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瞳の勇者  作者: 烈火
二章 瞳の勇者の集結
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第二十一話 交戦の終わり

「ははは…!」


「何がおかしいの?」


私は自分を殺そうとした上に笑いかけるエリック激しい怒りを燃やし地面に刺していた剣を引き抜いた。


「君を侮っていた。

君の瞳の勇者としての力は強大だ。

瞳の勇者の中でも一番形態が進み、抜きん出て強い。

だが本体が脆ければすぐにその力は奪われてしまう。

なら私が奪おうと考えたのだが魔剣まで味方につけていたか。」


敵意がなくなったのか戦意喪失したのかエリックは剣を鞘に戻した。

エリックは初めてノアに話しかける。


「ノア、君の能力を教えてくれないか?」


「エルちゃん…話してもいい?

分かった…。

ボクの力は触れた相手の瞳の勇者の力を一定時間の間任意で無くすことができるの。

こんな感じで暴走とかのデメリットも消せるんだ。」


ノアは許可を求めると私に触れその能力を消し証拠を見せた。


「慢心してたのは己だったか。

この闘い…エルリア、君の高火力なレーザーを受けながら魔剣を処理するのはいくら何でも荷が重すぎるな。

ある意味私は不死身だがさらにやり合うとしたら何度もあのように蒸発させられるだろう。

何度も塵になって毎回生き返る保証もない。

剣で斬りかかってもその魔剣のせいで剣が通る気配はなさそうだ。

だからはっきり言うと、戦うのはもう勘弁だ。

ノアの能力を見てもこれも相性が最悪であろう。

やはり勇者同士で争っても不毛だと分かった。

魔王はそういう事を考えて勇者の能力を選んだのか。

試して悪かった。」


殺気を無くし話すエリックに私も力が抜け返事をした。


「なる程、実力を試してそれに見合わなければ

私の力を王子であるあなたが奪うって算段だったのね。」


「すまない、非情な試しであったがその通りだ。

だが君個人瞳の勇者を抜きにして魔剣に選ばれた、私をあそこまで押す力がある。

それに瞳の勇者殺しの相棒がいる。

ここまでしてこんな事を言うのはなんだが

これなら君達を最初に話した通り仲間として迎えたい。」


随分ぞんざいに扱われたものだ。

勇者としての器がなければ消され

予想以上の実力があると判断すればヘラヘラ笑って仲間でいようなんて。

ニコッと笑い手を出したエリックをジトっと見つめる。


「私はあんたの仲間になる気はないわ。」 


周りの空気が冷たくなるのを感じたが私は差し出された手に軽くタッチした。


「ただ協力関係ってことでこんな感じで軽くタッチするくらいならいいわよ。

そこまで言うなら仲間じゃなきゃ強制的に敵とするとかはもう言わないわよね?」


「ははは、参った。わかったよ。

ただ約束だ。

瞳の勇者間のルールだ。

1勇者の命を狙う、裏切り等は全員で粛清

2魔王を倒すために力が必要ならば協力

いいか?」


「一番目を早速破ってたアンタが言うと違和感が凄いのだけれど

ええ、分かったわ。

一応、ノアはどうなの?協力とか。

後、私の…仲間でいてくれる?」


不思議な気持ちだった、

初めは煩わしく感じていたノアに依存心を持ったのは。

ノアはニコッと笑い頷いた。


「言ったでしょ?

ボクはエルちゃんの事大好きだって!

後ボクは勇者の人達にこんな事されて信じにくい。

でも初めて話し合ったから

試すのにこんな感じになっただけだと思うの。

本当は良い人だと思うから協力だけじゃなく仲良くもなりたいなって

エナ君もとっても良い人そうだし!」


「うっせ」


いきなり触られ赤く顔を染めるエナ。

どうやらノアの博愛というのは言葉だけではない物らしい。

というか大のお人好しか。


瞳の勇者同士の激しい闘いは一瞬の事だったがこれで終わり、

5人の瞳の勇者による協力関係はこれによって結ばれた。


エルリア達がライに案内され階段を降りようとする中、エナが口を震わせ感情的になってエリックに話しかける。


「エリック王子、あの魔剣は…!?」


「魔剣の正体は分からんがヘパイストスによるものであろう。

奴の弟子達がヘパイストスの名前で店を多く出してるが、本物があれを渡したと見て間違いない。

25年前王が処刑した例の男の件もある。

調査を進め、エルリアの動向は監視する」


「分かりました。

姉ちゃんの…仇。」

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