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アクアリウム・バックヤード  作者: 鈴木 崇嗣
第1章 利眞守奮闘編
6/16

カルキ抜き プレ子とネオンは、お友達?



ある日の事。

妙に興奮したプレ子がテトラ達に話し掛ける。


「ネオン聞いて聞いて!この前ねオーナーと本気で大富豪(だいふごう)やったら革命(かくめい)で連続27枚捨てしてオーナーに勝ったんだよ!?」


「偶然と言えどアレは褒めてやろう。まさか革命(かくめい)を4連続した後に8ギリで払いジョーカーで封殺(ふうさつ)して3アガリを決めて来るとはな・・・せめてスペードの3が俺の手元にあれば逆転も狙えたんだが・・・それもプレ子のヤツさっさと捨てちまいやがったからなぁ」


「罰として私の言う事を何でも聞くんだって!」


余裕(よゆう)こいて変な約束しなきゃよかったぜ・・・」


"──チャポンッ"

アマゾン水槽の中央で1匹のネオンテトラが水面を揺らした。



また別の日。

やけに御立腹(ごりっぷく)なプレ子がテトラ達に話し掛ける。


「ネオン聞いてよ本当に信じらんない!バカオーナーがグリーンスムージーの材料買い忘れたせいで私は今朝から強制断食(だんじき)させられてるんだよ!どう思う!?」


「だからすまぬと(もう)しておろうに。ディスカスに作ってやった分の事を忘れて──」

「それでもオーナーか!管理がなっとらん!!」


「わかったわかった、今日は特別にアボガド入れてやるから」


「・・・ま、まぁそれなら(ゆる)してあげなくもないかな?」


"──チャポンッ"

アマゾン水槽の中央で1匹のネオンテトラが水面を揺らした。



さらに別の日。

キョロキョロと辺りを警戒しながらプレ子はテトラ達に話し掛ける。


「ネオン、ココだけの秘密だよ?オーナーのポケットから・・・こんなモノが!」


プレ子が手にしているのは女性物のピアスの片割れだった。

シルバーのフレームに可愛らしいピンクターコイズがデコレーションされているソレを見たプレ子が導き出した結論は──

「つまりオーナーには女装癖(じょそうへき)があるんだ!!」


"──チャポンッ"

アマゾン水槽の中央で1匹のネオンテトラが水面を揺らした。



「ンなわけあるか!ソレは千春(ちはる)の忘れ物つーか、お前が持ってたのかよ!?どうりで、いっくら探しても無ぇわけだ」


ボケとツッコミのようなタイミングで乱入して来た利眞守(とします)はイヤリングを奪い返すと、すぐさま千春(ちはる)に連絡しようと携帯を取り出しロックを解除する。

その最中(さなか)アマゾン水槽を泳ぐ、1匹のネオンテトラと目が合った・・・気がした。


"・・・"


「おいネオン?なんでそんな微妙な間合(まあ)いを・・・つーか警戒してんだ?」


"──プイッ!"

アマゾン水槽の中央で1匹のネオンテトラが利眞守(とします)から逃げるように流木の後ろへと姿を消した。


「待てよネオン!俺、女装癖(じょそうへき)なんてねぇから!?全部コイツの戯言(たわごと)だからな!」


「必死になってる辺りが怪しいよね?」


"──チャポンッ"

アマゾン水槽の流木に隠れていた1匹のネオンテトラが水面を揺らした。


「うぉーい!なんでこの()(もの)の話は信じて俺の話を信じようとしないんだ!?何とか言ってくれネオン!」


"──プイッ!"

アマゾン水槽の中で1匹のネオンテトラが"聞く耳持たぬ!"とばかりに逃げるように姿を消した。


「いやあぁあぁぁ!ネオンに見捨てられたあぁ!!」



毎度(まいど)(ごと)く店から逃走する利眞守(とします)

ソレを見ていたプレ子とネオンは──

「あははは!ネオンは演技が上手いね!!でも、こうしてられるのも全部オーナーのおかげ。だから少しは褒めてやっても良いかなぁ〜って思うけどネオンはどう?」


"──チャポンッ"

アマゾン水槽の中央で1匹のネオンテトラが水面を揺らした。

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