第七話 ギルド
塔は城下町から少し離れた所に再発生した。
元々は魔王が倒された直後消えてしまったのだがあの声と共に塔が姿を見せたそうだ。
城下町から見ても見える長い塔でその付近にはギルドとよばれるグループのアジトが沢山あった。
さらに周りにはたくさんの強そうな人がわらわらいる。
「やぁ、みんな待たせたね」
「遅かったぞ、王国の王子様率いる攻略ギルドが先にどんどん進んでるぜ」
「まぁ、俺ら討伐ギルドとしては行けるようになった階層がふえるから嬉しいっちゃ嬉しいけどよ」
太っちょで頑丈そうな騎士と痩せがちだが同じ硬そうな盾を持った騎士二人が不機嫌そうに待っていた。
「攻略、ギルド?討伐?」
そう混乱して呟く私、エルリアを二人組の騎士は変な目で見てきた。
太っちょがライに言う。
「お前が頼んできた時はこんな可愛い子がいるなんて聞いてなかったぞ!
なぁこの子お前の彼女か?」
「ボコ、デコ、エルリアちゃんを見過ぎだよ
僕の妹さ!」
どうやら太ってるほうがボコで痩せてるほうがデコらしい。
デコは特に私のことを見てる。
「あのう、俺デコっていうんすけど、お付き合いしてもいいですか?」
「馬鹿、エルリアちゃんが怖がってるだろ?」
全くこいつら下心丸出し過ぎだ
まぁでもライの仲間なら無下にはできない。
はにかみながらデコの質問を屈折させて答える。
「デコさん今日は討伐のお付き合いよろしくお願いするわ
ところでギルドについて聞いていいかしら?」
デコは普通に人の話を聞かずににやにやしている。
質問に答えるのに少し時間がかかりそうだ
ちょっとこの人は苦手。
すると太っちょのボコの方が説明してくれた。
「ギルドは多種多様にある。その中でも塔に関するものは攻略ギルド、討伐ギルド、採取・採掘ギルド、商人ギルド。
攻略ギルドは最前線に塔を攻略し情報を討伐や採取・採掘ギルドに流し情報料等を取る。
そしてそのクリアした階層へワープできる装置を置いてくれる。
取れたアイテムは商人ギルドを通して売買される。
商人ギルドは町へアイテムを売る役割もあり卸売業者も兼ねてる感じだな」
そしてにやにやしてたデコもやっと真剣な表情に戻り補足する。
「攻略ギルドは一番儲かるところだがリスクも高く相当強い奴しか居れない。
前は勇者がその役割だった。
勇者のパーティの一人であり
緑色の光の勇者に選ばれた
我が国の王子、エリックが攻略をしてる。
勇者についで二番目に強かったんだ。
ただその勇者が攻略した時よりも難易度が上がってるらしいからまた時間かかりそうだな。」
色々な説明を受けこんがらがっているエルリアにライが纏めてくれた。
「要は塔は金なる木。
僕達は攻略ギルドの切り開いた階層でモンスターを倒してアイテムを手に入れて売るのが目的。
そんな感じさ。」
「なるほどね。でも今回は私達はそんなに難しい場所行ったりとかはしないのよね?」
エルリアの質問にライはニコッと頷いた。
「うん!
エルリアちゃんは初めてだしね!
戦闘の仕方とかも教えたいから今43階層あるけど1階層目の敵と戦ってみようか!」