表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義妹が婚約破棄された。その方が幸せになることを知っているので流したが、それ以上はさせないぜ!?(連載版)  作者: 蒼井星空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/46

第14話 エフィを害する脅威である悪霊を倒しに来たはずがしもべができた件①

……眠ったようだな。

楽しい時間が終わる。いや、終わってしまった。


可愛いエフィとの甘い時間。

いかんな。エフィは知らない。それなのにこんなことをしていては……。

シスコンを拗らせた痛い兄だと思われていたりとかしないよな。しないかな?


まぁしてもいいか。それでも全く問題はない。悪い虫を追い払えるならな。

 

問題はエフィに好きな相手でもできたときだが……それまでに全てを片付ける。

そう言えば研究室で可愛らしい男の子と視線を交わしていたな……くそっ、やめろクラム。

そんなことを確認するためだけに"人物史"を使うわけには……。


<"人物史"を使いますか?>


ないないないない。まじでやめろクラム。今から悪霊退治だぞ?

そんなに強くなさそうな相手だけど、戦うんだぞ?

なんで魔力の無駄遣いをしようとしてる。


今エフィの未来を覗いたって意味ないだろ?

仮に何かあったとしても、まだ書き換えてる途中だぞ? まだ変わるんだぞ?


今は最中なんだ。

まだ両親は戻ってきてないし、まだ王家のやつらのざまぁ前だしな。


使うならクソ王子とか、国王に使うべきだ。

悪霊を倒せたら、次の懸念は王城地下に封印されている災厄の魔物だ。それが終わるまで無駄遣いできないんだ。

なにせ一回使ったら……その直後に災厄の魔物が出てきたりしたら対処できない可能性が生まれてしまう。

そんなリスクは犯せないだろ?


俺はなんとか無意味な魔力消費を控えることに成功する。


そして仮眠を取った後の深夜、外出する事を執事に伝えて墓地公園に向かう。


 

その公園の隅っこにそいつはいた。

 

『やめろ、離してくれ、成仏できそうな気がするから、勘弁してくれ……』


いたけど、たった半日弱拘束しただけなのにもう弱っていた。

簡単に拘束できたことからあんまり脅威度は高くない……ぶっちゃけて言えば弱そうだと思ってゆっくりやって来たけど、実際あんまり強くなさそうだ。


これはあれか?

エフィが婚約破棄と家族からの誹謗中傷でへこんでいるタイミングで強襲されたから対処できずに殺されただけだったということだろうか?


実際、エフィは強い。

もちろん俺には到底及ばないが、今の学院の中ではトップクラスだし、そのまま魔法師団に放り込んでもエフィに勝てるやつはほぼいないだろう。

みんな気付いていないだけで。


そもそも女はお淑やかにしていた方が良い、なんていう父さんの言葉をどう解釈したらそうなるのかわからないけど、エフィは初級魔法しか周囲に見せないようにしていた。

 

それで中級どころか上位魔法まで使ってきたあのクソ王子やら魔法師団の見習いを圧倒したはずだ。それをあえて国王もいる状態でやったはず。

それなのになんで『魔法はイマイチ』なんていう嫉妬満載のあの女が流した噂を信じてしまうのか、全く理解ができない。


まぁ、どうでもいいけど。



『無視しないで、離して、もう安らかに眠らせて、自分で勝手にイクからさぁ~……』


いかんいかん。放置してしまった。

俺、こんな風に拘束魔法使った記憶ないんだけどな。


見た目だけは美女風な女が卑猥な格好で触手のようなものに囚われて蠢いている。

できれば触れたくない。もう帰りたい。


だがもしかしたらこいつは使えるかもしれない……。


『怪しい目をしてる、嫌だ、助けて、犯される~、悪霊に欲情する変なお兄さんにぃ~』

ちょっと待て、てめぇ、ふざけんな。俺はこの日のために拾得した光と聖の属性の合成魔法を発動させ……


『あぁ、光~。はぁっはぁっ……痛いけど救いかもしれない光ぃぃいいぃぃいいいいいい~~~~ってなんで止めるの、もうやだよ、じらさないでよ。はぁっ、はぁっ、イかせてよぉおおぉぉおおお~~~~~』


るのをやめる。

喘ぐな。

 

<"悪霊カーシャ"をテイムしますか?>


いや、おかしいだろこの選択肢は。倒してないし、テイム使ってないぞ?

なに? ツンデレなの? まぁするけど。


『マスターァアァァアアアァアアアアアア!!!!!』

「黙れ煩い」

『はい……』

なんだ普通にできるじゃん。


『だって、こんな悪霊を半日間放置プレイした後に犯しに来る変態さんかなと思ったから……♡』

へぇ……。なんでそんなことをちょっと嬉しそうにしなを作りながら語るのかはわからないことにしたい。

 

『痛い痛い痛い痛い痛い~~~~やめて~~~~その光怖いぃぃいいぃぃいいいいいい~~~~』

いかんな、こいつを見ているとなぜか光と聖属性の合成魔法を発動させてしまいそうになる。

まぁ、大人しく言うことを聞くならやめてやる。

 

『わかりました、やめます、ちゃんと聞きます、カーシャはできる子』

うむ。っていうか、心の声を聴いてる?

さっきから俺、特に喋ってないんだけどさ。

なんでそんなに的確に応対してるの?

いや、敬礼いらんから。あざとい表情するな!


『はい、マスターですから。もちろんマスターが聞かせたくないと思っていることは聞こえません。カーシャは完璧なあなたのためだけのしもべでございます』



変態悪霊カーシャさん? が仲間になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ