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瞳の勇者  作者: 烈火
一章 血眼の勇者
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第三話 瞳の勇者の誕生

辺りから悲鳴が上がるのが聞こえてくる。


良かったストレス性の幻聴ではなく皆聞こえているようだ。


「勇者無き今我は再びダンジョンである塔を建てる。

そしてその頂上にて待つが勇気無き者が残らぬばこの世界を滅ぼそう。

さぁ来るがいい。

とは言いたいが流石に勇者なき今我に立ち向かう者はいないだろうな。

だから七人の境遇の異なる者達に勇者の力をそれぞれ与えよう。」


私はため息をついた。


世界を滅ぼすなら早く滅ぼしてくれた方が楽なのにこうしたまわりくどいやり方をするのは本当に魔王らしい。


適当な愚痴をスミスにかけようとした時だ…!


「お、おおお!これは力が漲るぞ!これはリベリオンで活動していた全盛期以上の力だ!」


スミスの体は紫の光に包まれその表情は今まで見たことのない程活気に満ち溢れていた。


だがすぐにスミスも驚いた表情で私に話しかける。


「え、エルリアちゃん!?まさか!」


!?


私は自分の手を見るいや、それ以前に視界が赤い。そう、私も気がついたら赤い光に包まれていたのだ。

まさか私がこうして選ばれる事になろうとは。

急な出来事でどのような気持ちでいればいいのか分からなかったがその後魔王が再び私達に語りかける。


「今異なる色で輝いたそれぞれの者達、そして我が渡した力を持つ7人の者を瞳の勇者と呼ぼう。


名の由来はそのうちわかる。

まだ能力の発動の条件と効果はこちらからは教えない。


だが発動次第本人の情報は隠しこちらでその能力を人間全員に知らせるとしよう。


そしてさらに良いことを教える。

瞳の勇者は同じ瞳の勇者を殺す事で相手の力を得る事が可能だ。


つまり律儀に七人で立ち向かわず生き残った一人が我に立ち向かってもいい。


さぁ人間は残酷なものだ、相手が瞳の勇者だと分かれば殺し合いが始まるだろうな。


我はそれを含めこの本物の勇者なきこのゲームを楽しむとしよう!


さらばだ!」


その声の途切れと同時に互いの体の輝きは消えた。そして私は一気に体が冷たくなるのを感じた。鼓動が早くなる、呼吸も過呼吸に近い程激しくなった。


そう、その表情から読み取れはしなかったがスミスの黒い色目が私を凝視していたからだ。


ころ、される、


殺される、殺される、殺される、殺される!


私はすぐに体が動き気がつけば胸が苦しいはずなのにこれにも無いほど早く走っていた。


「エルリアちゃん!」


スミスのいつもと変わらない呼び声も信じられずただただ恐怖に支配され走り走っていた。


私の足はスラム街を無意識に抜け下町に入っていたようだ。


そして不意に誰にぶつかる感覚がした。

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