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義経異聞伝~ZINGI~  異世界行ったら弁慶でした  作者: 柴崎 猫
源平合戦 木曾の太陽編
145/186

第50話 目覚め

ようやくヒロイン? が覚醒します。

○義経の精神世界


ーーあなたはあなたの人生生きれば良いの。例え源氏の為に身を捧げるとしても……、それがあなたが何かを我慢する理由にはならないわ……


 球体に触れると、母親との記憶が義経の脳裏に一気に溢れ出した。何だ? これは…… なぜ、今母親の声ばかりこんなに思い出す? この球体は……?


ーーあなたの才能はきっとあなた自身を狂わせる。そして、あなたもそのうち誰かを好きになる。その時は辛い思いをするかもしれない。だからその時きっと……


 確か、病気を拗らせて、もう先が長くないと聞き……最後に会った時の話、あの時は意味がわからなかった。しかし…


ーーそうか、この球体は母が私を活かす為に作ったと言う神器『伊邪那美いざなみ


 母が、私のために? 私は理想実現の為の道具では無かったのか? この神器からはそんな辛い圧力は感じない。むしろ……。

 しかしなぜ、今になってこれが……そもそも何故この空間でこんなに自我を保てているのだろう?

 ……その答えは考えるまでも無かった。弁慶ーー。アイツだ。義経は彼の顔を思い出して、ふふふと笑う。きっと何か自分の為にしてくれているのだ。家来になるのも戦に出るのもをあれだけ嫌がっていたのに、いつも自分の為に全力で動いてくれる。きっとここ数日、他の家来達や義仲の娘とコソコソしていたのもきっと自分の為だ。

 母上、ありがとう。そして弁慶。


ーー私は、今、お前に会いたい!


 義経は目の前にある球体を握りしめて、力強く祈った。


ーーいつも、自分の気持ちに正直にいなさい。その時はきっと、私が力になるから……。


○粟津合戦場


 依然目覚めない義経を樹上で押さえつけながら、迫り来る大正坊を慶次郎は見ていた。


「畜生! 」


 三盛すぐに飛びかかったが、すぐに弾き飛ばされる。


「さっきの動きと別ものだね。あのついの拳とやらを打った疲労が相当だったんだな。」


「弁慶、気をつけろ。こいつ再生してからの方が力が上がってる」


「んな、気をつけろって言われても…。」


 慶次郎は義経を抱えたまま身構えた。


「手間をかけさせてくれたが、これまでのようだね。」


 慶次郎の真前に大正坊がやってきた。巴はまだ動けないようだ。


「君も動くなよ義仲。僕が何をするかわからないから」


 義仲はチッと舌打ちする。慶次郎もいよいよ覚悟を決めた。


ーーちくしょう。ダメなのか、未だなのか、義経。頼む。目覚めろ……!


 大正坊は慶次郎を吹き飛ばそうとその拳を突き出した。その威力は強大で、衝突と同時に樹上の枝の上に埃がまった。


ーーダメだ。直撃してるーー


 義仲も三盛も諦めた。が……。


「すまんな。弁慶。厄介をかけた。」


 目を瞑っていた慶次郎は静かに目を開けた。

 義経が起き上がっている。そして片手で大正坊の一撃を防いでいた。怪物の手は、彼女に触れていない。おそらく『鞍馬』の力を反転させて、斥力せきりょくで止めているのだろう。体から離れた位置への物体操作。今まで操作や暴走無しには出来なかった芸当だ。


「ばかな! 特異霊装の出力を制御しているのか? 」


 大正坊が驚嘆する。

 慶次郎彼女の目を見つめる。もう操作されていた時の虚な目をしていない。いつもの彼女に戻っている。


「全くだ。義仲が言った通り……手のかかる女だよ」


 慶次郎と義経は、見つめ合い、そして笑いあった。

この話の舞台は異世界で史実とは関係ありません。

って、鎌倉殿〜が放送中は書いておこう


こっから、義経無双…になるのかな。いろんな意味で。

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