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第1話 異世界なのかタイムスリップなのかハッキリして欲しい。

〇京都…春の日の夜


「貴方の神器…頂戴します。」


 慶次郎はそう言うと、その人の胸に自分の掌を押し当てた。ぐっと一言唸ると、その人は声も無く昏倒した。その男の胸から拳大の小さな…わずかに光る珠が出てくる。彼は、その珠を拾い上げると、すぐにその場を離れた。


 古都京都…。月は満月…。季節は春。慶次郎は桜の舞い散るその道を一人歩いていた。

 2年前…この京都のような異世界にやってくるまで、彼は2010年代の日本で普通の高校1年生をやっていた。はずだった。名前は前田慶次郎まえだけいじろう…名前について多くのツッコミがあるだろうが、それはまたいずれ。ある日突然、雷に打たれ、この異世界にやって来たのだ。「京都じゃねーの?」ってツッコミもごもっとも。見た目は京都…といっても、圧倒的に木造の建物だらけ、道もアスファルトなんてあったものではない。ただの土だ。そう。ここは過去の京都…。それも1000年近く前。平安末期といった所だ。今京都を牛耳っているのが「平清盛たいらのきよもり」なる人らしいから間違いはないだろうと彼は思う。そんな京都に彼は一人やってきてしまった。それなら、タイムスリップではないのか?という疑問は当然わく。そう。ここは元の世界の人間が考える歴史上の京都ではない…。


 慶次郎は二人目の獲物を見つけた。酒でも飲んでいるのか、フラフラとあるいている一人のさむらい。この京都でこんな格好しているのは間違いなく平家の人間んだ。

 さっきの男の体から取り出した球体…。それが神器だ。神器…それがこの世界には存在している。この神器…、この世界の人間は一定の確率で持って生まれてくる。待っている人間はその才能に応じた異能を使うことが出来る…。慶次郎もなぜか、この世界に来た時から持っていた。異能バトル前提…しかも時代劇テイストの異世界というわけだ。設定盛り過ぎで最初の頃若干ついていけなかった。そう、最初の頃は。


「貴方の神器…頂戴します」


 彼は、その言葉を言って神器を奪う事が癖になっている。神器を奪われた人間はその異能を失う。そして、奪った神器は自分の神器に吸収すれば、自分の神器を強化する事ができる。そして、人に神器を売買する事を生業にする者も存在し、神器は高値で売れる。まさにRPGの経験値と金を稼ぐシステムだ。それを知れば後はさほど難しい話ではない。ひたすら雑魚を狩っていけば、自らを強化していく事は可能だ。


 慶次郎は2人目の侍の胸に掌を押し当てる。やはり男は意識を失い、胸から異能の元となる球体が飛び出す。これがその人の神器の力の源となる「根珠」だ。彼は根珠を拾い上げる。これを融合したり売買したりする。今日は二つ目…かなり調子がいいいな。毎日狩りにこられる訳でも無いし、日によっては獲物に出会えない日もある。流れが良い日ってのは、存在する。今日はもう少し狩っておくか…。彼は静かに懐に根珠をしまった


京都ー市街地ー


 鴨川沿いの道を歩いていた俺は立ち止まると柳の木の根に腰掛けた。ここで獲物が通るのを待つ。


 川岸には桜が粉雪のように舞い、柔らかな月の光に照らされ静かに白く降り積もっていた。


 笛の音が聞こえた…


 静かな夜に更ける物思いを切り裂くそ音色に彼は目を見開き、そして立ち上がる。聞いたことがないメロディだ。音の主は直ぐにその姿を現した。


 それは、小さな横笛を口に当てゆっくりと歩いてくる。真っ白な装束に身を固めた…一瞬、白拍子か?と思ったが男物の装束で身を固め帯刀している。白いショールのような薄布で上半身を隠し…、横笛を吹いてゆっくりと歩いてくる。そして、慶次郎は理解する。神器を…持っている。ある程度神器に使い慣れてくると相手が神器を持ってるかどうか…肌で感じ取れる。それも強い神器を持っていればより強く…。相当の使い手だ。どうやら、かなりの大物だな。注意してかからないと…。と、慶次郎は深呼吸をする。


 よし、今日は大漁だ。一気にいくか…。



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