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第15話 神器『水鏡』

なんか、この人達書くの久々でかなり色々設定を忘れてる…

〇 京都 東山 古寺


「弁慶!格好いいだろう?私の家来になるにあたり考えてやった新しい名前だ。気に入ったか?」


「言いたい事はたくさんある。だが、離れろ!とりあえず離れろ!」


「だって、お前、離したら能力を使って逃げるだろ?」


 と、傍から見たらじゃれ合ってるようにしか見えない慶次郎と義経を振り返り鬼三太はため息をつく。そして、教経の方を向き直った。


「なんか、すまん…」


「いや…」


 鬼三太が教経に謝る。鬼三太はやむおえず、自分の薙刀『大比叡』を消す。それを見て教経も「ますらお」を消した。


「我ら、源義朝が九男、九郎義経とその家臣。そちらには幼名、牛若丸と言った方が通るだろうか?」


「心配ご無用。義経殿が元服された事は、こちらでも把握している。平清盛が義弟、平教盛が次男。教経だ。」


 一瞬、家来4人に動揺の色が走る。ちなみに、義経は慶次郎に抱き着き、それを慶次郎が引き離そうとじゃれあっている。教経には、男同士でじゃれあってるようにしか見えないだろう。


「おお、かの武勇名高き…。」


「まったく、どうなってるのよ。今日の強敵との遭遇率の高さは」


 日立がため息をついた。


「早速で悪いが教経殿よ…。見逃してくれんか?」


 まるで、残業を部下に頼む上司のように、ニヤケ顔で鬼三太は教経に言った。


「ふむ。俺も今回は維盛君の面子の為、手出し無用と思ってはいた。しかし、不意の遭遇とあっては、そうもいかん」


 教経は今度は「すべらぎ」を顕現する。


「そうだなあ…勝手に出て行って勝手に戻ってきて見逃してくれとは虫が良すぎる。」


 鬼三太は『大比叡』を顕現する。くしくも、薙刀を構えた2人が向かい合う形になる。


「良いでは無いか。弁慶の何が不満なのだ?」


「名前が不満なんじゃねえ!お前を守って死ぬなんて、死んでもゴメンなんだよ!」


「失敬な奴だなー。私は部下をそんな簡単に…」


「やかましい!!黙れガキども!!!!」


 じゃれあってる、2人の男女に鬼三太がどなる。慶次郎と義経は手を止めた。


「おい、鬼三太。私はお前の主君だぞ?ガキとは何だガキとは。」


「誰の為に、やってると思っとるのですか?せめて会話くらい聞いといて!?スマン。待たせたな教経殿。源義経が一の家臣、不肖この鬼三太がお相手しよう。」


「一騎打ちに異存はない。が、5人全員で来てくれても、俺は一向にかまわんぞ?」


「ほう。年長者に気を使えるとは、どこぞの馬の骨とは違う…。平家の者にしてはなかなか!」


 と、いうと、鬼三太は教経に切りかかった。どこぞの馬の骨とは自分の事だろうか?と慶次郎は思う。

 「大比叡」と「すべらぎ」がぶつかる。神器の力を消し去る能力、大比叡。当たった瞬間、すべらぎは霧散して消滅する。


「おお、消えた…」


 本来、顕現した獲物で直接攻撃するタイプの水鏡のような神器と大比叡は相性がいい。鬼三太は、そのまま大比叡で教経を切り付ける。が…。

 教経は素手で、大比叡の柄の部分を掴んで、その斬撃を止める。常人…いや、屈強の神器使いでも手の骨が砕けるほどの衝撃。さすがの鬼三太も驚く。痛みに耐えたの教経は、にっと鬼三太に笑顔を向ける。


「一の家臣とは、流石の能力。おおかた、白兵戦に自信ありといったところか、しかし!」


 教経は、薙刀を手で引き寄せ、鬼三太の顔を殴りつけた。数メートルは吹っ飛んだ。


「悪いな。俺もそうだ。」


 教経は拳を鬼三太に向けたまま言い放つ。その様子を見て、忠信と継信が動く。


「神器『高雄』!!」


 忠信の神器から、炎が飛び出す。継信も弓を引き絞りそして放つと無数の矢が現れ教経に襲い掛かった。


 神器『水鏡』すべらぎ…

 教経はつぶやくと、改めて薙刀を顕現させる。一閃、周囲を衝撃波が吹き飛ばす。炎も矢も一瞬で消え去った。忠信はその衝撃波だけで「きゃっ」と声を上げ飛ばされた。教経は、それに耐えた継信に即座に切りかかる。継信は斬撃を受け止めたが、如何せん獲物は弓。さすがに接近戦では抗うすべはなく、その衝撃を止めきれず、大きく後ろに飛ばされた。


「なんだ?あの化け物は…」


 いつしか戦いに見入ってた義経が、慶次郎に抱き着いたまま呟いた。


「おい、日立!お前も何かせんか!」


 地面から状態をなんとか起こした鬼三太が言う。


「私は無理よ。神器が戦闘向きじゃないもの。っていうか、一騎打ちはどうしたのよ?」


「弁慶。奴の神器を解説しろ。」


 義経が慶次郎の肩を叩いた。


「なんで、俺が?」


「いいから!このままでは全滅だぞ?」


「それ、お前が言うの?いや…まあ、でも、解説が必要な程、複雑な神器じゃない。俺が知る限りだが、顕現させた刀もしくは薙刀に力を込めて切り付けるだけの能力だ。その際、生じる衝撃波で中距離の範囲攻撃も可能。」


「確かに、えらく単純だな。」


「そう、ただ強いだけなんだ。だからこそ、正攻法じゃ対処のしようがない。」


 慶次郎は、唇を噛んだ。


「詳しいな。知り合いなのか?」


「公では無いが、家来だったからな…」


「き、貴様…私が初めてではなかったのか? 」


「言い方ぁ! 」


「まあ、安心しろ。昔の男の事などすぐに忘れさせてやる」


 義経は慶次郎のアゴを撫でながら、色っぽく言った。


「色々おかしい!まず、俺お前の部下、違う!」


「つれない奴だなあ。知らぬ仲ではあるまい」


「だから、言い方ぁ! っていうか、知り合ったのついさっき!? 」


 様子を見ていた教経は笑いだした。


「なんだ、我々のやりとりが教経にうけているぞ? 」


「いや、違うから」


「なるほど、良い主君を見つけたのだな。慶次郎」


「違うって言ってるだろ!?」


「どうだ、平教経よ。痛み分けという事で、ここはお互いに引かぬか?こちらは、この慶次郎だけもらえたら文句はない。」


 ………。義経が言った言葉に教経も家臣たちも固まる。


「いや、ボコボコだったぞ? 痛み分けの要素どこにあった? それに、明らかにお前の要求しか通してないー! 」


「それでも良いのだがな、義経」


 教経は、少し笑って言う。え? いいの? と慶次郎。教経は、そう言うと左手に「すべらぎ」をもったまま、右手に刀「ますらお」を顕現させた。一度に使う事もできるのか。


「戦うしかあるまい。お前が源氏で俺が平家である以上。」


 鬼三太と忠信が義経の前に立ちふさがる。


「鬼三太、なりふり構ってられん。全員でいくぞ。弁慶。お前も手伝え。」


 鬼三太が「おう」と答える


「なんで?俺もなんだ? 」


「お前の能力で何とか私を奴の間合いの内側まで運べ。私の能力で足止めすれば何とかなるかも…しれん」


「いや…でもあれは」


 慶次郎は、教経を見て固まる。教経の左手に握られた「すべらぎ」が形を変え、大きな弓になった。


「あれは、なんだ? 弁慶!? なんかすごい力だぞ?」


「知らないよ。あんな能力。わかるのは俺が見たことあるのだけだって言ったろ」


「鬼三太、比叡で止めれるか? 」


「いや、多分、消せる容量を越えそう…」


「何? 容量なんてあったのか?その神器!? 」


「前、言ったでしょうが。まあ、一応やっては見ますが…」


 教経はその弓矢を大きく引き絞った。膨大なエネルギーが矢に集まっているのが慶次郎の目にも解る。


「お前たちの強さも、何か奥の手を持ってる事も良く解る…。故に一発で決めさせてもらう!」

天羽羽弓


 神器『水鏡』…天羽羽弓あまのはばゆみ



膨大な大きさの光が義経一行に放たれた…


なぜ、とどめにエネルギー波を選んでしまったのか!?教経氏最大の!?

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