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義妹が婚約破棄された。その方が幸せになることを知っているので流したが、それ以上はさせないぜ!?(連載版)  作者: 蒼井星空


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第28話 復興の中でヴェルト教授と功績を押し付け合った件

そんな感じで日々が過ぎて行った。

どんな感じだよ!?


いや、遊んでるばっかりじゃないからな?

公爵家のことは父さんが戻って来たから任せた。


王城の方は、酷い被害だったが、無事に魔狼が討伐されたこともあってなんとか復旧が進んでいた。


まず大量のがれきだが、これは俺がサービスで引き取った。

魔法で異空間に収納しただけだから特に手間もかかってなくてせいぜい多少の魔力を消費した程度だが、とても感謝された。

人の手で片付けようとしたら途方に暮れるだろうから、素直に官舎を受け取っておいた。


その過程で大量の死体は収納せず、王城跡に並べて各々の親族による確認を行った。

中には泣き崩れるやつもいたが、必要な過程だろうと割り切った。


悲しみの再会というのは泣ける。

ずっと見守ったが、いてもたってもいられず、大規模な浄化の魔法を展開したらなぜか泣きながら感謝しながら帰って行く人が続出した。どうしてこうなった?


その後は王国軍の建築兵や魔法師団が新しい王城を建てた。

やるじゃん、優秀じゃん、と思った。わずか1週間で城が建つなんて。


その城において、父ハミルが暫定政権をたてたんだ。


案外かっこよかった。

これであとは次の王位はクラム、とか言わないように立ち回れれば完璧だ。


完璧なんだが、今言った通り問題があった。2つ。


1つは俺には王位継承権があること。

これは仕方ないんだけどな。

この国の公爵はいずれも王家と血のつながりを持っていて、普通は順位は低いけど王位継承権を持っている。

しかも、たいていは爵位を継承するときに放棄するせいで父ハミルは持っていない。


魔狼を倒すのに直接手を出してなくて助かった。

出していたらその功績があるクラム様が王位を! なんて風潮が作られていた可能性がある。

それを警戒して魔狼を倒したヴェルト教授を持ち上げまくって銅像を作ろうとしたわけだが、本人に断られたし。


本人と言えば、英雄になり持ち上げられすぎて怖くなったのか、『魔狼は一緒に倒したことにして欲しい。なんならクラム殿が倒したと……』なんて寝ぼけたことを言い出していたから優しくなでてやってから『怖がることはない。君の功績だ。むしろ誇ってほしい』と言ったら『なら結婚してくれ』とか言い出して焦った。


エフィの目の前で危険なことを言わないで欲しい。


当然断りつつ、裏に連れ込んだら濡れた目をしていたから体にわからせておいた。


「わかったな?」

「はい♡」


本当に分かっただろうか???

そんなに甘そうな吐息を漏らすんじゃない!

エフィに変な影響を与えたらぶん殴るからな!


まぁいい。本人が恥ずかしがっているから巨大な銅像はやめたが、王城の庭園にヴェルト教授像を作るくらいは問題ないだろう。バレることはない。

そう思って、父にねじ込んでおいた。


これで世間は俺のことは時間経過とともに忘れてくれるだろう。

忘れてくれるよな?

いや、忘れろ。


俺は何もしていない。ただ焦って王城ではなく学院に向かってしまった、ただのシスコンだ。

今はそれでいい。

もうちょっとの間、影に隠れ、エフィとの結婚を目指すんだ。


致してしまえば、もう怖いものはない。あとは自分たちの棲み処を守るために全力で戦うから、もう少し待ってくれ。

そして誰か、国王になってくれ。


そう、2つ目の問題は、ギード王子がやっぱり死んでいて、正式な王位継承者である王太子が不在になっていることだ。

ギード王子は自らが国王になるためにライバルを蹴落としてしまっていたから、王子が他にいないという残念な状況だった。

勘弁してくれ……。


「なんでそんなに嫌がるんだ? "人物史"を使ってこの国を救ったのはクラム殿なのは間違いない。素直に称賛を受け、そして即位したらいいじゃないか」

何もわかっていなかったらしい。


そんなことをして、エフィと結婚できなくなったら俺は王城なんか軽く破壊してやるがいいか?


「えっと……」

「2度とそんなことが言えないようにしてやる……」

「(お仕置きしてくれるの?♡)」

「(何を期待した目をしてるんだ、このド変態!)」

「あん♡」

あんじゃねぇんだよ!


お前の甥の視線が痛いだろうが!?

勘弁してくれ。

俺はこれから国王と血のつながりがあって、王位継承権を主張出来て、傀儡にできそうな素直で無知な男の子を探さないといけないんだ!!!



ん? 現実逃避するなって?

それが違うんだよ。現実逃避じゃないんだ。


なにせあの国王だ。

息子の婚約者にまで手を出すお猿さんだぜ?

いるに決まってるだろう。愛人の一人や二人や三人や百人くらい。

それならきっと子供だっているはずだ。


その子を探せばいい。

どうやって探すんだって?

簡単だ。


手当たり次第に"人物史"をかけて探すんだ。

過去に国王と交わって子供をなしたという記述があればビンゴ。その子供にはきっと国王の遺児、とか書いてあるだろう。


酷い王様だったから隠している奴が多そうだが、迫害のためではなく即位のためだ。金と力と俺の微笑みをまき散らして探してやるから待ってろよ!!!


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