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END SOLDIERS  作者: 蒼葉かなる
第1章
5/5

少女の裏側

下心丸出しの風磨ふうまに敵意剥き出しのバイオレンス少女テトラヴァ=シュラ=ノエル。

風磨と彼女の持つチョーカーの装飾から、2人に関係性があるかもしれないことが分かった。

そして、ノエルは大切な話と称して、身のうち話を淡々と語り始める……。

「______________フウマ、貴方に大切な話があるの。」


彼女の真剣な面持ちに、自然と背筋が伸びる。

お互いに落ち着いて話をするために座り込む。


「……それで、大切な話って?」


僕が恐る恐る問いかけるとノエルは、ふぅと一息ついて、言葉を紡ぎ始める。


「私のお母さん、地球アース出身なの。

名前は、狛葦こまあしあかり。狛葦 つとむさんの妹だって、昔から聞かされていたわ」


「ってことは、ノエルは地球人と異星人のハーフってことか?」


「そういうことになるわね。こうして、フウマと会話ができるのも、小さい頃からお母さんにこの言葉を教えてもらっていたからなの。」


「なるほど。どこの星なんだ?」


ハーフって聞くと、容姿端麗な印象があるけど、本当に綺麗な子が生まれるんだなぁ。ノエルの可愛さにも納得がいく。


「それは…またいずれ話すわ。今はほかに話さないといけないことがあるから。」


「そうか、わかった。」


「それで、理由ワケあって私は自分の星から逃げて、この星に来たってわけ。

私の知る限り、この星にしか身寄りがなかったからね」


「理由って?」


「…それもまたおいおい、話すわ。

今は1つ、貴方にお願いしたいことがあるの。」


大切な話と言っておいて、結構はぐらかされてる気がする。

それでも、困っている人は放っておけない。

ノエルのような美少女なら尚更だ。


「僕に?」


「そう。私を、ここに置いて欲しいの」


「は!?ここって、僕の家に!?」


「そうよ」


いや、そうよ じゃねぇ…。

いきなりやって来て、僕の叔母さんの娘だって?

家に置いてくれって?新手の詐欺か?


「いや、でも……」


「お願い…!貴方しか頼める人はいないの!」


身を乗り出して、僕に必死に頼んでくるノエル。

そんな頼まれ方して断れるわけないことを、こいつは知ってやってるんだと思う。

乗せられてやるのも癪だけれど、母さんが帰って来たら、また何かわかるかもしれない。そうとなれば、答えはひとつ。


「…わかった。要求を受け入れるよ」


「ほんと!?」


「とりあえず!母さんが帰ってくるまでの間だけだからな!」


「やった!!!フウマ!ありがとう♪」


そう言って、僕にぎゅっと抱きついてくるノエル。柔らか……じゃなくて!

誰だこいつ!こんなデレデレのノエルなんて、僕は知らないぞ!!


「あー…ただし、大人しくできないなら出てってもらうからな!」


「当然よ♪大人しくする〜」


語尾に音符が飛びまくるノエル。

こいつ何かに追われて逃げてきたんじゃないのか?危機感のない奴め。


突然裸体で現れたかと思えば、僕のことを痛めつけて、罵倒して、殴って、抱きついて、なんて言うか本当に、危なっかしいやつ。


本当なら手を出してやりたいけれど、そんな勇気、僕にはない。間違いなく殺られる。


何はともあれ、これから一つ屋根の下に暮らすなんて、不安でしかない。


異星人とうまく生活していくことなんて出来るのか……?




ー第1章 完ー


ここで、第1章が終了になります。

第2章からは、同居人ノエルを加えた、風磨の日常が描かれます。


たくさんの方に見ていただいて本当に光栄の至であります。

今後も風磨やノエルともども、応援して頂けると幸いです。


蒼葉かなる.

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