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ラグナロククエスト 『神々に翻弄されし運命』  作者: 風花 香
第四章 魔神軍の猛攻

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ビフレスト教国

 アスタード大陸の西南端に突き出した岬がある。

 その岬には精霊神アテナを祀った、ギルガメシュ神殿をモチーフにした城が築かれており、この地には巡礼者が世界各地から足を運ぶ。

 城でありながら、その名をサンクチュアリ大聖堂と名付けられたこの都市は、ビフレスト教国の教都である。人口一三〇〇〇人。


 その歴史は古く、建国したのはおよそ一一〇〇年前、インガドル王国と時をほぼ同じくして、ビフレスト王国としてその名を歴史に見ることができる。

 しかし建国当初から軍事行動、対外政策に積極的だったインガドル王国に対し、ビフレスト王国は当時から宗教観念の強い国柄であった。

 建国から二〇〇年ほど後には、教祖でもある国王を教王と呼び崇め、国名もビフレスト教国と改めると、この宗教国家の存在はラー大陸中に認知されるに至った。


 ラー大陸の創造主、精霊神アテナを崇拝するビフレスト教国は、ラー大陸の平和と繁栄を願い、ラー大陸各地に宣教師の派遣、また戦争の調停役などを務め、動乱をなくすよう尽力した。

 

 国土防衛軍として聖騎士軍(ラザロフィスカス)という名の軍隊を擁しているが、外国への軍事行動は決して行わず、その徹底した指標は他国からも高い信頼を得ていた。

 その為、約五〇〇年前の平和同盟締結の際には、主要五カ国の一角にその名を連ね、当時からビフレスト教国の名声が世界的に高かったことを伺わせる。


 そして極めつけは、約三〇〇年前のある日、精霊神アテナがサンクチュアリ大聖堂の上空に降臨し、当時の教祖にこのように告げた。


『ビフレスト教国の王よ。そなたには私の代弁者として、世界に我が声を発信し、災厄からラー大陸を守る重役を与えます。その対価として、ビフレスト教国は我が加護によりあらゆる災いから守る事を約束しましょう』


 正に神に忠誠が認められた瞬間だった。

 ビフレスト教国の民たちは神に選ばれた民族としての誇りを抱き、さらなる忠誠を精霊神アテナに捧げた。


 あの『災いの日』に、大魔神デストロイアルによってアテナが封印されてから後も、復活を信じ、アテナの御心のままに忠実に役割を果たそうとしてきたビフレスト教国。


 そして今。アテナに愛されしビフレスト教国は、魔神軍による侵略を受けていた。

 アテナの加護を後ろ盾に、決死の戦いに国の運命を投じるのだった。

 

 

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