第41話 神器『天尊魔王印』
何でだろうこのシーンが1番書くの楽しかった。
とうとうやってしまった、漢字にカタカナにルビ。小説を書き出して自分の厨二魂が順調に育っています。
○富士川 決戦場 対維盛
日立は懐に手を入れると一掴み…大量の折り鶴を取り出す。そして、それを一斉に義経の周辺に投げつける。すると、それらは一個一個が烏に姿を変える。維盛は何事かと、ぱっと遠くに瞬間移動してその烏から逃げる。烏は義経の周辺を飛んでいた、てんとう虫を全て、ついばんだ。
「どういう能力だ? ありゃあ? 」
実際、てんとう虫はいくらでも増やせるから、一時しのぎであることは維盛も解っている。その時、維盛は殺気を感じてその場を飛びのく。山吹が苦無を両手に持ち、維盛に襲い掛かっていた。
「平維盛。主様の仇! 」
山吹は、維盛に次々と攻撃を仕掛ける。軽くいなせると思ったらかなり一撃が重い。
「まじかよ。この女……! 」
維盛はたまらずに瞬間移動を使う。しかし、近くに配置していた、てんとう虫は先の烏にほぼやられていたので、義経らとかなり距離を取った場所に出てきてしまう。維盛は、ちっと舌打ちをする。
ーー俺、未だ死んでねーし
と、山吹の声を聴いて慶次郎は思う。まだ、開く可能性はあるが、もうほとんど傷はふさがっているはずだ。と、山吹は言って、慶次郎の心臓から苦無を引き抜いて彼女は行ってしまった。実際、もう血は完全に止まっている。凄い回復力だ。
「拾い物だったな。神器も優秀だし、すさまじい使い手だ。お前の新妻。あの教経とも戦えるのではないか? 」
妻じゃねーから……と、言おうとしたが、先の傷の痛みが蘇り慶次郎は自重する。
「すまん。時間が無い。後で説明するから、今は何も考えずに、されるがままでいてくれ。弁慶」
ーーえ?
神器『天尊魔王印』
義経がそう言う。聞いた事が無い。義経が隠していた神器か? 慶次郎はさっきまでこちらをみていた日立が目を反らしているのに気が付く。
いったい何を……? どんな神器だ?
慶次郎が目を開けると、義経が、ちょうど膝枕をするような恰好で慶次郎を抱き起した。この時慶次郎は初めて義経の顔を見る。
ーー化粧……?
明らかに、今までの義経と違う…。アイシャドウと口紅が赤く伸び、肌も心なしか白く塗られている。そして、特徴的なのは額に小さなひし形のやはり赤い宝石のような個体がついている。後で慶次郎は、これが神器の文字の中にある「印」であると聞いた。日立の神器と同じく、この印を含めた化粧自体が顕現体であるという……。
しかし、この時の慶次郎はケガしている事もあって、そこまで頭が回らない。ただ、化粧がのった義経の妖艶な魅力の顔にぼーっと見とれていた。
「気持ちは察するが、何も考えるな。感じるな。下手に抵抗すると傷口が開く。いや、舌を噛むか…? 」
ーーん?
義経がそう言った。直後だった。義経のその美しい顔が近づいてくる。義経は目を閉じたような気がした。そして、自分の唇に柔らかい感触が重なるのを感じた……。
慶次郎はキスをされたのだと感じるのに数秒かかった。日立のため息のような呆れ声が聞こえ、さらに遠くから「あ゛ー!! 」っと音にならない悲鳴を上げる山吹の声が聞こえた。
そして、義経の唇がゆっくりと離れ義経は再び立ち上がり、遠くにいる維盛を睨む。
「弁慶……。忘れてくれ。私も忘れる。」
化粧の上からでも義経の顔が赤くなってるのが解る。そして、『鞍馬』の方を使い維盛の方に向かい飛び立った。
「ちょ……い、今……何が!! 」
慶次郎は傷口の痛みに必死に耐えて、日立に言った。
「大丈夫。この戦いが終わったら、記憶を消す薬を作ってあげるから……」
「いや、怖いよ。姉さん! 今の何? キスされたんだけど、俺!! 」
「義経様のもう一つの神器、『天尊魔王印』よ。発動には神器使いに接吻する必要があるの! 」
イライラしながら言った日立にこれ以上情報を聞く事は不可能だろうと慶次郎は諦める。
飛び立った、義経は維盛の元へやってくる。
「義経様、今のは何なのですか? 何故、私の主様に!? 」
「すまんな、山吹殿。新婚の男にするのは、無礼であると分っている。この神器の式なのだ。他意は無い。維盛を倒したら、きちんと謝罪する。」
山吹は言われて意味が分からず「はあ…」と呟く。
「聞き捨てならねえな。何の神器を引っ張り出してきたか知らねえが、化粧をしたぐらいで俺を倒せるつもりか? 牛若! 」
「待たせたな。維盛。だが、これで終わりだ。お前をここで殺す。」
「は、化粧した顔で言っても凄みに欠けるぜ、女男。」
「私も光源氏に言われたくはない。」
維盛は、この言葉にぴくッと反応する。
「ああ、そうかい。そんなに俺を挑発したいなら…乗ってやるよ!! 」
維盛の周囲に無数のてんとう虫が現れ、それらは一斉に義経の周りに配備される。維盛は瞬間移動し、義経の後方の死角に現れ刀で切りつける。しかし……。
義経は維盛の方を見る事も無く、たやすく刀を止めた。明らかに今までと反応スピードが違う。そう感じた維盛は、今度は連続で何度も瞬間移動を繰り返し、義経を切り付けた。しかし、義経はその全ての刃をさっきまでより落ち着いて受け止めた。そして、維盛が再び瞬間移動で死角に現れた時、義経はすでにその場所に向かって蹴りを打っていた。維盛は顔面に義経の蹴りを受け吹き飛び、地面へと落下する。
「ち。何をしやがった? 義経」
維盛は素早く受け身を取って立ち上がりながら言った。
顕現…神器『数珠丸』…
義経の腰に小さな鈴が結びつけられてて、それがリーンと音を鳴らす。
「え? あれ、俺の神器? 」
キスをされたショックで未だ茫然としていた慶次郎は、自らの神器の名前を聞いてようやく我に返った。
「そうよ。接吻した相手の神器を四分の一刻(約30分)借りることができる能力。それが、義経様の二つ目の神器よ。あ、ちなみに、貸し出してる間はアンタ、あの能力使えないから気を付けて」
維盛はその神器を見て考える。
「その鈴……確か、弁慶が使っていた索敵神器だな。なるほど、そういう能力か……。」
「あやつ、武人ではない故、数珠丸が、このように白兵戦で使えるとは思いもしなかったろうな。これなら、周囲にいる、虫の配置を全て把握できる。いくら虫の数を増やそうが、お前は死角で一番効率よく攻撃できる所に現れる。動きを先読みする事は容易い。」
「なるほど。少し面白くなってきやがったな……。」
「その余裕ももうこれまでだ。維盛。次は、『鞍馬』を当てて全身を粉々にしてくれよう」
義経は、上空から維盛を見下ろしながら言った。
かなりノリで考えた、この神器の式…どうしよう…他の男とも…うーん…
読んで頂いてありがとうございます。宜しかったら何か残していって頂けると嬉しいです。




