表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瞳の勇者  作者: 烈火
一章 血眼の勇者
3/76

第二話 魔王の復活

普通だったら絶望するだろう。

普通だったら心から泣き叫ぶだろう。


「エルリアちゃん、無事にお墓を立てたよ」


「ありがとうスミスおじいちゃん。力仕事までやってもらって」


隣で埋葬を手伝ってくれた仲の良い白髪の老人スミスの横で私は安心感というか、歓喜というか。


絶対に抱いてはいけない感情を母の死により抱いていた。


もう、母の為にリスクのある仕事をしなくていい。今ある金でこれから少しは楽をする事ができる。


なんて親不孝な考えだろうか。


だが私はそれ程まで追い詰められていた。


ぼーっと眺めているとスミスの返事が帰ってきた。


「いやぁ、君のお父さんからの縁だからねぇ、君の父と国の反逆軍リベリオンを建てたときは血が通い…。」


「これ、あげるからもういいわよ」


私はその話が始まった途端急に頭に血が上り私に金の袋を投げた男と同じく顔に向けてお金を投げた。


やはり私の力は弱かったらしく軽く彼の顔に当たり、おおそうかと言った表情で中身を目の前で確認すると目を見開いた。


「エルリアちゃん、なんだい?このお金は!?まさか、君も」


「スミスおじいちゃん、昔は綺麗事や大義名分で夢を見てたかもだけどこれが今の現状なの…。」


スミスはこれまでに無い怒りの表情を私でなく王国のある方へ向けた。


「わしに力があれば…!このクソみたいな世界を…!いっそ魔王に滅ぼされればまだマシだっただろうに!」


「私は生き地獄だけどでも生きることほど素晴らしいことはないと思うわ。」


スミスおじいちゃんは25年前私の父親と共に国に反逆し、少ない処刑を免れた男だ。


まぁ生き残りは結局国から人権を奪われここにいるわけだが。


スミスが自分の力の無さを嘆いていたその時だった。

耳鳴りのような声と共に中性的な声が響いた。


「聞こえるか?人間。

我は魔王…。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ