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イロハニホヘト

兎が飛び跳ねる。


兎が行きかう度、人の首が空を飛ぶ。


天を飛ぶ。


町が飛ぶ。


雲を突き抜け星になる。


海に浮かんだ光の泡だとお前は言ってたね。


優しい女が眠る町。


つまりあれだ。


人の命は儚い。


「キラーラビット、なんて命名は安直すぎるか。『開け、天の静謐』」


天から無数の光のつぶてが降り注ぐ。



〈―― 宝物複製・光槍鱗刃アラドヴァル ――〉



現地人を襲う魔獣の数々が光のつぶてに撃ち抜かれ、砕かれ、飛び散る。


人を襲い死肉を喰らう兎からその兎を食う猪から、さらにはそれらを喰らう植物連鎖の頂点に座す熊に至るまでが数分と待たず絶命した。


「人を避けた分何匹か取り逃がしたが、まぁ十分だろう」


俺は独り言ちる。


出来れば取引とかして現地人と友好的な始まりを、なんて望んだのだが、この有様では生きている人間などいないだろう。


城があるのでそれなりに発展していただろうことは疑う由もないのだが、どうもこの地の人間は脆弱に過ぎるらしい。


俺は城の中を歩く。


変わった城だ。


多分ここは日本だな。この外観、アニメで見た事がある。


死体の顔は平たいし、アジア系・黄色人イエローモンキー


「時代にして千年前、くらいか?」


科学のかの字も無いような風景。恐らく電気すらないかもしれん。


だとすると俺はこの世で無双だな。


あ、まだ魔法があるかどうかはわからないから無双ではないな。


魔法使い兼僧侶の魔法は言うに及ばず、勇者みたいに雷操ったり戦士兼武闘家みたいに衝撃波飛ばしたりするやつがいたら逃げるしかない。あいつらマジやばいから。戦うことになったら死亡確定だもの。


とはいえ。


文明レベルは超低そう。この分なら文化無双には期待が持てるんじゃないかな。


欲しいなら、何もかもその手に出来るよイロハニホヘト。


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