カルキ抜き ヒットマン&スナイパー
ココはドコだろう?
辺りを見渡しても地平線の彼方まで広がるのは、雑草1つ存在しない荒れた大地。
空はまるで血を溢したかの如く深紅に染まり、ドス黒い雲が点々と漂う不気味な空間・・・その中に1人の男がいた。
「・・・えっ?なにこれ??何で俺は檻の中に閉じ込められてんの!?」
"──グゥウアアェエェェェ・・・"
「うぉえ!?なによ今の雄叫びは!!」
「チッ、いつまで寝ぼけてやがるんだ!!あのバケモノの狙いはテメェなんだぞ!?」
檻の外から語り掛けたのはラーニャだった!
「ラーニャ!?お前どうして──」
「貴様はいちいち驚かなければ喋れんのか!!」
聞き覚えのある怒号に振り向くと、そこにはアーチャー大尉の姿まであった!
一体何がどうなっているんだ!?
なぜ願いを叶えた2匹が、再び擬人化しているのか!?
そしてこの状況は一体?
混乱する利眞守に、考える時間さえも与えぬとばかりに、先ほどの雄叫びが再び大地を裂き、地平線を揺らし不気味な空に木霊する。
「来やがったな・・・おい!オレが突っ込むからテメェは後方で援護射撃でもしてろ!!」
「貴様こそ我輩の邪魔だけはするな!!」
「気に入らねぇ野郎だが、その減らず口だけは褒めてやる!!」
"──シュウゥッ!"
鋭い踏み込みから高速移動するラーニャ。
その視線の先を見ると──
「オオォォォ・・・」
「げえっ!?あのバケモノは一体なんぞ!?」
「ヤツこそが我輩と小娘にとっての敵"異形の怪物"である!!」
異形の怪物って・・・えぇ!?
確かアーチャー大尉の話では全長2mを超えるとは聞いてたけど、アレは明らかに10mを超えている!!
楕円形の真っ黒い巨体からは、ウネウネとした無数の触手のようなモノを伸ばし、その中央には不気味に輝く赤い眼のようなモノが円形に並んでいる・・・こんな生物は見た事がない。
それ以前に、そもそもアレは生物なのか?
「つーか何で俺は1人で檻の中なわけぇ!?」
「その檻はトクソテス部隊技術部の全勢力を集結させて作った絶対防御要塞だ!貴様が如何に暴れようとも決して開かぬ!!無論異形の怪物とて同じ事!!貴様は今作戦の最重要保護リストに指定されている!つまり我輩も小娘も貴様を護る為に戦っているのだ!!例え目標を撃破出来たとしても、貴様が無事でなければ無意味!!貴様が負傷する事は即ち任務の失敗を意味する故貴様には、そこでおとなしく見ている他に選択肢はない!!」
なんか話が凄い事になってきた!
あの怪物が俺を狙ってるって!?
どうして自分が狙われてるのかも、自分が今どういう状況なのかも理解できない利眞守は、とりあえず正座をしながら考えてみる。
しかし理由が見当たらない・・・本当に何が起こっているんだ?
「おらぁ!!」
"──ザシュッ!"
「ウオオォォォアア!!」
"──ドゴォンッ!"
利眞守を放置して、一足先に怪物と対峙していたラーニャは鋭い斬撃で応戦するも、相手の放つ力任せな攻撃を前に苦戦していた。
腕なのか触手なのか、それとも足なのか?
怪物は、よくわからない部位をしならせて地面ごとラーニャを粉砕しようとするも、彼女は鮮血の殺し屋と恐れられた程の猛者。
並の攻撃では、かすり傷どころか触れる事さえ儘ならない。
不規則な攻撃をヒラリと回避しながらが相手の一撃を見切り、背面跳びからの急降下攻撃を狙う!
だがその姿を見たアーチャー大尉は彼女の犯した重大な過ちに気付いた。
「バカ者!!空中に逃げては敵の思うツボだ!!」
"──ドゴォッ!──メキメキ・・・バシュッ!"
「ぐぅわぁ!!」
死角から飛び出してきた触手に殴り飛ばされたラーニャを、すかさずアーチャー大尉が受け止める!
「げほっ!・・・チッこりゃアバラの2、3本は逝ったか」
「・・・貴様は下がっていろ!最前線には我輩が立つ!!貴様は我輩の許可があるまで最重要保護リスト警護にあたれ!!」
「テメェ・・・そんな古傷引っ提げて行く気かよ」
「今の貴様より数億倍マシだ!!」
彼女をゆっくり地面に寝かせると、今度は大尉がライフルを構えながら怪物めがけて突撃する。
一方のラーニャは左脇腹付近を押さえ、苦悶の表情を浮かべていた。
その口元からは僅かに吐血の跡が見てとれる。
「ラーニャ!しっかりしろラーニャ!!」
「はぁ・・・う、うるせぇ・・・よ・・・げほっ!」
ぐったりした表情のラーニャは再び吐血。
それを見れば、誰だって彼女が危険な状態なんだと瞬時に理解できる。
自らの血で首筋から胸元にかけてを真っ赤に染めながらも、よろよろと立ち上がり怪物を睨みつけたラーニャは、口の中に残った血を吐き捨てニヤッと笑う。
まさか戦うつもりなのか!?
自殺行為だ!なんとかして彼女を止めなければ!!
「アーチャー大尉の言葉を忘れたか!許可無く──」
「オ、オレは・・・アイツの部下じゃ・・・ねぇんだよ!だ、だから・・・そんな戯れ言に従う・・・ギリなんざ・・・ねぇっ!」
傷付きボロボロの身体で、なおも戦おうとする彼女を檻の中から傍観する事しか出来ない利眞守は、究極の焦れったさを味わっていた。
「・・・うぅっ!」
「貴様!!我輩が許可を出すまで最前線には来るなと言ったハズだ!!」
「オレは・・・テ、テメェの・・・くっ!・・・部下じゃねぇんだよ!!オレとテメェは・・・た、対等だろ・・・?」
ヒドいダメージを負っているラーニャだが、アーチャー大尉も、それに等しいダメージを負っていた。
おそらく古傷が開いたのだろう。
コートからピタッピタッと真っ赤な血が滴り落ちている。
「・・・ならば我輩と共に死ぬか?」
「へっ・・・悪く・・・ねぇな・・・」
「よかろう!!貴様の心意気に免じて我輩との共闘を許可する!!尚今作戦において貴様に死亡する権利は与えぬモノとし、許可無く身勝手な戦死を遂げる事を断固禁ずる!名誉ある戦死など存在しないと、肝に銘じて心得よ!!」
死力を振り絞って2匹は怪物を攻め立てるが相手が悪すぎる!
どんなに攻撃しようともコイツ、これといって効いてる素振りを一切見せない。
この怪物は一体どれが顔なんだ?
そしてどれが腕なんだ?
そもそもコイツは今どんな体勢なんだ?
全てにおいて圧倒的な強さを誇る怪物を前に、ジリジリと追い込まれていくラーニャと大尉。
「アーチャー大尉、俺をココから出してくれ!これ以上お前達が戦っても被害が増えるだけだ!!」
「貴様は我輩の言葉を聞いていなかったのか!!今作戦は貴様の安全が最優先である!!」
「それにテメェが・・・いまさらノコノコ出て来やがったら・・・オレ達の血が・・・ムダになんだろうが!」
「ふざけろ!俺は保護対象なんざになった記憶はねぇぞ!それに保護対象だったとして、ソイツが戦っちゃイケねぇルールなんてねぇだろ!!」
"──ガンガンッ!──ガシィンッ!"
内側から檻を破壊しようと893キックをかますが、いかんせんビクともしない。
「何がトクソテス部隊の全勢力だ!こんな檻に閉じ込めやがって!!」
苛立つ利眞守を無視してラーニャは次なる作戦を提案する。
「埒があかねぇ・・・こうなりゃ一点を集中攻撃してヤツの体に風穴空けてやろうぜ!」
「よかろう!貴様に合わせる!!」
「ぜってー外すんじゃねぇぞ!」
インスタントコンビとは思えない程の連携をみせ、1発目にラーニャが切り裂き、2発目にアーチャー大尉が同じポイントを精密狙撃。
そして3発目に再びラーニャが手刀による突きを放ち、そこから錐揉回転!
作戦通り、巨大な風穴を空け貫いた!!
そのままラーニャは空中で体勢を立て直し、反対側へと着地。
起死回生の連係技に、利眞守は檻の中からガッツポーズを決め、怪物の撃破を確信した。
「ったく・・・デカ物がいつまでもウザってぇんだよ」
「さすがのヤツとて、タダでは済むまい!!」
「オオォォォ・・・」
"──ズガアァァン!"
怪物は大地を揺らしながら崩れ落ちた。
その巨体に空いた風穴から互いを確認しあうと2匹は、ゆっくり構えを解除する。
"──ドシュッ!"
「っ!?」
「なに!?」
刹那、荒れた大地に肉を切り裂く嫌な音が木霊する。
同時にラーニャとアーチャー大尉に例えようのない鈍い痛みが走った。
見ると撃破したハズの怪物から2本、黒く鋭いトゲのようなモノが伸び、それが2匹の腹部を貫通そのまま串刺しにしていた!
「な・・・なんで・・・だよ・・・?」
「くぅはっ・・・み、見誤ったか・・・」
「グゥウアアェエェェェ!!」
"──ブゥオォンッ!"
息絶えたハズの怪物は再び立ち上がり、2匹を乱暴に投げ飛ばす。
まさに絶望を具現化したような光景に利眞守は言葉を失った。
それは投げ飛ばされたアーチャー大尉が、利眞守の入れられた檻に叩き付けられたあとも依然としてだった。
パックリと開いた大尉の腹部からは本来、見えてはイケない臓物などがダラリと垂れ下がり、荒れた大地を真っ赤な鮮血で潤している。
さらにその衝撃で飛び散った大量の血飛沫は利眞守の顔面に付着。
彼は無言のまま、親指で拭き取りソレを確認した。
ぬるりとした生暖かさを感じるコレこそが、先ほどまで大尉の体内を流れていた熱き血潮に他ならない事を物語っている。
しかし本来の居場所である彼の肉体は、鉄格子を挟んだ向の地面に力無く倒れている・・・ジャケットが血まみれになるのも躊躇せず、鉄格子に張り付き利眞守は語り掛けた。
「大尉?アーチャー大尉しっかりしろ!大尉!!」
「・・・」
「ラーニャ!起きろラーニャ!!」
「・・・」
「おい・・・ウソだろ・・・返事をしろ大尉!ラーニャ!!」
全身全霊の力を込めて叫んだ!
2匹の名前を呼び続けた!!
しかしその問い掛けに対する応答はない。
認めない、認めてたくない!認めてやるモノか!!
2匹が返事をしないのはタダ疲れているだけなんだ!
俺に返事をするのが億劫なだけなんだろ!?
本当は聞こえてるんだろ!?
「ははっ・・・そういう事か・・・そりゃ俺を驚かす為の前フリか!いや~騙されちまったよ!俺の予想を遥かに超えるクオリティでねぇの!?いやいやいやコイツは1本どころか1000本くらい取られたぜ!さぁてネタバレもしちまったし?そろそろ終わりにしようぜ」
「・・・」
「・・・」
「こ、こりゃあ!いつまで続けるつもりだ!!」
「・・・」
「・・・」
「あっ、確か冷蔵庫に千春から貰ったケーキがあったな?ラーニャの好きな玉ひもと、大尉の好きなコオロギが入った特製のヤツが」
「・・・」
「・・・」
何を言っても虚しさだけが込み上げてくる・・・なぜだ?
その答えを一番理解しているのは利眞守本人だろう。
あんな攻撃をまともに食らってしまっては2匹はもう"助からない"。
だがその事を認めたくないんだ・・・だから利眞守は普段通りに話し掛け続けた。
返ってくるハズのない返事を待ち続けた。
自分を偽り続ける道化師の面を拝み嘲笑う為か、活動を再開した怪物が地響きを鳴らしながら、ゆっくりと利眞守の入れられた檻に向かって来る。
遠くから見て10mを超えると分かる程の巨体。
それが1歩1歩近付いて来るのだから、その迫力は圧巻だ。
真っ直ぐコチラに向かって来る怪物を、上の空で見ていた利眞守は、ふと気付く。
「お、おい・・・ちょっと止まれ!!それ以上歩くとラーニャが──」
怪物と自分を結ぶ直線上にラーニャの姿がある事に。
しかも彼女は倒れたままピクリとも動かない。
「止まれ止まれ止まれえぇぇ!ストーープ!!」
「オオォォォ・・・」
彼の叫びが通じたのか?
怪物はラーニャを踏み潰す寸前の位置で止まった。
ふぅ~っと利眞守が胸を撫で下ろした刹那──
"──グヂャア"ァ!"
「!!!」
目一杯まで触手を振り上げた怪物が無抵抗なラーニャめがけ、その一撃を振り下ろした。
直前で1度立ち止まり彼女の存在を確認した上での、この所業・・・確信犯だ。
コイツは全てを理解した上で、わざとラーニャに酷過ぎるトドメを・・・!!
その光景を目の当たりにした利眞守の瞳から光が消えた。
冷酷冷徹冷血?
その程度じゃ足りない!
残酷残虐グロテスク?
そんなモンじゃない!
鬼だの悪魔、鬼畜なども赤子の戯れ言同然だ!
それは前触れなく黒き者より告げられし大いなる冬。
世界樹も朽ち果てギムレーなど存在しない無限の死者の岸。
全ての光が露と消え行く終末の日!
「ラー・・・ニャ・・・?」
「グゥウオオォォォアアァァ!!」
"──ドァンッ!──ドァンッ!"
煩わしいハエを仕留めた満足からくる雄叫びなのか、はたまた腹が捩切れる程、笑いこけているのか。
次なる獲物に狙いを定めた怪物は、悠々(ゆうゆう)と利眞守めがけ迫り来る。
だがそれよりも恐ろしい異変が、既に起きている事など、怪物はまだ知るよしもなかった。
檻の中から睨みつける彼の顔は、禁じ手殺法正統伝承者、史上最強のアクアリストと謳われる男の顔になっていた。
「ヤったな・・・よくも・・・ラーニャを、大尉を!!」
"──ガシッ!──ギギギ・・・グシャッ!"
「キサマァアァァアアァァァァ!!」
少し茎の太い雑草をへし折るかの如く、軽々と鉄格子をひん曲げると檻の中から彼は現れた。
キャップの奥に隠された、その眼が怒りで深紅に染まる今、彼は何を思い何を見ているのか。
「オオォォォアアァァ!」
"──バシュウゥッ!"
獲物が自ら、檻の外へと出てきたのをこれ幸いとばかりに、怪物が利眞守めがけ触手のようなモノを振り下ろす!
大地を抉りながら砂煙を巻き上げ、利眞守もろとも全てを粉砕した!
確かな手応えを味わっているかの、怪物は腕を振り下ろしたまま微動だにしない。
"──ドチャッ!"
だが次の瞬間にはキレの良い、乾いた音を響かせながら、振り下ろされた触手はバラバラに吹き飛んだ!!
その中心には右腕を天に掲げ、怪物の腕を穿つ利眞守の姿があった。
怒りに震えるその姿を見て、怪物は自分が何者を敵に回してしまったのかを知る事となる。
「グゥウアアェエェェェ!!」
"──シュバッ!──ブゥオォンッ!──ドゴォッ!"
直後、その攻撃がさらに激しさを増す。
それは殺気を纏った利眞守を前にした"恐怖"からくる防衛本能だった。
だが遅すぎる・・・今の彼にはラーニャと大尉を傷付けた怪物を許すなどという甘ったれた選択肢は存在しない!
「さっさとこの世から消え失せろ!!」
1秒たりとてコイツに生きる資格はない!
利眞守は見た事もない構えから、禁じ手殺法の"最終奥義"を発動させる!
「禁じ手殺法が最終奥義!掟破りのギュンター回帰!!」
"──フッ・・・──ザザッ・・・"
利眞守の姿が徐々(じょじょ)に霞んでいく・・・そしてその姿は完全に見えなくなった。
しかし彼は間違いなく"そこにいる"。
何が起きたのか?
この不可解な現象こそが"掟破りのギュンター回帰"の真髄で、厳密に言えば利眞守の姿が消えたのではなく、相手が彼の存在を"認識する事が出来なくなった"と表現するのが正しい。
全ての事象は、それを理解した時に初めて"認識する事が出来る"。
逆に言えば、理解できない事象を認識する事は不可能となる。
今、利眞守は世界の理の外側の存在として認識された為、理の内側に存在している怪物からは、利眞守という存在を認識出来なくなってしまったのだ。
「長引かせるつもりはない!防ぐ術もなく刈られる恐怖と共に、絶望を抱いて冥府へ堕ちろ!!」
姿無き利眞守の攻撃にその巨体は、みるみる解体されていく。
容赦はしない!
それが2匹への手向けでもある!
"──ザシュッ!──ゲチャッグァ!"
時間に直せば約2分。
怪物を存分に破壊したのち、利眞守はラーニャとアーチャー大尉を弔いながら考える。
この不可思議な世界で一体どれだけの人々が、俺と同じ悲しみと怒りを抱いているのか。
どれだけの力無きモノ達が泣いているのか?
俺のやるべき事は決まった・・・この世に蔓延る、いかなる闇も見つけ出す狙撃手となり、抗う悪に絶対の死を与える殺し屋として俺は生きる!!
神か悪魔か?
今この時より利眞守は自らの名を捨て、無情の救世主"アクア・ザ・ダークメシア"が誕生した。
どこまでも広がる荒れた大地と、深紅の空に挟まれながら彼は行く・・・己の使命を全うすべく、死の安らぎすらも打ち捨てて──
──to be continued
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「っていうのを考えたんだ!タイトルはアクアリウム・バックヤード外伝第1章、殺し屋&狙撃手!!」
「・・・外伝すぎてアクアリウム・バックヤードとか、その他もろもろが一切リスペクトされてない気がするんだが?しかもラーニャと大尉死んでんじゃん」
(それより、どうしてギュンター回帰を知ってんだ?)
「わかってないなオーナーは!仲間が死ぬから物語が発展するんでしょ!?」
「つーかこれ、どういう設定なんだよ?」
"──バシャバシャ!"
「ほーら言わんこっちゃない。ラーニャが怒って水槽バンバンやってんじゃねぇかよ」
"──ピシュッ!ピシュッ!"
「大尉も仲間連れて、お前に一斉射撃してるぞ」
「よーし、さっそく第2章を考えよう!!タイトルは筋肉&ヒールラッパーで──」
「って聞けよ!せめてラーニャと大尉の話だけでも聞けよ!!」
なんだか2匹には申し訳ないが、プレ子が楽しそうならそれで良いか!と開き直る利眞守であった。