酪農について考える
――木の葉のリングねぇ。
確かに少年の左手の小指にはそれっぽいリングが嵌っている。
抜き取ろうとしても接着剤でくっついているかのように外れなかったので『ぬすむ』で奪い取る。
このノートの記述によると、転生者を殺してこの神器を装備すると能力が得られるらしい。
――でもこれって、汚染だろ?
ナニカを殺して奪う能力、というものは、大抵いわゆる『魂の調律』に関わるものが多い。
捨てることのできない勇者装備であるとか、或いは同じく装備すると捨てられなくなる呪い装備とか。それを捨てるなんてとんでもない、な、アレである。
盗むことができたのでそこまで癒着の深度は深くなさそうだが、いや、奪い合うという性質上、あえて能動的に奪取しやすくされているのだろう。
――……となると、対象は『転生者』か。
勇者に調整された勇者シリーズ等と汎用型――破壊の剣や般若の面など――の中間、という具合かもしれない。
恐らく、このリングとノートをこの少年以外の者が使うには、この少年を先んじて殺しておく必要がある。
そしてさらにそれは、転生者である必要がある。
「…………」
では俺は転生者なのか。
ノートを読むに、違う、と、思われる。
少年――自称少女――は、歴史上の人物に転生した、とある。
ということは、この少年は本来の自分の体ではなく、この世界の人間の体に乗り移っている、ということなのだろう。
俺は少年の胸を触ってみる。
胸のふくらみはよくわからないが、女性特有の突起はある。
次に股間を触ってみる。
なるほど男性器は無いようだ。
ぱっとみ男性にしか見えないのは短髪であるのと目つきが悪いせいか。よくよくじっくり見れば、女性らしさを感じない事もない弱弱しさのようなものがある。
――身籠らせ、転生者幼生体の飼育次第ではよい手駒となり得るか?
少年の歳では思想教育は難しい。処分すべきだ。
だが、能力自体は悪くない。手に入るなら欲しい。用途がかなりある。
俺は少年のジャージの中に手を突っ込み股間をもみほぐす。
「ッ?! ッッ?!?!」
しばらくこねくり回してみたが、肌を赤くし時折痙攣するものの、膣からバルトリン腺分泌液らしきものは出なかった。生理が来ていない、という記述からも、転生の影響で生殖能力がオミットされている可能性がある。
――憑依というのは得てして科学に由来しているし、この個体もその類だな。もはや人ではない。
絶頂を迎えびくびくと痙攣する転生者の股間から手を放し、転生者を飼いならし繁殖させるのは難しいかもしれないという一応の結論を得る。




