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瞳の勇者  作者: 烈火
二章 瞳の勇者の集結
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第十九話 それぞれの瞳の力 後半

!?


エナによって斬られた王子エリックの首は宙を舞い地面に落ちた。

私、エルリアは昨日のボコ達のトラウマを思い出し口から瞳の勇者の力のせいか血が吹き出してきた。

ノアもショックを受けていたが私に気付き私を助ける事に専念し

手を握ることでその力を抑えてくれた。


頭の無い体だったがすぐに変化が起きた。

緑色の光と共に頭がブシャという独特な音と共に生えてきたのだ。

私達は目を見張った。

落ちた頭はいつの間にか消えエリックは大した事もなかったかのようにまるでちゃんと首が据わっているのか確認するように首を鳴らした。

納得がいったかのか頷くとニコッと笑った。


「ははは、驚かせて済まない。

私の力はリジェネレーションと呼んでいる。

第一形態の力だが自分の体を細胞単位で蘇生できるようだ。

どうやらエルリアも魔王から化物と言われているようだが私もまた私でこの力を体感した時自身も化物だと自覚したね。」


化物だ。確かにエナの能力も体感してないから実感は沸かないし、ライの力も魔王が使っていただけあってこれも沸かないがよく考えるとどれも常軌を逸した能力ばかりである。

その心情を読み取ったかのようにエリックは不敵に笑って挑発をしてきた。


「ところで魔王によって公表された能力はこれで全部、新しく開花されたノアの能力は後で見るとして一度屋上でエルリア、私と闘わないか?

君はおそらく自分が瞳の勇者の中で最強であると勘違いしている可能性がある。

だがもし瞳の勇者に与えられた力が平等だとしたら地力の差が瞳の勇者の実力を分けるであろう。

だとしたら魔王を倒した勇者の次に強い私が必然的に最強となる。

それを証明したい。」


どうやら血眼の力を見た時エリックは自分の力に自信を無し、自信を取り戻したいのだろうか?

確固たる意志が宿った表情でこちらを見つめる。


「ええ、いいわよ。

ただ貴方の背後に町とかはないようにして、理由はよく分かるわよね?」


「勿論だ。」


おおよそ理由は形態が進んだ瞳の勇者相手の闘いがどこまで激しいものなのかを確かめる為であろう。

あちらは瞳の勇者同士の闘いならエナとやってる筈

自信たっぷりに啖呵を切ったが人との戦闘経験はない、それにもっと言えば人を傷付けるのはとても怖い。

しかしここで引き下がれば瞳の勇者として不要だ。

もし私が王子なら不要な勇者は魔王を倒すために切り捨てる、殺される可能性が高くなる。

確かに不要なら切る、意味のある死だがもっと私の命は可能性があるはず。

ならまだ死にたくない…!

まだ生きる事で意味があるならここでそれを証明してやる!



「ね、ねぇボクの能力の説明させてよ!

ボクの能力割と重要…」


「まぁ、王子様がスイッチ入ったんだ。

あれは止められねぇさ。」


エナは少しずつ馴れたのか、ただをこねているノアの肩を叩き首を振った。

ぞろぞろと屋上に向かおうとしている中

ライはエリックに話しかける。


「一応僕の方でも民の皆様には事情はアナウンスしておきますね。」


「ああ助かる。」


割と一番地味な能力かと思ったら実用的でかつ便利な能力ね、とうっかり心で思いながら彼を見つめているとニコッとされ心を見透かされた事に少し恥ずかしさを持った。

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