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愛情の時差

作者: ことり。

私は幼い時父というより母にもっと私のことを見てほしいと思っていた。


私には兄妹がいる。その兄妹の1人に手が掛かり私は最後の最後だった。


母と兄妹が遊んでいるのを羨ましそうに影から見ていた。


一言寂しいとか悲しいとか言えば何か伝わっただろうか。


何か変わっただろうか。



幼い頃の私は確実に母の愛情をただ欲していた。




月日が経ち私も成長し、分かり合える友人と一緒にいるのが楽しくてしょうがない時期があった。



家族といるより安心したし、自分の全部をさらけ出せた。心地が良かった。


その頃の母は私にとても口うるさくなっていた。



「服装をもっとちゃんとして!」



「誰とどこに行くの?」



「早く帰ってきなさい!」



只々ウザいそう思っていた。たくさんの反発し、迷惑もかけた。



よくもまぁ私を手放そうとしなかったなと両親には心底尊敬する。


その時の私は親の愛情を上手く受け入れられなかった。




そしてその頃よりずーとずーと大人になったある日

私が体調を壊し入院する事があった。


母がその時たくさんの時間を付き添ってくれていた。



その時母が言った一言を今でもよく覚えている。



「やっとあなたとの時間を持てるようになれた。

これは神様からのプレゼントだと思う。」

ととても嬉しそうに話してくれた。



あぁ。母は今私と一対一で向き合うことができて時間を共有することができてやっと満たされたんだなーっとそう思った。



私とはと言うと、体調を壊して入院しているのもあり、不安の方が勝っていたため母には感謝をしていたが、何を呑気なことを、、。今?!って正直思ってしまった私がいた。



でも嬉しそうな母の姿を今でも思い出し心が温かくなるということは、私にも時差は生じてはいるけれど、その時の母の愛情をその時いっぱいいっぱいで受け取れなかった愛情をちゃんと自然に受け取っているんだと実感した。




こんな風に互いに苦しんだり、寂しかったり、色々な感情は生まれてしまい、愛情の時差ってやつはいつもいつもどこかで生まれているのだとそう思う。





   幸せ。。



              楽しい!!



     嬉しい!



                 


              悲しい



   辛い、、




            

            

                寂しい。。。




確かに幼いころは大変だったし、苦しい時もあった。



でも楽しいことも沢山あったのだ。



そして時を経て私は今こう思う。






私にただ幸せなことではなく、沢山の感情を与えてくれて本当にありがとう。






母がいつか言っていた、、、



これは神様からのプレゼントだと、、。



私もたった今ものすごい時差はあったけれど、、



10年以上の時を経て愛情と言うシャワーを浴びれているのだと日々そう感じている。









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