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異界の冒険者  作者: オイル
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01 プロローグ ~テンプレ召喚~

「ごちそうさま。」

「誠二、お前も明日には高3だ。進路のことちゃんと考えてるのか?」


 父、鳴海源三(げんぞう)は心配そうな顔をして尋ねてきた。


「心配せずともちゃんと考えてるよ。」


 ここ最近、源三はかなりの頻度で進路の話を振ってくる。


 ...母さんが死んだあの日から親父は変わった。以前は顔を合わせればいつも笑顔だったのに、今ではその笑顔も失われ、気力も感じられない。それでも、懸命に俺のことを考えてくれている。


 明日は始業式だ。早めに寝とこう...


 ◇


 けたたましいアラーム音が鳴り響いた。


「まずい、遅刻だ!」


(くそ、新学期初日に遅刻なんて絶対目立つ!)


 俺は家を飛び出し、学校まで全力疾走した。

 その甲斐あってか学校には遅刻三分前には着くことができた。

 クラスを確認して教室のドアを開ける。


 ドアを開けると教室にいた生徒の大半が視線を向けてきた。

 どうやらHRがすでに始まろうとしていたらしい。


「始業式くらいもっと余裕をもって登校してきたらどうだ鳴海?」


 2年の時にも世話になった担任の藍那先生が複雑そうな表情で俺に声を掛けてきた。

 3年もこの人が担任らしい。


「ははは、すみません。」


「早く席に着け、それじゃあHRを始め...」


 先生が言い終わる前、急に教室全体の床が光りだした。


「なにこれっ!?」

「うわっ!眩しっ!」


 周りはものすごく混乱している。

 かくいう俺も混乱している。


(これは...もしかしてっ!...)


 光が更に強くなり俺たちは気を失った。


 ◇


 目を覚ますと俺たちは大理石の床の上で倒れていた。


(なんだこれ...さっきまで教室にいたはずなのに目を覚ましたら奇妙なところ。こういった状況を俺は知っている。去年、幼馴染に勧められた小説のような展開だ。なんだっけか?異世界転移だっけか?...)


「目が覚められましたか?勇者様」


「うわっ!びっくりした!あんた誰!?」


 いきなり後ろから話しかけられ素っ頓狂な声を出してしまった。

 後ろには、きれいなお姫様みたいな恰好をした女の子と後ろに二人の兵士が控えていた。

 ほかのみんなも次々に起き始めてきた。


「どこだここ!?」

「教室にいたはずなのに...もしかして夢?」


  (みんな混乱してるなぁ。無理もないか。)


「皆様も目が覚めたようなので、説明させていただきます。私の名はリーナ・バラード、この国の第二王女です。現在この世界<ルーティア>は未曾有の危機に襲われています。このままでは世界の生命力が枯渇し、生物が生きられなくってしまいます。どうか、この世界を助けるため、皆様のお力をお貸しください」


 ...しばらくの間静寂が続いた。誰一人として言葉を発さない。その間にも王女様は頭を下げ続けていた。

 当然だと思う。こんな無茶苦茶なお願いをされて混乱しないでいるほうがおかしい。


 静寂を破ったのは我らが担任藍那先生だった。


「頭を上げてください。一つ...いや二つほど聞いてもよろしいでしょうか?」


「はい、私に答えられることならなんでも...」


「まず、未曾有の危機とはいったいどういった危機なのでしょうか?」


「あっ!すみません、説明不足でした。その危機とは各地の迷宮の減少が原因なのです。迷宮というのはルーティアのマナ...エネルギーのようなものを循環させるものでして、ルーティアに必要不可欠で人間にも大きな利を与えてくれるものです。」


「その迷宮が減少している理由はご存知なのですか?」


「それは...おそらく迷宮のコアの破壊が原因だと考えています。近頃魔王が復活し、魔族が頻繁に姿を現しているのでそのものらの仕業かと」


「なるほど...では二つ目、私たちは平和な国から来たため戦うことなんてできないと思います。」


「それに関してはご心配はいりません、あれを」


 王女様がそういうと、後ろに控えていた兵士二人が不思議な水晶玉をもって前に出てきた。


「そちらは?」


「これは鑑定の瞳と呼ばれるアイテムで、人に使うとステータスと呼ばれるその人の能力を見れたり、ものに使うとそのもののレア度やどういったことに使うか、などの情報を見ることができます。異界から召喚された人は世界を渡る際にいづれもランダムに強力なスキルを授かります。今からこのアイテムで皆様のステータスを閲覧させていただき、個人のスキルに合わせたトレーニングを行うので戦うことは可能になります」


「そうですか...ですがまだ戦うと決めたわけでは...」


「もちろん、今すぐに決めていただこうとは思ってはおりません。三日間ほど考える時間を設けます。決断はその後にお伝えしていただければと思っています。しかし、何はともあれご自身の能力は知っといたほうがいいでしょう。早速、皆様を鑑定させていただこうと思います。」


「分かりました。みんな二列に別れて」


 二列になり順番に鑑定されていった。


(やっぱり藍那先生は頼りになる、つっても俺...というかみんなが一番聞きたい情報を聞き忘れてるな)

 それはずばり”元の世界に帰れるのか”だ。

 藍那先生はちょっと抜けているところがある。そこも魅力なのだが。

 後で俺のほうから聞いておこう。


(それにしても、ステータスか...ゲームにしか出てこないよなものがあるんだな)

 ファンタジーな要素に触れ、本当に異世界に来てしまったということを強く突き付けられた感じがした。


 順番に鑑定されて行ってると


「なんと!?剣聖スキルだと!?前に保持していたのは1000年前の勇者アレルだったか。」


 どうやらとんでもないスキルが出たらしい。

 誰だろう。

 後ろから覗くと幼馴染の天城輝だった。

 輝とは小学校からの付き合いで小中高と全部同じだった。今でもたまに一緒に遊ぶほどだ。


(剣聖か...すごそうだな。いったい俺はどんなスキルなのだろうか...)


 僅かばかり期待に胸を膨らませていると、とうとう俺の番が来た。

 さっそく水晶の上にスクリーンが浮かび上がった。

 そこには俺のステータスが映されていた。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 名前 鳴海 誠二

 種族 ヒューマン

 職業 見習い勇者Lv1   

 レベル 1

 HP 100 / 100

 MP 100 / 100

 筋力 10

 耐久 10

 知力 10

 速度 10

 神秘力 10


 スキル: ■■■の器Lv-- 鑑定Lv1 逆境Lv1  勇者Lv1 


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 ■■■の器Lv--

 ■■■へと至ることができる可能性があるもののみに現れるスキル。

 今はロックが掛かっており、何の効果も持たない。

 ロックは壁を乗り越えたときに解除される。

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 鑑定Lv1

 人やものの簡易的な情報を見れる。

 Lvが上がるごとに見れる情報は詳細になっていく。

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 逆境Lv1

 自分に不利な状況の時全ステータスが10%上昇。

 Lvが上がるほど上昇率が伸びる。

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 勇者Lv1

 異界から召喚されたものに与えられるスキル。

 Lvが上がるごとに勇気が上がる。

 また、アイテムボックスと異世界言語理解、経験値3倍のスキルを内蔵している。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「おぉ~ステータスは勇者様基準で一般的でスキルはこれといって突出したものはありませんが、鑑定、逆境、勇者、3つもスキルを持っている勇者様は初めてですね」


(ん?もしかして■■■の器っていうスキルは見えてないのか?まぁ、やばそうなスキルだし見られないに越したことはないか)


 それからちょっとして全員の鑑定が終わった。


「王女様、ちょっとお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 あの件を聞いてみよう。


「はい、なんでしょう?」


「俺たちは元の世界に帰れるのでしょうか?」


 俺の質問にみんながハッっとした顔をした。


「そういえばそうじゃん!俺ら帰れんの!?」

「家族にはもう会えないの!?」


 騒々しくなってきた。


「皆様、落ち着いて聞いてください。まず、皆様の元居た世界に帰る方法はいまだ見つかっておりません」


 まじか


「そんな!?」


 このことに怒ったり、泣いたりでさらに騒々しくなった。


「本当にごめんなさい、この中には戦いたくない人もいるかと思います。そのような人は責任をもって城のほうで保護させていただきます。世界を救うためとはいえこんなことをしてしまった私が言えたことではないのですが、どうか私たちに力を貸してくれる人がいることを願っております。」


 そう言い残し王女様は兵を引き連れ部屋を出て行き、しばらくした後にメイドさんたちが部屋に入ってきた。


「お部屋にご案内します。」


 どうやら部屋に案内してくれるようだ。


 ◇


 部屋に着いた俺はすぐさまベッドに横になった。


(あ~疲れた。いろいろありすぎて今も正直混乱してるし早く休みたい。それにしてももう帰れないのか)


 脳裏に父の顔がよぎった。


(あっちの世界では、俺たちはどういう扱いになってるんだろうか...。存在がなかったことになってるのなら心配はないんだけど、それはちょっと悲しい。行方不明とかだったら、かなり心配...どころじゃないか。どちらにせよ、俺はあっちの世界に帰らないといけない理由がある。こうなったら自力で帰る方法を見つけてやる。)


そう決意を固めていると


コンコンッ


「誠二、いるか?」


どうやら来客のようだ。 
























 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

今まで文を書いてこなかった高校生が執筆しているため誤字脱字、表現違いなど様々な問題点はあると思いますが暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。


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