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暴食魔王の食べ歩き  作者: 因幡之黒兎
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海は広いな恐ろしなぁあ!?

お、更新早いやん、この調子で行けるんか?


たぶん無理♪


(ー。ー#)



前回のあらすじ


体が軽い、こんな気持ち初めて!


成長速度予想外、僕帰るね!


え、帰るならもっと早く帰ってよ!


もういいや、疲れたし寝よう

イマココ!!



「ピエロの男に邪神、魔王と勇者ねぇ…」



ただでさえ厳つい顔を更に厳つくしながらゴルドラはため息をついた。


ぐっすり眠った俺たちは、改めてゴルドラへ状況の説明をすることにした。

まあ一応王様だし?知っておいたほうがいいかなと思って。



「なんだそれめちゃくちゃ面白そうじゃねぇか!!!」



「え…」



『は?』



「きゅ?」



いきなり何言ってんだこの王様?

ギャランドさん(着衣)はなにかを察したのか苦笑いしている。



「だってよう!?魔王に勇者に神に正体不明の敵!冒険の匂いがプンプンするじゃねぇか!!」



満面の笑みと言うよりは餌を前にしたドラゴンみたいな顔のほうが近い顔をする王様。

王様がしていい顔じゃないよねぇ…。



「ああぁ、いいなぁ~久々にいくか!?」



「ダメですよ?」



準備運動を始めまさに飛び出そうとする王を諫めるギャランドさん(着衣)。

一瞬不機嫌そうな顔をするが、しぶしぶといった感じで玉座に戻った。



「のう?もしかするとここの王様というのは・・・」



「ああ、現役時代が忘れられずたまに何も考えずに飛び出すことがあるそうですよ?」



オスカーは苦笑いを浮かべながらそう言った。

ああぁ、やっぱりそういうタイプの人なんだな。



「オスカー?」



「何ですかロアさん?」



「大丈夫か?」



「……大丈夫ですよ」



少し間があったがオスカーの笑顔は自然なものに見えた。

うん、少しもやっとするけど。

大丈夫っていうなら信じてやるか。



「どうしてもダメか?」



「そりゃあダメですよ、誰もあなたの代わりなんて出来ません」



ごついおっさんたちがまだ言い合っていた。

というか、ギャランドさんとゴルドラ王ってやけに気安く見えるけど昔なじみとかなのかな?

こういうのってベタだけどありがちだしな、うん。



「ようし、そこまでダメっていうなら考えがある」



「何ですか?」



「ギャランド、お前テスタメントとかいうのを調べてこい」



さっきまでの笑顔から打って変わって真面目な顔で話し始めた。



「調べろとおっしゃられても手がかりがないのでは?」



「お前たちの話だと奴は神の使いと名乗ったのだろう?どういう意図でそう言ったのかは知らないが、この世界で神というなら善神アウラと邪神アンラだろう?」



ん?

善神?邪神?



「であるならば、アークしかないだろう?」



「…神聖国家ですか」



「そうだ、神の話が聞きたいなら打ってつけだろう?」



神聖国家アーク。

確か聖女様が納めてる国なんだっけ?



「確かに、ではアークにて情報収集ということでよろしいですね?」



「おう、そいつが何なのかは知らないが魔王の嬢ちゃんたちやお前、勇者の坊主が苦戦した相手だ。しかも嬢ちゃんたちの攻撃は効かず、お前や坊主のは効いた」



確かに俺やプリシラの攻撃は最初効いていなかった。

オスカーやギャランドさんは攻撃が通っていたな。



「何かしらの能力であることは確かだ、それも含めて調べてこい」



「承知しました、準備は済ませているのですぐにでも」



え、準備できているの?



「任せた、お前たちはこれからどうするんだ?」



「妾達はニブルヘイムへ向かう」



「じゃな、元々そういう予定じゃったし」



予定外は勇者とピエロと変態ぐらいだ。



「あの…、私もついていったらだめですか?」



これも予想外、いや想像できたかな?

エルザには寂しい思いをさせていたかもしれないし、いや勝手にどっかいったのは俺なんだが…。

あの時は自分の食欲が抑えられる自身がなかったが、今なら大丈夫だろう。



「もちろんじゃ、一緒に行こうか」



俺がそういうとエルザは嬉しそうに笑顔を浮かべた。

可愛いなぁ、頭を撫でてあげよう。



「…連れていくのか?」



「何じゃ?不満か?」



「そうではないが…、まあ良い」



「?」



不思議そうに首をかしげるエルザとそっぽを向くプリシラ。

と思えばちらちらとこっちを、というよりはエルザを見てるっぽい?

あらあら?おやおや?



「すまない」



我が子を見るような眼で二人を見ているとオスカーが申し訳なさそうにしていた。



「申し訳ないけど、僕はいっしょに行けない」



申し訳なさそうだが、その目はどこかまっすぐに見えた。



「オスカー、一緒に行かないの?」



「ごめんよエルザ、僕はギャランドさんとアークに行こうと思うんだ」



困り眉毛になっているエルザを撫でつつオスカーの話を聞く。



「あのテスタメントが言ってたことが気になってね、もしかしたら僕の知りたいことの手がかりかもしれなくて」



うーん…。

いや、俺も気にはなるんだ。

オスカーにあのピエロが言ってたことはとても気になる。

オスカーがギャランドさんと行くなら多少の危険ならまあ、何とかなるだろう。

ただ…。




こういうのってどうやって送り出せばいいんだ?



「…オスカー?」



「エルザ?」



「無理しちゃだめだよ?」



「…うん」



なんだなんだ、少し見ない間に通じ合っちゃってる感じなのか?

というか何だろう、思ったよりもさっくり送り出すのねエルザちゃん。



「大丈夫だぞエルザちゃん!俺がいるからな!」



ギャランドさんがドンっと胸をたたいて自信満々に言うが…。



「貴様が一番やらかしそうだがな・・・」



『間違いねぇな、ギャハハハ!』



プリシラとディブロに指摘され肩を落とすのだった。





















「わざわざ船まで用意してもらって悪いのぅ」



「気にするな、ほっといたほうが大事件だ」



ところ変わってエルドラドの港、王様が船を用意してくれた。

てか大事件って…、まあほぼ魔王パーティが普通に船に乗りに来れば事件か?



「エルザもロアさんもお気をつけて」



「そっちもな、馬で行くんじゃろ?」



「今までは歩きでしたから、まだマシですよ」



そういうとオスカーは苦笑いを浮かべた。



「じゃあ、そろそろいくかのぅ!」



天気は晴れ、絶好の船出日和ってか?

船旅なんて前世でもなかったのでちょっとワクワクしてしまうな。



「オスカー、またしばしの別れじゃが気を付けるのじゃぞー」



「お互い様ですよ、どちらかと言えば狙われそうなのロアさんでしょう?」



「いや、そっちではなくな…」



「そっちではない?」



「そっちではなくぅ…そのギャランドがぁ………、まあなんとかなるじゃろ!」



「え!?何ですか!?」



…うん、流石に大丈夫だろ!!



「何でもないぞ!うん!じゃあまたのぅ!」



「え、ちょっと気になる切り方しないでくださいよ!」



大丈夫大丈夫、流石に勇者に手は出さないさ!


船に乗り込むとゆったりと動き出した。

少しずつ早くなっていき、ゆらゆら揺れながら船は進んでいく。



「母様…」



プリシラが不安そうにつぶやいた、いや怖いのだろうか。

まあ、捨てられたと思っていた母親に会いに行くんだし、怖くて当たり前か。



「プリシラ…」



俺はそっとプリシラの肩に手を置いた。

気持ちがわかるなんてことは言えない、どんな気持ちなのかなんて想像しかできない。

出来ないが、一つだけ…一つだけ伝えなくてはいけない。



「プリシラ…」



「暴食の…?」





「すまん…気持ち悪い…」



「はぁ?」



いや、ホント気持ち悪い。

吐きそう…。



「え、いや待て暴食の、貴様まさか船酔いしたのか?」



「うっぷ、吐きそうじゃ」



「ちょっとロアお姉ちゃん!?顔色すごく悪いよ!?」



まさかこんなに弱いとは思わなかった。

いや今まで乗ったことなかったからわからなかったけど!



「あ、あ、やばい…」



「え、ちょっと待てキサマここで吐くなよ!?ほらあっちの海のほうに吐くのだ妾の方ではなく!」



「うぇっぷ」



「ほらあと数歩だから、連れてってやるから我慢しろお!!」



今までにないくらいに声を荒げるプリシラと心配そうにするエルザに連れられて、俺は母なる海に放出するのだった。



うえっぷ・・・・。





一応これでまた一区切りです。


次回からニブルヘイム編です。

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