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瞳の勇者  作者: 烈火
一章 血眼の勇者
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第九話 勇者になれなかった嘘つき者


「アメノハバキリ!」


振り下ろした輝く剣は真っ二つに恐竜を斬り裂き、幅広い範囲に地割れを起こした。

そして怒号とともに恐竜は姿を消し大きな宝箱が現れお金が沢山入った袋が出てくる。


私は上記を逸した状況に何かの見間違いかと口を開けたままポカーンとしていた。

どうやらデコとボコの方を見たが同じ表情をしていて普通の傭兵らしき人から見ても異常な強さだということがわかる。


「バフ、つまり効果上昇系のスキル使いまくって効果が切れる前にタイミングを合わせて打てばこんな感じ。

ああこのお金、傭兵君たちの給料でいいよ、後もうひと狩りするだろうから、僕とエルリアちゃんは宝箱を開けるかな。」


私はお金のほうが魅力的だったが宝箱の方を促されたので付き合うことにした。

じゃあ、開けるよ!というライの声に少し期待下のだが中に入っていたのは。


「白いリボン?」


がっかりだった、中に入っていたのはこれだけだったのだ。

だが私の反応とは別にライは声色を変えた。


「わぁ、ビックリした!確かに普通のリボンかなって思ったけど。これ見たことないアビリティ付きじゃないか!?」


それってどんな効果なの?


って聞こうとした時だ。

天井から凄まじい音とともに天井が割れ巨大なカマキリが現れそれと、同時にボコが真っ二つになっていた。

鮮血が目に入る。


私はそのあまりにも酷い光景を見て吐き気を催しそれと同時にパニックを起こした。


「蘇生術だ、覚えてなかったら蘇生アイテムだ!デコ!早く使え!!間に合わなくなる!」


ライは叫んだがデコの頭は無かった。


また鮮血が飛び出す。


「きゃあああ!」


私は半狂乱になっていた。

しかし不意に肩を強く下へ押されはっとした。

ライの声がする。


「ははは…、あんときと同じじゃないか」


だが同時に意識がハッキリとした私はライの目を見ると既に焦点が合ってないのが分かった。


「敵は攻略組の今いるであろう50層のもの

そこのザコ敵はさっきの敵より強いのに…。

そしてレア強力エネミー扱い。

あの文様は魔王の手下、つまり能力に追加補正。

それが3体か…ははは、終わったよ!

ははは!」


「お兄さん!」


今度は私がライの正気を取り戻すために強く叫ぶように声を上げた。

するとライも少しだけ戻ったのか

いつもの穏やかな顔がくずれ泣き顔で


「僕も勇者や王子様みたいに活躍したかったんだ!

だから自分が勇者に選ばれただの嘘ついて、追い出されたギルドから傭兵雇ってそいつらを仕切ってるだの嘘ついて…

そして再びみんなの命を巻き沿いにして…

勇者の資格の無い僕が調子に乗ったから天罰が落ちたのか!?」


「そんな事ないよ!お兄さんは…!

ライは!私の事を妹さんと同じように優しく接してくれた!嘘を付いてたかもしれないけどそれでも私を守ってくれたときのライはカッコよかった!」


一瞬の間があった。

そしてライは頭を上げ小さな声で呟く。


「そうか嘘つきのライと呼ばれた僕でもそう言ってくれるんだ。

…。」


そして再び間があった、それは私にとって不穏に感じさせる。

しかしライは強い声で叫んだ。


「今から僕は僕の全てを持って自爆する!

全ての生命力、全ての魔力を使って…!

そしたら奴らの動きだけは止まる!

だから、行って!!生きて!

エルリアちゃんだけでも生きて!

…生きるんだ!!」


その言葉の直後体を強く押され突き放された。

私は目を見開き彼を見る。

その目に映った体から光が溢れた途端…


ズドーン!!!


という凄まじい爆発が起きた。


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