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END SOLDIERS  作者: 蒼葉かなる
第1章
3/5

未知との遭遇

平凡な学園生活を送る舞島風磨まいじまふうまは、ある日突然、宇宙船に我が家を破壊される。

警察官の手によって、家の修復は叶ったものの、

宇宙船は家の裏に放置される。


そんな風磨が出会ったのは、卵から現れた同い年くらいの少女だった。

卵の中から飛び出した少女は、僕に怯えているようで、華奢な裸体をわなわなと震わせていた。

空色のロングヘアに蒼い瞳。どこか幼い表情をしているが、身体の発育は完全に女子高生そのもので……。


「ごっ、ごめん!!見てないから!!」


ばっと目線をそらし、ちらりと盗み見ながら、

言い訳を並べる僕。

欲の盛んな年頃の僕にとって、完全に目の毒である。

しかし少女はなんの言動も起こさず、定位置で、

僕を警戒している。


「……、お、おい?」


あまりにも動きがなく、心配になった僕は、

出来るだけ視界から彼女の姿を外しながら、

そっと近づいて、声をかける。

けれども、やはり彼女は何一つ動きを見せず、

潤んだ瞳に紅く染まった頬、そして怒りを孕んだ表情でキッと僕を睨みつける。

すると突如、頭に鈍痛が走る。


「痛っ……」


思わず頭を抱えてしまうような強い痛みだ。

彼女は変わらず、僕を睨み続け、どこからともなく衣服を取り出し、それを身に纏い始める。


そして見たこともないタイトなワンピースにマントを羽織った彼女は、足元で痛みにもがく僕を見て、視線で怒りと恥辱を訴えてくる。


「ぐぁっ…あ…っ、この痛み、君がやってるんだろ?

いろいろ、…っ見たことは謝るからさ、!

はやくっ、はやくどうにかしてくれ…!!」


今にも頭が割れそうな痛みから、少しでもはやく解放されたかった僕は、ただひたすら懺悔を続けた。

彼女は、僕と目を合わせようともしない。ひたすら懇願する僕への痛みを更に増幅させる。そして、一蹴。


「ふざけないでっ、…サイテー、ヘンタイ」


今にも泣き出しそうな表情で、罵詈雑言をつらつらと並べる彼女。

どうすれば赦されるのかと、ひたすら考えるけれど、もはや何を言っても殺られそうな気がしてきた。


「ぁぁあああああああああああああああああああああああああっ!!!」


痛みに息がつまる。もうダメだ。僕はここで死ぬんだ。こんなの情けなさすぎる。母さんや幼馴染みに見られたら死ねる。いや、もう死にそうなんだけど。


死ぬ直前になってまで、くだらない事ばかり考えてしまうのは、現実逃避したいからだろうか。


「何か言い残したことはある?」


氷のような冷たい声で、そう告げる彼女。

いろいろな人への感謝、謝罪の気持ち。

色々なものがふつふつと湧き上がってきたけれど、

何よりも僕は母親へ伝えられていないことが沢山あると思った。何から伝えるべきかと考えてみるけれど、それよりも先に口走る。





「もう1回カラダを見せてくれぇえええええええ!!!!!」



しまった、と思ったけれど、時すでに遅し。

殺られかけている相手に向かって、世界で一番情けない遺言を残してしまった。。。

その時、パシンっという破裂音が響いて、頬がじんわりと熱くなっていくのを感じる。

頭痛が嘘のように消え、代わりに頬がヒリヒリと痛みを訴え始める。


「っ!!!ばっかじゃないの!!?」


ツンデレのお手本のような台詞を吐いた彼女は、

耳まで赤くして、部屋の隅で小さくうずくまって、動かなくなってしまった。




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