もっとマシな助っ人は無かったんですかねぇえ!?
いつもありがとうございます
つたないものですが、お納めください( ´-`)
テスタメントこと道化男ことピエロ男・・・、いいやもうピエロで!
眼を血走らせ喜々として槍を振るってくる姿はやはりキチガイそのものだッた。
いやホントに、やばいの!
狂ってるように見えて槍自体は無茶苦茶鋭いしフェイントしてくるし、見た目に反して技巧派なのか!?
「アヒャヒャヒャヒャアア!どうされましたぁあ!?どうぞ遠慮なく攻撃してくださぁぁあい!避けませんよ?一切!合切!貴女たちの攻撃はむしろ望んで受け止めますともぉお!!!」
不快な声の中、槍の一振り一振りを丁寧に捌く。
片腕が無いからか捌くのは容易い、フェイントだって焦らなければ引っかからないし合間合間で一撃打ち込めている。
ただ全然効いて無いみたいなんだよなぁ、こっちの攻撃は宣言通り欠片も避けない。
手ごたえはあるんだけどなぁ……。
「ええい!道化風情が忌々しい!!」
プリシラは俺が攻撃してる中を縫うようにしてピエロに炎を打ち込んでいる。
威力もだけど精度がとても高い、一発たりとも俺に誤射してないし。
それもしっかりと受け止められてるけど。
「ああ、くそ!いい加減しつこいんじゃが!?」
「そんなひどい!!もっと楽しみましょう!?!?」
気味の悪い槍が振るわれる、避ける。
腹、胸の順番に一撃づつ入れて顎を打ち上げる。
すかさずプリシラの火炎が顔面を焼く。
が、無傷。
まるで何事もなかったようにピエロは槍を振るう。
振り出しに戻るどころかスタートしてすらいないように思えるんだが?
「白神虎砲!!!」
いつ以来かグリード戦でやった技、前は全魔力の圧縮技だったけどレベルが上がったのおかげか連発が効くようになった。
某龍球よろしく両の手を合わせ圧縮した力を放出する。
虎の咢のを模した本流を至近距離で放った。
大丈夫、周りの被害も考えてちょい上狙いで撃ったから少し地面が抉れて城壁の一部が消し飛んだだけだ問題ない。
…問題ないよね?
白神虎砲をまともに受けたピエロは盛大にぶっ飛んだのか姿が見えなくなっていた。
「やったのか?というか貴様、あのような技があるのならとっととやらぬか!」
「そう言われてものぅ…、正直効くとも思えんかったし」
「現にあの道化は消し飛んでいるではないか」
「いやぁどうじゃろうか、そもあれだけ打ち込んで無傷じゃったから良くて掠り傷ぐらいじゃろうかの」
「いえいえいえいえ?ちゃぁあんと!無傷ですとも!!」
背後からする不快な声に振り返ると、この戦いで崩すことのない笑顔を浮かべたピエロが立っていた。
「…悪くて無傷じゃろうとは思っとったが、よもや本当に無傷じゃと…正直傷つくのぅ…」
「あれでもダメか、道化の分際でしぶとすぎる」
プリシラが悪態を吐く、気持ちはわかるけど。
「いやぁ先ほどの技は素晴らしかったですねぇぇえ?ワタクシじゃなかったら怪我をしていますよ!大変素晴らしい!ゾクゾクします!愛しい気持ちが止まりません!!!」
うわぁい変態だよちくせう!
「…おいロア」
「なんじゃ、あのピエロをどうにかする方法でも思いついたのか?」
「…あやつの腕を見ろ」
腕?
今さら腕なんて見ても片腕で槍を持っていて、さっきからかわってないじゃん・・・か・・・?
「………オスカーの攻撃は効いておるようじゃったの?」
「むしろ目に見えた傷は小僧のあれだけだな」
小僧って言いますけど、多分プリシラのほうが年下じゃないかな?
さて、俺たちの攻撃じゃ傷一つついてないが、オスカーの攻撃では傷ついている。
…そんな素振りは全くないが、今のところそれぐらいしか有効打が無いかな。
「問題はオスカーが使い物にならんという事なんじゃが…」
「うじうじと腹立たしい、最初に見た時からあの小僧は気に入らん」
んー、俺が初めて会って時よりはいいと思うけど。
オスカーは初見の相手に嫌われる呪いでもかかっているのか?
「作戦会議ですかぁあ?無駄だと思いますけどねえぇ」
槍を弄びながらゆっくりと歩いてくる。
奴にとってはこちらの攻撃は脅威ではないからこその余裕なのだろうか。
「んんー?勇者サマをけしかけようとでも思ってました?それは困ります!とても困りますよ!流石に痛いですワタシでも痛いですね!何度も食らってしまえば死んでしまうかもしれませんンンッ!!」
ピエロは歩みを止めた、弄んでいた槍も止めてにっこりと笑いながらこちらを見ている。
「ですので、そろそろお開きにいたしましょう」
瞬間、ピエロの体がぶれた。
それが先ほどまでの速さよりも何倍も速く動いたと気づいたのは。
「まずは、貴女からお別れですよ?傲慢なる王よ」
プリシラの目の前に槍を構えたピエロが現れた後だった。
やばい!
なんでさっきよりも速いんだよ!
なんだ?さっきまでは手加減してたってのか?
くそっ油断した。
間に合うか?
幸いそこまで離れていない、全力で動けば何とか行けるか?
考えながら動く、だが少し遅い。
明らかに出遅れた、二人して油断した。
槍が動く、狙いはプリシラの心臓。
間に合わない。
この拳が届くまでに届いてしまう。
手段を選んでる場合じゃねぇ!
とても痛いが竜化を使う、これなら間に合うはずだ。
意を決して、力を開放しようとしたとき。
黒い影がピエロに迫っていた。
黒い影はピエロの顔面に拳を叩き込む。
ピエロは避けることも出来ずに血と歯の破片を飛び散らせながら吹き飛んだ。
え、なにがおこったの?
プリシラも状況がわからず戸惑っていた。
黒い影はゆっくりと立ち上がった。
その姿は巨大で、鍛えられた筋肉がその姿をさらに巨大に見せていた。
「ぬ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"う"ん、ものすごい音が聞こえて全力ではせ参じてみれば城壁が壊れ客人が戦っているとは…」
その巨人はその鋭い眼光でこちらを見ていた。
鋭いながらもその瞳は何やら背筋に悪寒が走る気がした。
「状況は掴めぬが私が来たからには安心するといいお嬢さん方!」
角刈りに身長は2メートルはあろうという大男、俺たちはこいつを知っている。
「このギャランドが来たからには、たとえ神であろうと組み伏せて見せる!!」
そう、このエルドラドの隊長にして俺たちをココへ連れてきた男。
ギャランド・H・アンダーヘヤーその人だった。
確かに、とても頼もしく見える、見えちゃっている。
いや実際助かったし、それはいいんだけど…。
「な、な、な!?」
プリシラが顔を真っ赤に染めてうろたえている。
それもそうだろう、それが普通の反応だ。
何故なら…。
「何故下半身のみ裸なのだキサマわぁぁぁぁぁぁあ!?!?!?」
うん、そうなのだ。
何故か下半身が裸なのだこの変態は。
助けに来てくれたのは嬉しいんだが…なんというか。
もっとマシな助っ人はいなかったんですかねぇ・・・。
変態現る




