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悲劇の主人公は悲劇のヒロインを見捨てられない  作者: 湯タンポ
王都 アークメリオス
13/35

2.1初めての王都!種族がエルフ?僕はもっとすごいけどね!



Side:ベル


 見渡す限り緑が続く草原のど真ん中。


 僕達は馬車に揺られて移動中だ。


 馬がちょっと早歩きくらいのスピードで馬車が走っている。

 ずっと走り続けてるといざという時に走れなくなるからだそうだ。

 

ジル「ねーねー、お父さーん!後どれくらいで王都に着くのー?」


父「うーん、後…2、3時間位だな。」


 お父さんが御者台から返事をする。

 僕もこれまでの道のりでお父さんにやり方を教えてもらって、馬車の御者くらいは出来るようになったけど、やってるうちに疲れた。


 正直言って「貴族が何を御者なんてやってるんだ!」と言いたいところだが、そもそも山奥に暮らしている時点であまり貴族らしくも無い。

 ちなみにまだジルやメルには前世のことも何も話してない。


ジル「暇だよー!ベルー!何かしよー!」


ベル「うーん、やるのはいいけど何をしようか?」


ジル「ずっと座ってるのはやだから動きたい!」


 馬車って結構狭いから運動はできないかな?

 召還された勇者がこの世界の人に教えたかどうかは知らないが、少なくともこの馬車には衝撃吸収するためのものが地球では随分昔のものだからすごく揺れる。

 コップを置いたら中身がこぼれるくらいには。

 

 まぁ、こんなときのためにと僕が作ったふかふかクッションが人数分あるからおしりの心配はしなくても大丈夫!


メル「ジル、動くなら外にでないといけないわ。」


 メルはお母さんに似たと思う。

 特に口調に語尾が「わ」とか「わよ」とかになってるし、他人から見れば僕やジルよりも親子してると思う。


 お父さんに似てるのは…仕事をしてて接する時間が減ってるわけでもないのにどうしてお父さんの要素を誰も引き継がなかったのか。


ベル「なら、誰が先に王都に着くか競争する?」


ジル「いいよー!」


メル「ジルとベルがやるなら私もー」


父「お、なら俺も参……「あら、楽しそうね私も参加するから、ルークは馬車を持ってきてね。」


 お父さん残念だったねー。

 まぁ、誰かがしないといけないことだからしょうがないと言えばしょうがないかな。

 僕はそんなしたくないから何も言わないけどね。


母「ルークは始めのかけごえをしてちょうだい。」


父「……風で中にあるものを撒き散らすなよ?片付け大変なんだからな。

じゃあ、……よーい スタート!」


 はい。

 この時点でお母さんが一位はほぼ確定した。

 お母さんは魔法で翔んでいくからね。

 僕たちも翔べるけど、速度はお母さんの方が二倍はあるし魔力が持たないから使えない。

 でも、………勝負はいつも全力じゃないと面白くないよね?


ベル「お母さーん!王都に着いたら、新しく思い付いた魔法を使わないメイク方法教えてあげる!」


 全力、すなわちどんな手を使ってでも勝つ!


母「あら、ベルは私に賄賂でも使うつもり?」


 お母さんがUターンして馬車の中に戻って来た。

 …スタートした速度よりも速かった。


ベル「またまたーそんなことするわけないじゃん。でもね、新しいメイクは目の色を自由に変えられるんだよ?」


母「ま、魔法無しで目の色を自由自在ってことね?どうしましょう、私はそれが気になって飛翔の魔法に集中できないわ。」


父「オリーブ、わざとらしすぎじゃないか?」


母「私は本当にそれくらい気になってるのよ!」


 演技が下手とかじゃなくて普通に演技しようとしてないよね?

 Siriの方が感情こもってるよ。

 でもこれで順位は分からなくなったな。ここから先に走って行ったジルとメルに追い抜かないと行けないのか、辛いな。

 とりあえず、飛翔の魔法を全力で使ったら追い付けるかな。




 















 お、やっとメルとジルが見えてきたな。


 ほとんど並走してて、頑張れば会話が出来るくらいの距離だ。

 性格が出てるのか前に出てるのがジルで、後ろがメル。

 

(うーん、どうしよ?選択肢はいくつかあるんだけどなー。よし、ならこれにしよう。)






 ステップ1

 まずはベース配分なんてガン無視の全力ダッシュをして追い越します。


 ステップ2

 次に二人が好んでいる食べ物を出して匂いでつります。


メル「ハッ!焼きたてシュークリームの良い匂いが!」


ジル「ハッ!揚げたてドーナツの良い匂いが!」



 ステップ3

 投げます。


「「何してるのベルぅぅぅぅ!!!!!」」


 ステップ4

 すると、投げられた食べ物を落とさないようにまるでフリスビーを投げられた犬のように走って空中でキャッチします。


 ステップ5

 わんこがその場で食べ物を貪り始めます。


 ステップ6

 自分はわんわんおが食べ物を食べている間に走ります。








 ね?簡単でしょう?

 みんなも運動会の徒競走だとかするときに使えば効果は絶大だと思うよ!

 この6ステップで僕が1位になることがほとんど確定したね。


 え?そもそもお前以外に誰も走ってないだろって?

 ……いいんだよそんなこと、勝てばいいんだよ。全力でやった結果がこれだったんだから。


 僕のおやつが二つ無くなったくらいだしね。


 ……あれ?


―――――――――――――――――――――――

 結果


得 勝ってもあまり意味のない競走の1位


損 新技術の開発決定と僕のおやつのドーナツ

  とシュークリームが無くなった

―――――――――――――――――――――――


 ……グスッ、僕は勝負に全力で挑んだだけなのに。






















 王都に着いた。


「はぁー、城壁大きすぎだろー。」


 因みにこの体。

 魔法を使わなくても体力を使えば魔力が減っていくので息切れはしない。

 その代わり魔力が無ければ動くことができないけど。


 お父さんはルイセントは王都と同レベルだとか言っていたが、王都の城壁の方が高さ二倍はあるな。

 見栄をはったのかな?


「お父さんの馬車はどこかなーっと。こっからじゃあどれがどれだか分かんないや。」


 遠すぎて、こっちに向かってくる乗り物の種類も見分けがつかないな。

 車なんてないから全部馬車なんだけどね。

 あ、あのちっちゃいのがメルとジルかな?


 まぁ、そんなわけで皆より先に王都に入ろうか。

 後で文句言われても勝負に勝ったからでいいや。

 ちょっとくらい勝者に良いことがあってもいいよね?


 街に入る列は……あれかな?とりあえず並んでみよう。


 何列かあったので、人の良さそうな頭皮ツルッツルのひとのところにならんでみる。


「えーと、こんにちは!

ルイセントって街から来たベルと申します!

ここには学校に入学するために来ました!」


「お嬢ちゃんは一人か?敬語まで使って、ずいぶんしっかりしてるみたいだが、ルイセントからここまでは女の子一人で来れるような場所じゃないんだが。」


 この程度でしっかりした敬語になってしまうからなー。

 まぁ、子どもが話す敬語としてはちょうどいいくらい、かな?

 僕のは日本が基準になってるからねー。

 日本の敬語なんてめんどくさいよねー、外国にはそんなものないのに。


「馬が疲れちゃって、休憩してたんですけど。すぐそこだったので、待ちきれなくて走って来ちゃいました!」


「そうなのか。でも危ないから一人で行動するのはやめときな。お嬢ちゃんはすぐに奴隷商にマークされそうだしね。

 一応、名前は教えてもらったから、年齢と後は種族を教えてもらっていいかな?

それと身分証は持ってるかな?持ってなかったら君の家族がくるまでまってもらうけど。」


「はい!えっと、種族は人間で年齢は…」


(あれ?

ここって普通に10歳って答えていいやつか?

学校は12歳から通うってお母さんは言ってて、会話の最初に学校に通うために来たと言ってしまった。

この人も遠くにあるルイセントの名前を覚えているくらいだし、多分頭はそこそこいい。

ど、どうする?

僕の見た目もおそらく12歳には見えないぞ。)


「じゅ、12歳です!」


「12歳?学園に通うならそれくらいだが。うーん」


 やっぱり12歳には見えないよねー。


「それとこれって身分証になりますか?」


「ん?ギルドカードか。

これは、冒険者か夢があっていいね。

そして…ほうEランクだったか、ちゃんと12歳と書いてあるしね。

身分証としてもオッケーだよ。」


 ふー。

 お父さんに勧められて冒険者ギルドに登録しておいてよかったよ。

 あ、でも僕は登録するときに年齢の偽証なんてしてないからね?


 このギルドカードはなんだか知らないけど、ものすんごいハイテク技術で作られていて、自分のステータスと連動してるんだよ。

 だから年齢が変わっても手続きとかは必要なし。

 楽でいいね。



 そんなんならステータスプレートとかって読んでいいと思うかも知れないけど。

 この国、いや世界かな?にはいろんなギルドがあって、所属するとそのギルドでのランクも表示出来るようになる。


 同じ一枚のギルドカードで複数のギルドに登録できるから便利だよね。

 ちなみにギルドカードに表示できるのは本人が表示したいと思った箇所だけ。

 ステータスと連動してるからステータスを変えられない限り偽装はできないけど隠蔽は簡単にできるってことだね。


 で、今回はスキルステータス偽装を使って年齢の欄を12に変えた。するとギルドカードにも12と表示される。

 おじさんにとってはギルドカードに表示されている=ステータスに表示されている。の構図が出来ているのでこの数字を信用してしまう。

というわけだ。


「すまなかったな。立派な冒険者に年齢を疑って。」


「いーですよー!」


 膝を折って目線を合わせてきた。

 完全に子供扱いだ。

 好意だと分かっていても受け取りづらい類いの好意だ。

 立派って言われても、Eランクなんてゴブリンとか、スライムが倒せれば誰でもなれるんだけどね。


「まだ王都のことを知らないって言うなら夢逢(ゆめあ)の良心っていう店を訪ねてみな。

依頼だと言えばこのまちを案内してくれるから。

すぐそこの大通りをまっすぐ行けば着くから。

まっすぐ歩きながら右側を見てればわかるぞ、看板も派手だしな。」


 おお、思ったより優しい人だ。

 なら、その店に行ってみようかな?


「ありがとう!おじさん!お店、行ってみるねー」


「お、おじさん…」


 フッ、これは子供扱いしたお返しだ。

 どうだこれが無意識の精神攻撃(スピリットアタック)だ。

 どや!


 どうでもいいことをしたら気分が良くなった。

 謎の達成感があるしな。





 確かお店はこの大通りかな?

 おお!でっかいなー。

 馬車が2台すれ違える広さがある。


 ルイセントと違って3、4階建ての建物がけっこうあるな!

 まさにルイセントの上位互換だな!


 鎧を着た人が店の中に入って行った。

 金属で出来た防具を売っている店らしい。

 金属は絶対熱いから僕は着ないな。


 冷房の効かない車にずっと入ってるよりも熱いって、騎士団とか絶対入らない。

 今決めた。



 で、お店の名前なんだが、『夢逢の良心』だったかな? 

 なんだその変な名前の店は。

 夢逢は名前でまだ分かるけど、良心ってなんだよ。


 あれだろ?

 町の案内やるってことは、案内屋か何でも屋だろ?

 良心ってなんだよ良心って、普通に夢逢店だとか、なんかあっただろ。

 いや、そもそも「夢逢」って人の名前を店の名前にするのが間違ってる気がするけどね。


 お、ジュースの屋台だ。

 ココナッツみたいに中身の果汁を楽しむものみたいだ。

 今度ジルとメルも連れて飲みに行こう。


 いやー、都会はなんとなくおしゃれに感じるねー。

 心なしかイケメンとか、美女って言われるような人が日本よりも多く感じるな。


 


 ん?なんだあれは

 夢逢の良心って文字の形にペンキをぶちまけた、かろうじて文字だと読み取れるくらいの看板があるんだが?

 いやー、看板が派手だとは言ってたけど、今の時代こんなの無いでしょ。普通


 こんなのが王都に流行ってるのか?

 僕には一ミリも理解が出来ないな。

 あれだな

 有名な画家が描いた絵は「常人には理解できないほどの芸術品」だとか言われてるから、とりあえず理解できないけどすごいらしいから皆に合わせよう。

 とかいって誉めてたらいつの間にか本当にそう思い始めた人が真似し始めた。

 みたいな感じかな?

 こんなんやってるのはこの店だけで流行ってないだろうけど。


 まぁ、看板には興味はない。

 看板は見やすさとインパクトがあればいいからな。

 そう考えるとあの看板も、十分看板としての役割は果たしているのか?

 とりあえず店の中に入ってみよう。


「ごめんくださーい!」


 ごめんくださいって家にお邪魔するとき以外にも、丁寧に謝罪するときとか、電話を切るとき、人と別れるときにも使うらしいよ?

 その中にお店に入るときに使うとは無かったんだけど

 一番最初に思い付いた単語がこれだったからしょうがないよね?


「はいはーい。あら?珍しいわね。どうしたのお嬢ちゃん?」


 お、きれいなお姉さんだ。

 別に背を合わせるためにしゃがまなくていいんですよ?

 スカートの中身見えちゃいますよ?


「このまちが初めてなので、案内をしてほしいなーって!あ、依頼です!」


「えっと、君の家族はいないのかな?」


「まだ街の外だと思います!」


「うーん。なら、この店にはどうやって来たのかしら?」


「街の入り口のところにいたおじさんに教えて貰いました!」


「ハゲの?」


「ツルッツルの!」


「っ、そ、そうなのね。何て言われたのかしら。」


「まだこのまちのことを知らないならこの店に来て依頼だって言えばいいって言われました!」


「そう。(あのハゲからお金とってもいいけど、久しぶりに可愛い子にあったしタダにしてあげましょうか。)」


(小声にしても聞こえてるよ。怖っ、言い方怖っ)

「ど、どうしましたー?」


「何でもないわ、なら私が案内をしてあげましょうか。」


「え?本当!ありがとうお姉さん!」


「良いのよこれくらい。」


 多分あのツルッツルの人も僕がお金持ってるとは思ってないから今度自分が払おうと思ってたと思う。

 じゃないと単なるバカだな。


 ……べ、別にさっきのが怖くて好感度上げとこうとお姉さん呼びしてるとかそんなんじゃないからね!本当だよ!


 







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Side:ベル



 お姉さんにつれていかれるがままについていく。


「お姉さん、お姉さん。僕はベルって言うんだ!お姉さんの名前は?」


「(ぼ、僕っ娘!?)わ、私の名前はエリって言うの。あなたの名前はベルっていうのねよろしく。」


 僕っ娘って、しょうがないじゃないか!中身はまだ男の子なんだから!

 あー、今行こうとしてるのがどこかわかった気がした。街に入ってからずっと見えてるもんね。白いでっかい城が


「あれ?分かっちゃった?そうだよ、これからいくのはあのお城だよ。王都に来たからには見ておかないとね。」


 合っていたらしい。


「ちなみに知ってると思うけど、王様の名前はレオナルド。

王妃の名前はソフィアって名前ね。

で、第一子が男の子だから皇太子で、名前がアレン。

第二子が女の子でエリア。

第三子も女の子でレイ。

で、第四子は男の子でエレン。

ってことはいいかしら?

ここからの話はレイ様とエレン様が年が同じで今年から学校に通い始めることやら、第四子がいること自体が最近発表されて姿も見たことない人が多いことだとか、話始めたらきりがないわね。」


 随分と有用な情報が多かったんだけど。

 じゃあ僕たちは王家の次女と次男と同級生ってこと?

 三つ子が珍しいからって話しかけて欲しくないなー。


「あ、ちなみにレイ様とエレン様は双子じゃないからね?

 お母さんが違うの。でもこの情報も確証は無いんだけど。」


「噂ってことー?」


「うーん、そうね。噂ね。

そもそもエレン様に関しての情報は、男の子ってことと年齢、後は今年から学校に通うって位しか王家は明かしてないのよね。

 ただこの噂は誰かが意図的に流していると思うのよね」


「悪い噂?」


「もしかしたら噂を流したのはソフィア様の子供じゃないから王位を継承させない!って考えてるやつなのかもしれないし。

 王家が継承権に影響を与えたくないけど、国民には知ってもらいたい。

 って理由で流してるかもしれないから判断は難しいわね。

 でも今年から学校に通うらしいし、大体のことは噂で流れるわよ。」


 へー。

 王家も大変だなー。

 腹違いだとか継承権だとかめんどうでしょ、僕は出来れば関わりたくないなー。


 でも、今の僕たちって「世にも珍しい三つ子」と「辺境からやって来たなんかすごいやつ」っていうイメージがつきそうなんだよなー。

 ジルは神童だったわけだし、メルは魔物だからなー。僕は両方だけど。

 僕だったら普通に興味はわくんだよねー、でも今関わらないために何か出来ることも無いんだよな。

 メルはちゃんとやってくれそうだけど、ジルがなー。

 祈るしかないか。






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Side:ベル


「じゃっじゃーん!ここがこの国で建物としても地位としても一番高いところだよー!」


 おう、テンションたっかいスねーお姉さん。


「大きいねー、エリさんこれって他の国のお城もこんな感じなの?」


 危ない、お姉さんって言い過ぎて名前を忘れるところだった。


「んーお姉さんもあまり多くの国を渡ってきたってわけじゃないけど、少なくとも私が見たなかで一番高さも面積もでかいわね。もちろん外観も掃除する人が多い分きれいよ?」


 へー、ならすごい…のかな?


「はい!ここで豆知識!あのお城から離れたちょっとしたお屋敷があるでしょ?実はあれは10年前にポンっと出てきてからどうして建てたのか何に使われたのかも知られてないんだー。そしてね?あそこにある………」


 ここら辺は覚えても意味無さそうだから適当に聞き流そう。


 ジルたちは今頃何してるかなぁー。




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Side:ベル



「はーい。ここは王都にある一番大きい広場だよー。」


 確かに広い。

 ルイセントの広場の1.5倍位ある気がする。

 屋台が無いからかな?


「ベルちゃんは遠いルイセントから来たって言ってたけど、確かルイセントの広場にはルイセントの守護神の像とか、屋台がいっぱいあったからこの広場は随分大きく感じるんじゃないかな?」


 よくそんなことも知ってるな。行ったことがあるのかな?


「エリさんはルイセントに行ったことがあるの?」


「え?行ったことは無いわよ?ただ知り合いから聞いただけよ。」


「エリさんお友達多いの?」


「あら?ここで質問攻めかしら。

なら予定を変更して喫茶店に行きましょうか。よく考えれば10歳の子供にこんなに歩かせるんじゃ無かったわね。

ごめんね、喫茶店では何でも食べていいから。」


「は、はーい。」


 ……いや、僕まだ年齢に関しては何も言ってないんだけど?



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Side:ベル


「はい。どんどん質問していいわよ。…えっと、最初の質問はなんだったかしら?」


「エリさんって友達多いの?」


「普通の人よりはけっこう多いんじゃないかしら?」


「どれくらい?」


「そうねー。周辺の国の噂をちょっと聞けるくらいね。」


「じゃあエリさんは何歳ですか?」


「実は私こう見えてもハーフエルフなのよ。だから本当は34歳なんだけど人間の34歳よりも見た目はそれなり若い自信があるわよ?」


 ほー、エルフなんて初めて見たな。


「エルフ!?本当に居たんだ!なら本みたいに耳がとがってるの?」


「私はどちらかと言うと人間の血の方が濃いらしくてそこまで変わらないわね。」


「じゃあ魔法は!?」


「エルフは人間よりも比較的、魔法の素養がある子供が生まれることが多いってだけで、私は普通の人間と変わらなかったわね。」


「なら、エリさんは人間とほとんど変わらない?」


「そうねー。片親がエルフだったってことと寿命がちょっとのびたくらいかしら?他に何か質問はあるかしら?」


 正直言ってこれを一番最初に聞きたかった。


「うーん、お店の名前!」


「あのお店の名前は「夢逢の良心」って言葉を忘れないようにするためね。」


「忘れないようにするため?」


「そう。ある日夢で私が信仰してる神様が夢に出てきてね。そこで「夢逢の良心がやってくる」って言っててね。意味が分からなかったけど、とりあえず店の名前に悩んでいたから忘れないようにお店の名前にしただけよ。」


「へー。」

 なるほど。全くわからん


「まぁ、随分前の夢だし、それ以来夢もみてないし結局「夢逢の良心」って意味も分からなかったから夢は単なる夢だったのかなって今は思ってるわ。お店の名前はそれで定着しちゃったから変えてないけどね。」


「じゃあエリさんのお店って何をやってるの?」


「私の店は何でも屋ね。そうそう店で思い出したんだけど。あなた私のお店で働いてみない?」


 は?ちょっと意味がわからない。

 最近意味がわからんしか言ってない気がしてきた。

 いつか口に出て来そうだからこれからはもうちょっと考えようか。


「私のお店は本当に何でも屋でね。

ペットの捜索からお城に飾る絵画の入手までいろんなお仕事があるんだけど、最近小さな子供がお店に来てくれないの。

依頼してくれる人があのハゲの人みたいな男の人が多いからかしら?」


 いや、さすがにそれはおじさんがちょっと可哀想……だけど子供は近寄りたくないよね。

 優しそうだけど背が高かったし。


「ここのところそこが悩みでね。

誰でも相談できるようなお店にしたいからどうしようかって悩んでて。

そしたら小さな子供の話が合いそうで、なおかつ商売上手で有名なルイセントの守護神の娘のベルが私の店に来たじゃない。」


 あー、やっぱり知ってたのか。

 周辺の国の噂うんぬんが出たところで薄々わかってたけど。

 国内の僕の噂なんて知ってるよね。

 ってかエリさん高スペックすぎない?


「これは神様が雇えって言ってるも同然よね。

ってことで私のお店で働いて見ない?

相手は基本的に子供が来たときと私のお手伝いだけ。

ベルちゃんに必要な学校で教えない交渉とか商人に必要なことも色々教えてあげるわよ?

お泊まりもいつでもオッケーよ?

給料もちゃんと大人としてあげるから。」


 条件が良すぎじゃない?

 譲歩しすぎじゃないかな?


「商売上手ってことは交渉はわかるでしょ?

この条件がどれくらい良いのかも。

あ、もちろんベルちゃんが予定がある場合はちゃんと考慮するわよ?」


 最初からおもいっきり譲歩して印象をよくする作戦か。

 別に喋ってる時から印象はいいんだけど。


「えっと、お店はどれくらいの人が働いてますか?」


「正式に働いてる人はいないんだけど。

その依頼に合った私の知り合いに頼んで報酬をそのまま渡してるってとこね。

大体のことはできる自信はあるんだけどどうしても一人で出来ることは少ないからね。」


 今のところ警戒すべき貴族の陰は見えていない。

 強いて言えばエリさんは貴族っぽいけどここまで譲歩するなら僕に面倒事は持ってこないだろう。

 ならやってみてもいいかな。

 僕はやったことの無いことはしたい人だしね。

 何でも屋ならいろんなことが出来そうだしね。


「親に相談してみます!」


「おお、なら良かった。何かあったら何でも言ってね大体のことはするから。」


 給料アップとかも普通にしそうな感じだな。

 まあ、僕はお金に困ってるわけでも無いけど。

 

「今からお母さんたちに話してみます!」


「行ってらっしゃい。

大体はお店で暇にしてるからいつでもおいで。」

来週も確実に出します。


新しい登場人物

・エリさん(エルフ)

・ツルツルのおじさん(顔は良い)

・レオナルド(国王)

・ソフィア(王妃)

・アレン(第一子で、長男)

・エリア(第二子で、長女)

・レイ(第三子で、次女)

・エレン(第四子で、次男)


 少しでも面白い、もしくは面白そうだと思ってくれたらブックマークしてください。私のモチベーションがどうにかなっちゃうので。


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拙い文章ですが、これからも読んで頂けると作者が喜びます。
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