚いてひっくり返るほどに。島の人はみんな行きたがったけど止めた。かなり苦労したけど何とか説き伏せた。

「そうだね。話すことたくさんあるよ。」

「だな!あ!そうだ!」

突然チャミが鞄をゴソゴソし出した。そして本を取り出した。

チャミが本?え?明日は槍でも降るの?

「これ。さっきマスターに会ってさ。これをダルシオン先生に渡してくれってさ。」

あぁそういうことか。びっくりした。

「そうなんだ。チャミが預かったんだから持ってなよ。忘れないでね。僕も覚えておくけどさ。」

「へーい」

チャラい返事をしながら鞄に戻したチャミは

「よし!んじゃ行こうぜ!」

と言って歩き出した。

「チャミ!」

「ん?」

こいつ本気で馬鹿か。

「陣があるのはあっち。」

僕は後ろを指さして言った。チャミのいく方向と正反対の方向だ。

「あ!そっちか!あははははは!俺緊張してんのかな?」

「チャミが緊張?絶対ないよ。ただ馬鹿なだけでしょ。」

ズバッと言って陣に向かって歩き出す。

後ろから

「待ってよーー!」

と言って追いかけてくるチャミを無視して。


陣に着くと僕とチャミは陣の中に入った。そして僕は深呼吸をした。

「ジョン緊張してるの?」

ニヤニヤしながら聞いてきたから言ってやった。

「初めてだからね。さすがに緊張するよ。」

チャミは面白くなさそうな顔をして、ふーん、と言った。

「じゃあ行くよ。いいね?」

「おう!いざフェルス王国へ!」

よし!と意気込んで陣を発動させようと思った瞬間、

「あ!」

っとチャミが大きな声を出した。

「な、なに⁈」

チャミは口をポカンと開けてゆっくり僕の方を見て言った。

「向こう寒いのに俺らめっちゃ薄着…。」

「あ…。」

僕もポカンと口を開けてしまった。

「戻ろうぜ。」

「そうだね。」

そう言って2人同時に村に向かって歩き出した。





転移術の陣の前で待つこと1時間。私はさすがにイライラしてきた。

「なぁ。あいつら遅くね?忘れてるとかないよな?」

隣で優雅に部下とチェスをしている第一騎士団長様に問いかける。

「今日だということは伝えてあります。それに昼頃ということも。ちなみに島との時差はありません。」

部下が、待ってください!と止めてるのを無視して、チェックメイト!とか言ってるルークはとても楽しそうだ。

「お前よくそんな優雅にしてられるな。島で何かあったのかもとか思わねぇの?」

ルークはいけ好かない笑顔で言った。

「あの2人は第二騎士団所属でしょう?あなたの管理責任です。一緒に待ってあげてるだけありがたいと思ってください。」

なんだこいつ。マジでムカつく。殴りてぇ。

「そりゃどうも。」

怒りを抑えて嫌味ったらしく言って陣を見つめる。

初めて向こうから来るっていうからちょっと心配して待ってやってるのにあいつら…。人の気も知らないで…。来たら一発殴ってやる。

チェスに負けて項垂れる部下を下がらせてルークは私の隣に立って話しだした。

「例の訓練、うまくいってますね。さすがマスターだ。魔法が使えない私たちにも扱えるように作ってくれましたね。」

「お願いしたの私だからな!自分の手柄みたいに言うな!」

「わかってますよ。助かりました。ありがとうございます。」

素直にお礼を言われてゾッとした。

「お前…どうした?気持ち悪いぞ。」

ルークはため息をついて言った。

「私はあのマスターという男が苦手です。私では頼めなかった。」

意外だ。こいつにも苦手なやつっているんだな。

「なんで苦手なんだ?」

ルークは頭を掻きながらボソッと言った。

「倒すべき相手に見えてしまうんです。ナギみたいに…。」

「あははははははははは!」

私は盛大に笑った。

「そんなに面白いですか?」

ギロリと睨みながら聞いてきたから答えた。

「お前さ。本当に野生動物っぽいよな。確かにあいつはやべぇよ。でも直接何かされたわけでもないだろ?それともあれか?何かされたんか?」

「同盟の時に護衛として着いていきました。その時に初めてまともに会いました。そしてピンと来たんです。それだけです。」

こいつの勘は当たる。野生動物みたいな勘だ。危険が迫るとわかるってやつだ。

「そっか。じゃあ気を付けないとな。また何かあれば私が話つけてやる。お前は遠くから眺めてろ。な!」

そう言ってルークの頭を撫でてやった。

「な!何するんですか!気持ち悪い!」

ものすごい勢いで手を払いのけられた。

「んだよ!珍しくしょぼくれてるから慰めてやったんだろうが!」

「だからって頭撫でるとかありえません!触らないでください!」

「あぁ?大人しく撫でられてろよ!兎みてぇに見えたんだよ!」

「う、兎⁈よくそんな発想ができますね!」

言い合って、頭を撫でるだの阻止するだのギャイギャイしてたらデカい咳払いが聞こえた。

2人で動きを止めて振り向くと困ったような顔をした国王がいた。

「あーーすまない。転移術はどうかなと思って見に来たのだ。まだのようだな。」

ルークは素早く姿勢を正して

「国王!申し訳ございません。お騒がせしました。」

と言った。

そんなにかしこまらなくても…。

「まだだ。全然来ねぇ。忘れてるとは思えないんだが…。」

私も国王に状況を伝える。

「そうか。まぁそのうち来るだろう。来たら教えてくれ。あの2人から直接報告を聞きたいんだ。それに…」

ん?なんだ?

「2人がこんなに仲がいいとは初めて知ったよ。騎士団長同士仲良くやってくれるのはありがたいな。ではな。」

そう言って国王は去っていった。

私とルークは固まった。

そしてルークはため息、私は叫んだ。

「仲良くねぇわボケ!!」


最後までお読みくださりありがとうございます。


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