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END SOLDIERS  作者: 蒼葉かなる
第1章
2/5

絶望の淵で見た希望

ごく普通の高校生、舞島風磨まいじまふうまは、夏休み後、初日の学校から帰路についたところだった。


二学期一日目の授業もお疲れ様。

自分に言い聞かせながら、家へ向かうと、そこに

あったのは僕の家ではなく大きな宇宙船だった。


「……なんだよ、これ…っ」


今朝までこの場所に確実にあった「はず」の我が家は、完全に形を失っていた。

僕は目の前の光景を飲み込むことが出来ず、

ただただ頭が真っ白になった。

背中に嫌な汗がツーと流れる。

そして考えるよりも先に体が動く。


「母さん!…母さんっ!」


多くの野次馬をかき分けて進み、そこにいるはずの母親を探す。

つい最近、事故で父親を失った僕にとって、唯一血縁のある大切な家族だった。


「ふうちゃん、落ち着いて…!」


そう呼ばれて後ろを振り向けば、黒いロングヘアの幼馴染み。昼間とは打って変わって、焦った表情で、僕の行動を制してくる。


「落ち着いてなんかいられるかよ..!!!離せ!」

「おばさん、今は海外でお仕事でしょ…?」


彼女にそう言われてハッとする。

僕はようやく呼吸を取り戻して、ゆっくりと頭の整理を始める。

僕の母親は、地球外の生命について研究をしている研究員である。現在は、アメリカで研究者たちの補佐をしているのだった。


「ハァ……っ、そっか…ありがとう、」


父親を失っているせいか、これ以上家族を失いたくない思いが人よりも強いのかもしれない。


それから、警察官の能力のおかけで、家を直してもらったけれど、謎の宇宙船は、家の裏に放置された。要するに、今後何日か続けて調べに来るのだろう。持って帰れよ、これ。


「ふうちゃん、大丈夫…?」


僕の幼馴染みの口癖は「大丈夫?」

どんな小さなことでも大きなことでもそう聞いてくる。今の僕にとって、そんな言葉は、ただのプレッシャーでしか無かった。


「…、とりあえず今日は家帰ってくれるか、」


一瞬苦い顔をしたけれど、すぐにいつもの笑顔に戻って、"またあした!"と残し家に帰っていった。


何をするわけでもなく、ただ呆然とベッドに寝転がる。あの宇宙船はなんなのか。

(母さん、早く帰ってこないかなぁ…。)


睡魔に遠のく意識の中、うっすらと目を開けると

部屋の隅に見覚えのないものを見かける。

なんだろう。何かの卵だろうか。

にしても、キャリーバッグくらいのサイズ。

こんな卵初めて見た。

起き上がって、それに近づいてみると、ふるふると揺れているのに気づいた。


「?、なんだこれ」


好奇心8割、恐怖心2割と言ったところで、その卵に、コツと拳をぶつけてみると、そこからピリッとヒビが入る。

それを始まりに、水が染み込むように、殻にヒビが入っていき、中で何かが動いているのがわかる。


「っわ!!」


穴から覗いてみると、中の何かと目が合った。

すると同時に、中のモノが突然飛び出してきて、僕とは反対側の位置まで移動する。


それに焦点を合わせていくと、そこに居たのは、















僕と同じくらいの年齢の少女だった。

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