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裏切られて勇者パーティを追放された俺が悪役令嬢婚約破棄な話  作者: にーりあ


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人が愛と呼ぶもの

何かをやらせてちゃんとできた時。


「よくやった」と、褒めるのもいい。


しかし「ありがとう」「助かった」と言ったほうが、サプライズ感がある。


俺は遊び人だ。サプライズは大事だ。遊び人がサプライズをせずして何がサプライズか。何が遊び人か。


それは村人に色々な作業を教え、させていく中で、俺自身が飽きないための工夫だ。


馬鹿を相手にすると疲れる。


馬鹿を相手にするとしんどくなる。


馬鹿を相手にするとモチベーションが下がる。


でもだからと言って避けることはできない。


全てを投げればさぞ軽快だろうが、それをしてしまっては俺の目標を叶える事が出来なくなる。


俺の創造魔法は万能だが、俺の能力は万能じゃない。


SPを切らせば詰む。SPが0になればナイフすら作り出せない。


いつ起こるかわからないアクシデントに対応する余力は、常に残しておかなければならないのだ。


俺の創造魔法は万能な宇宙戦艦すら作り出せるが、それを作るにはSP999では足りない。


けれどもそれを構成する素材や材料は、工夫で何とか作ることはできる。


地元民を使っての土堀作業は必須。惑星に埋まるレアメタルを掘り出してSPの負担を軽減することは絶対に必要。


故に現地民の能力向上も必須。


だから我慢して、やる。


全て自分の為だ。


でもね。


下人共は馬鹿だからたくさんの間違いを犯す。脳がポンコツだから。


イライラするよね。この猿がっ! て、叫びたくなる。


それでも。


俺は怒りに任せて低能どもを断罪するような真似はしないんだ。


そりゃさ、間違いを指摘するのは容易いよ。ちがうだろー、ちがうだろー! このはげーッ!って、某女性議員のように煽り散らせば、さぞ溜飲は下がるだろうよ。


だけれども。


それをぐっとこらえた上で、別のやり方を提案する。


そうしたほうが軋轢なく、効率よく作業を進められる。


高文明人たる俺は、それを知っている。


叱れば一時的には効果があるだろう。簡単だ。一見コスパがよさそう。


でもその方法は、相手の自由を制限してしまうという危険も持っている。


上から押さえつけると、相手の、提案する勇気、を、奪う可能性が高い。


その結果、その人間の、提案する、という原動力は消失してしまうだろう。


それらが重なり合えば、文化の発展は遅れる。停滞する。


人ならば、人のミスとは、行動に問題があるから起きるものだが、しかしその背後には必ず、善意がある。


言われた通りにやろうとか。うまくやろうとか。より上手にやろうとか。より効率的にやろうとか。


成長にはそういうのが大事だ。そういうのは、てこの原理を構成する一つのパーツに等しい。心のてこの原理には必須な要素だ。


そういうのがあるから、自分でやった方が早くても、我慢して作業を依頼する。


問題を解決させることで成長を促したほうが、長い目で見れば利益が大きくなると知っているから。


だからまだ無理だろうと思いはしても、やらせてみる。


「次はうまくできるよ」と声をかけて。


甘やかさない程度に、気を使って、面倒だが労力をかける。自分でやる数倍の労力を使って、注意深く見守る。


人は甘やかすと期待する。


期待は依存心を生む。


依存は勇気を奪う。自らの判断で、自らの意思で、何かに挑むには、勇気がいる。


未知に踏み出すのは怖いことだ。生物ならそれは仕方がない。当たり前の生存戦略。


勇気なくして未踏の地に足を踏み出すことはできない。誰かの見ている場所に進路を取りたくなるのは弱いからではない。いや、弱さすらも、生物の生存戦略である。


だが、人の時間には限りがある。


荒療治でも、冒険をさせて、成長を加速させなければ。これは俺の都合だ。


依存させてはいけない。


手助けするのではなく、独り立ちさせる。


俺は時に感謝の意を述べて、時にそっと背中を推す。


感謝されれば、自ら貢献しようと思うのが人だ。


信用ではなく、信頼をもってそれを成す。


担保はいらない。リアルでなくていい。証明は必要ない。ファンタジーでいいのだ。君たちはできると、俺は俺の為に妄信する。


俺は君たちにできうる限り共感する努力をする。


馬鹿の気持ちはわからないが、わかろうと努力することは可能だ。正解には至らなくても、ある程度なら察する事もまた可能だ。


これが大事。貴方と友好的な関係になりたいですというアピールは、意外と相手に伝わる物。


相手の心で感じる。あたかも相手の目で見て、相手の耳で聞いたかのような錯覚。


その『想像魔法』こそが、人が『愛』と、呼ぶものなのかもしれない。

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